3-11.旅立ち
結局、私はセーナを連れて旅立つことにした。
「公爵様には伝言してあるわよ?
魔王討伐後に見てくださいって手紙にして。」
急いで逃げる必要も無くなったので、
セーナに一旦家に帰って挨拶してこようかと言ったら、
そんな回答が返ってきた。
「あとこれ、公爵様から。魔王討伐後に見るようにって」
セーナから渡された手紙を受け取って中を見る。
「公爵様なんだって?」
「母様達には上手く言っておく。気が向いたら帰ってこいだって。」
セーナといい、父様といい私の行動はお見通しだった。
私ってそんなにわかりやすいかな?
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「セーナはどこに行きたい?」
「とりあえず海かな。楽しかったし。」
「今は寒いよ?また夏にしようよ」
「それもそうね」
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「どっちに行けばいいと思う?」
「わかってはいたけど、本当にノープランね・・・
でもしばらくはリリィに任せるわ。なんか楽しそうだし。」
「なによそれ」
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「ところで返事はまだくれないの?
そろそろ我慢も限界なのだけど」
「え?言ってなかったっけ?」
「気持ちは分かってるけど、ちゃんと言葉にしてほしいわ」
「じゃあそのうちね」
「今よ!今すぐ!いい加減襲うわよ!」
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「だいぶ離れたね~
皆どうしてるかな?」
「帰ってみる?」
「まだかな~
冒険者になって、有名になったら帰ろうよ
土産話もいっぱい作って」
「いつになったら、その冒険者とやらになれるのかしらね」
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二人の旅は続く。
一旦、リリィとセーナのお話は完結です。
我慢できなくなったら冒険者編も始めるかもしれません。
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました。




