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まとわりつく声【夏のホラー2026・音】  作者: A.N.C.


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6/10

祓蝕


翌日、4人は藤田の車で霊能者のところへ

向かった。

神崎は顔色が悪く、やつれたように見える。


磯山「優香ちゃん、大丈夫?」

神崎「ああ...うん...」


時々、ブツブツ呟いているのが聞こえる。


寺のようなところに到着した。


そこで、神主のような男性に出迎えられた。

この人が、藤田のいう霊能者らしい。


霊能者「みなさん、相当良くないものが憑いて

ますね。特にそこの貴女、一刻をあらそいます。すぐに始めましょう」


深刻な顔で言われ、中へ案内された。


そこは、広めの畳の部屋で、部屋の奥に大きな仏像があった。


皆、座布団に座る。


霊能者「では、始めます。」


側に数人の巫女と思われる人々がおり、ともに

部屋の中央で護摩を焚き、祝詞を唱え始めた。火は激しく燃え盛る。


霊能者「かしこみ、かしこみ申す。


此処は此岸。

彼処は彼岸。


生ける者は此方に留まり、

還るべき者は彼方へ還れ。


聞くな。

見るな。

振り返るな。


戸を開くことなかれ。

境を越えることなかれ。


我は汝を招かぬ。

我は汝を拒まぬ。


ただ――

此処と彼処を分かつ。


日のあるうちは日の下へ。

月あるうちは月の下へ。

夜の底に沈むものは、

夜の底へ沈め。


八百万の御霊、

此処に鎮まり給え。


此岸に触れる手を断ち、

此方を見る眼を閉ざし、

此方を呼ぶ声を絶ち給え。


――境界、鎮まれ。


――還れ。」


すると、神崎が唸り声を出し始め、


神崎「やめろ...それ以上、喋るな。

  うるさい!」


霊能者はなおも唱え続ける。


神崎「お前の言う通りになるものか!」


急に神崎が立ち上がる。


俺は正直怖かった。

テレビの中だけの話だと思った。


霊能者「皆さん、もう少しの辛抱です!」


神崎は霊能者を睨め付け、


神崎「ああ?お前もそうなのか?

  どういうつもりだ?

  出て行くつもりはない」


霊能者「憑いたモノが激しく抵抗しています。

 もうじき、祓うことができます!」


神崎はおもむろにカバンからナイフを取り出し、

服を脱ぎ始めた。


神崎「そうかよ。やれるものならやってみろ。

  やられる前に、こっちからやってやる。」


磯山「優香ちゃん」


そう言って磯山は神崎を抑えようとするが、

突き飛ばされてしまう。


新田「磯山!」

俺は磯山を起き上がらせる。


藤田はオロオロしている。


神崎は上半身裸となっていた。

そして、ナイフを自分の身体に突き立てる。


俺は、側にいた数人の巫女とともに神崎を抑えようとするが、いとも簡単に払いのけられ、俺は腹を蹴られ、そこにうずくまった。


神崎は身体中あちこちにナイフを突き立て、切り裂き始める。血が畳の上に飛び散る。


霊能者「そんな...儀式は中止です!申し訳ないが、これは、私の手には負えない。本部に報告させて頂きます。彼女は一旦こちらで預かりますので、今日のところは、みなさん、お引き取りください」


霊能者がひどく焦り、狼狽えていた。


神崎は、下も脱ぎ出して、全裸となり、霊能者に一直線に近づく。


神崎「お前らにやられるくらいなら、自分でやってやる。徹のときとは違うんだ!ざまぁみろ!はははははははは!」


霊能者が押し倒されて仰向けになったところに馬乗りになったかと思うと、乳房にナイフを深く突き刺し、そのまま刃を動かし、切り取ってしまった。


神崎「あああああああ゛おおおお゛」


苦悶の表情と絶叫とともに、あたり一面に血を飛び散らせるとともに失禁し、下にいた霊能者には血が大量にかかった。


藤田がナイフを奪おうとするが、神崎に殴られ、気絶する。


そのまま、もう片方の乳房、腹、腕、足、尻の肉を切り落とし、


神崎「こ、れで、さい、ご」


と言い、顔の皮を剥いで、その場に倒れ、

動かなくなった。


霊能者はどこかに電話をかけていた。


霊能者「はい、私です。ええ。手に負えません。すぐにお願いします。」


神崎は死亡した。

午後1時30分だった。


ピコン。


皆のスマホにWhoTubeの新着動画の通知が来ていた。

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