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ビカットマン  作者: 蟹谷梅児
23 伴我
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 たくさん戦ったから休んで。


 たくさん傷ついたから休んで。


 もっと人を信じて。


 もっとみんなを信じて。


 異態家を潰してくれたこと、本当に嬉しく思った。


 お兄ちゃんも君のために動いたんだよ。


 あのバカタレも、なんやかんや君に似た性格をしているから、きっと今後一切君に関わろうとはしないだろうけど。


 嫌いなんじゃなくて、好きだから。


 私たちはたくさん愛し合って生きていくよ。君が知らなくても、お兄ちゃんは君のこと守ってる。


 でも……やっぱり君が傷つくのは見ていて辛い。


 数ヶ月起きなかったんだよ。


 私が見ている中で起きても構わないから、それでもいいから、新沼くんの家まで行ったこともあるんだ。


 君はずっと眠ってた。


 涙なんか流しちゃだめなのに、でも、やっぱり君は君なんだってわかっちゃったから、泣かざるを得なかった。


 もっと幸せになる道を選んでほしい。もっと欲張ってほしい。もっと自分のことを愛してほしい。


 神様仏様は、どうしてこの子にばかり痛い思いをさせてしまうんだろう。どうしてもっと平和な時代に生まれさせてあげなかったんだろう。


 そんなことを思うと、悔しくて、涙が止まらなかった。


 君の中に、異態肉彦はなかった。けれど、君は一生私の弟だ。お母さんとお父さんの息子だ。


 君が起きないなら、私はそれごと君を愛したいと思う。


 …………。


 君は、目を覚ました。眠っている最中、いろいろ考えていたらしい。君は、立ち上がった。自分のことをカッコいいって言っていたとき、本当に嬉しかった。


 一度、死にかけたのでようやく自分を見つめ直したんだ。

 君はかっこいいってことを、ようやく自覚したんだ。


 君が着替えて出ていったあと、新沼くんずっと玄関先でないてたんだよ。帰ったら本当にちゃんとみんなでご飯食べてほしい。


 君は戦った。


 一矢報いたんだ。君は、自分の脳みそを天獄に流し込んで、過去の記憶を呼び起こし、良心を呼び起こして、自分の行いとか、その戦いに対する嫌悪感を抱かせて、戦った。


 君は勝った。


 固有霊術と霊能異理があるのには驚いた。


 真っ白になったビカットマン、神様みたいだって思った。あるいは仏様。多分だけど、神様と仏様の融合体が神戯閃光児なんだと思う。


 君は勝ったんだ。


 そしてみんなで、これからは楽しい人生が始まっていくんだ。


 君の心には、傷ばかりがのこってしまったけど。


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