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ビカットマン  作者: 蟹谷梅児
20 変化
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 尋常維持局医学部。


「あ〜〜これ完全に女の子になってますねぇ。滝くんあんた一体何したの。君の持ってる歪んだ神性が、その人の体の構造を変えちゃったんだ。とんだハプニングだね」


 医学部員の飯島(いいじま)ホマレが言う。


「えぇ〜〜〜………な、なおせるかい?」

「たぶんあんたでも無理だね」

「な、なんで……私の持つ光が影響を及ぼしたので、新沼朝飛の新沼の部分がとんでいったんだろう」

「お前今ふざけたか?」

「神性ってそう単純じゃないんですよ。じゃああんた、コロッケをもう一度材料の状態に戻せる?」

「……」

「料理人にも無理な話だね。そういうことなの。可哀想な新沼朝飛さん。ひとえに惚れた相手が情けない奴だったせいだが……これからは女の子として生きるしかないけど、抱負は?」

「どうでもいいんですけど、あなたもわりと楽しんでませんか?」

「何を言いますか、人の不幸で楽しむほど性悪ではありません」

「すーっごいニコニコ。嘘って丸わかり」


 というところで、「お前席はずせ!」とシンスケを蹴飛ばし部屋から追い出す。そこにシンジも来ていて、「妖怪チンコ落とし」とからかった。


「でね」


 ホマレが言う。


「彼の神性……というより、神戯閃光児の光の力はたぶん『望んだ姿にする力』を持ってるんだ。その力で滝くんはビカットマンになるし、ビカットマンはいろいろな能力を発現させた。君がその光に貫かれて女の子になったってことは、ちょっと触れられたくない話かもしれないけど、そういう感覚は前々からあったって事だね?」

「だとしたらそれあいつのせいでしょ」

「うお」

「なに冷笑してんすか」

「割と誰も不幸になってないけど君の両親がただただ可哀想。君の両親ってそういうのに理解あるタイプ?」

「あいつを割と簡単に受け入れてました。うちの両親はあいつの素性とか全部わかったうえで『うちのコにするのもいいかもなあ』とか言ってたことがあります。いまも『早く帰ってこないかなぁ』って言ってます」

「す〜っごい良い人たちだ」


 だから彼も近寄りたくないってなったのかな、とホマレは考えを腹のなかで転がした。シンスケには聖人だとか善人に近寄りたくないと駄々をこねる性質があることを、ホマレは知っていた。


「でもまさかこんなついでみたいにチンコなくなるとは思いませんでした。そういうのって普通一大イベントじゃないですか」

「一大イベントかどうかはしらないけど、そうだね。でも、それが彼のそばにいるってことだと思うよ」

「…………」

「でもあれだね! 君はすごいね。誰もいまだかつて成し遂げられなかったことを、ポンとやってみせたんだ。彼、この世に未練持っちゃったよ」

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