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ビカットマン  作者: 蟹谷梅次
13 夢魘
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「えっ、尾島が起きない?」

「そうなんだよ、蹴っても殴っても起きねえの」


 その電話をもらったのは、十二月三日の事だった。


 珍しく彼から電話が来たので少しワクワクしながら応答したら優心だったので、少しがっかりしながらも、驚く。


「こういう時って神戯閃光児に呼びかけりゃ一発で起きんたけど、それもないし、マジでびくともしねぇの」

「待って待って、そっち行くわ。お前ん家よな」

「はよ来て」


 ほんとうに何をしても目を覚まさなかった。


 色々とやってみたがほんとうにいっさいピクリともしない。


 色々やって、起きなさすぎるものだから恐ろしく思い、智和を召喚すると、志郎もついてきた。


「尾島くん起きないって?」

「そうなんですよ、なんか寝たきりになっちゃって」

「病気かね」

「だとしたら神戯閃光児呼べば起きるはずなんですけど、それすらも無反応だから……なんか、愛星友っぽくないですか?」

「ふむ……」


 どうやら志郎には心当たりがあるらしい。


「よしわかった、ここは俺のツテを使っでなんとか相談にのってもらおう。夢のプロがいるんだ。そいつをここに呼ぶ」


 来た。女である。


「今ウマやってたんだけど、なに」

「かくかくしかじか」

「なるほど」


『記憶を映像や写真にできる』固有霊術を持つ樋村(ひむら)(かおる)という女は、彼の状態をいろいろと見ると、「めずらしい怪異に憑かれてら」と笑った。


 そして、結界術の応用で亜空間に収納していた大型のテレビを取り出すと、彼の枕元に置く。


 それから、縄を取り出し彼の頭に結びつけ、もう一方をテレビの足に縛り付け、「これでよし」とひとり勝手に頷く。


「私のねぇ、固有霊術は〈恩郷(おんごう)〉といって、記憶を映像や写真にできるってものだけれど、応用すると、人の夢をみることができてしまうんだね。だから呼ばれたのだろうけれど、これは私にも解決できない問題だね。詳しく言っちゃうと、彼が乗り越えないとどうもね。怪異の本体は彼の夢の中だから手は出せない。ちょこっっとでも此方にいてくれれば引きずり出せたんだけどね〜。どうせなら君たちも観たいでしょ、この子の夢の中」

「うお〜……ん〜……悪趣味〜……」


 見る。

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