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少女の名は菊池志津子というらしい。
何かどこかで聞いたような名前である。
小学四年生で、最近北上市に引っ越してきたばかりなのだそうだ。
そして、聞き込みをしていくうちになんだかきな臭いのがわかった。
智和は志津子の身の回りを調査してみる。
すると、母親が愛星友の信者だったらしい。
志津子の母は夫を殺し、現在は頭がパッパラパーだったのでそういった病院に収容されているのだそうだ。
「ほほう。なるほど、愛星友の信者だったか」
「母親が? マジで? くっそ可哀想」
「頭がパッパラパーだと子は苦労するだろうな」
「しかしどうする? あの子自体のあれやこれって解決できそうか? 母親はもう病院にいるんだろ? たぶんこれって、保護とかの観点でさ」
「支援措置は適応されるだろうけれど……そうでなくとも愛星友だから、どういう手段をとってくるかはわからない」
「れんじゅうの規模がまずわかってねぇんだよな、俺。神戯閃光児が人だった頃からあったらしいけどさ」
「そこは追々な……」
志津子がかつて住んでいたという家に向かってみることにした。
「おじゃましまーす。……あっ、なんかキモいお札貼ってある。これ効力のかあんのかな……」
「……なさそうだな。一般のカモにむけて配布されるようなものは偽物なんだろうな」
「まぁわざわざ自分たちで守ってやるほどの価値もないだろうしな。うーーーーーん……キモすぎハウスだ」
「あまり見るものもなさそうだが……どうやら彼女には兄がいたらしいが……」
「兄?」
「『6年4組』と書かれた中ズックがあるだろう。男のサイズだ」
「そうなのん?」
「ああ。確かに兄はいたが……そういえば、行方不明届が出されている。愛星友絡みだとは思うけれど……なんだか悲しくなってしまうなあ」
家の中を漁ってみるが、収穫はなかった。
「とりあえずお兄ちゃん見つけてやりたいよな」
「そうだな。……警察は手がかりなんかも?」
「まったくないなあ。悲しいけど……現時点ではお手上げ極まれり」
「私は諦めない」
日ははやくおちていた。
「何をすればいいのかもわからんのだぜ」
「人にできることをすべてやっていりゃあ、するべき事だって出来るだろう」




