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ビカットマン  作者: 蟹谷梅次
11 苛烈・1
44/51

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 少女の名は菊池(きくち)志津子(しづこ)というらしい。


 何かどこかで聞いたような名前である。


 小学四年生で、最近北上市に引っ越してきたばかりなのだそうだ。


 そして、聞き込みをしていくうちになんだかきな臭いのがわかった。


 智和は志津子の身の回りを調査してみる。


 すると、母親が愛星友の信者だったらしい。


 志津子の母は夫を殺し、現在は頭がパッパラパーだったのでそういった病院に収容されているのだそうだ。


「ほほう。なるほど、愛星友の信者だったか」

「母親が? マジで? くっそ可哀想」

「頭がパッパラパーだと子は苦労するだろうな」

「しかしどうする? あの子自体のあれやこれって解決できそうか? 母親はもう病院にいるんだろ? たぶんこれって、保護とかの観点でさ」

「支援措置は適応されるだろうけれど……そうでなくとも愛星友だから、どういう手段をとってくるかはわからない」

「れんじゅうの規模がまずわかってねぇんだよな、俺。神戯閃光児が人だった頃からあったらしいけどさ」

「そこは追々な……」


 志津子がかつて住んでいたという家に向かってみることにした。


「おじゃましまーす。……あっ、なんかキモいお札貼ってある。これ効力のかあんのかな……」

「……なさそうだな。一般のカモにむけて配布されるようなものは偽物なんだろうな」

「まぁわざわざ自分たちで守ってやるほどの価値もないだろうしな。うーーーーーん……キモすぎハウスだ」

「あまり見るものもなさそうだが……どうやら彼女には兄がいたらしいが……」

「兄?」

「『6年4組』と書かれた中ズックがあるだろう。男のサイズだ」

「そうなのん?」

「ああ。確かに兄はいたが……そういえば、行方不明届が出されている。愛星友絡みだとは思うけれど……なんだか悲しくなってしまうなあ」


 家の中を漁ってみるが、収穫はなかった。


「とりあえずお兄ちゃん見つけてやりたいよな」

「そうだな。……警察は手がかりなんかも?」

「まったくないなあ。悲しいけど……現時点ではお手上げ極まれり」

「私は諦めない」


 日ははやくおちていた。


「何をすればいいのかもわからんのだぜ」

「人にできることをすべてやっていりゃあ、するべき事だって出来るだろう」


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