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「てひどくやられたナ」
「このくらいの傷なら明日にゃ治ってるさ」
「珍しく感情的だったでないか」
「少し、かっとなってしまった。言い過ぎだったろうか」
「いやぁ、そんなことはないだろうけど。思想とか思考回路が根本的に違うふたりなんだなって、傍から観ていて思ったよ。お前は何と言うか、『事勿れ主義のタカ派』みたいな思想な気がする」
「その言葉遣い、合ってるかい?」
「知らんよ」
なんやかんやと処置をして、返される。
「彼も変われるだろうか」
「あん?」
「今日のところは行き過ぎた喧嘩ということでカタがついたのは良いことなのだけれど、しかし、彼はまだ終わったままだ。新沼、俺は彼を」
「救いたいってんだろ。じゃあ、やりゃあ良い。でもどうするんだ? お前らって根本的にN極とS極とか、油と水とか、そういった反発しあっちゃう性質の人間同士だぜ。そんで、くっつきすぎた結果が今日のアレだろ? 時間が解決してくれる問題って訳でもないだろうけどさ、だとしても手段がないぜ。お前たちが分かり合う手段が」
「飛び降りるの、やめてくれたんだ」
彼は朝飛の目を見て言う。
「やめてくれたんだよ」
彼の心自体、まだ落ち着いてなどいないのだろう。
感情的になっている。
そもそもつい最近家族が死んだばかりで、そして、身内もいなく、どうするかという問題もあり……というところで、今日だ。
落ち着けるわけがない。
「まぁいいよ。俺で良ければ付き合ってやるよ」
「ありがとう。新沼、俺は案外君に頼らないとできないことが多い。そういうんで、君の事が大好きなのかもしれないな」
「こういうので友情感じるタイプだ」
「感じないタイプの方が少ないと思うが」
「まぁそれは後々に話すとして……」
はぐらかされた。




