終話後の簡単な紹介とその後
◾️オルキス・ユーライト(オルキス・ルクスダイン)
黒髪に黒目の青年。
とある世界の『ガリバリア千年戦記』という書物の中では、四部に登場し五部で魔王となる悪役。本人は知らないが異世界からの転生者で、錬金術における『イセカイチート』持ち。
痩せこけた身体と陰気な瞳が特徴だと描写されているが、実際は栄養失調だった。
ゼノがたくさん食べさせたおかげで、すっかり健康的な身体になっている。するとあら不思議、眉目秀麗な青年になった。
王都で父であるユーライト伯爵と決着をつけた後は、錬金術を使いルクスダインを元の肥沃な大地へと蘇らせるなどして、ゼノのために働いた。
かなり早い段階でゼノへの恋心を自覚していたが、「年の差がありすぎる」「孫のように思っている」とゼノからは考え直すように言われ、長い間進展はなかった。
その期間、なんと十年。
十年経ち二十八歳になり、性格的にかなり成熟したオルキスが「ゼノ!いい加減自分の気持ちを認めてください!」と深夜部屋に押しかけ、無事に目的を達成した。
◾️ゼノ・ルクスダイン
白い髪の青銀色の目の老騎士(辺境伯)。若い頃の髪は、白に近い金色だった。
親友タチバナとの約束を守り、四十年オルキスを待っていたせいで、出会って早々好意が上限を突破している。だが本人はそれを、あくまで家族愛だと自分に言い聞かせていた。
オルキスが狙われたら嫌なので、あまり錬金術を使って欲しくないのが本音。
ともに暮らすようになって十年後、オルキスから迫られ、ついに関係を持った。翌朝のゼノの最初の一言は全裸土下座での「結婚してください!」で、それに対しオルキスは「よろしくお願いします」と泣き笑いで返した。
数十年後、六十歳の姿のまま老いずにオルキスを看取った後は、長命なウナナ族の新しい長ウナローにルクスダインを託し、笑顔でオルキスの後を追った。
その後、長きにわたりルクスダインは栄え続けたという。
〜余談〜
◾️その後のユーライト家
あまりパッとせず、新事業に手を出すも失敗。今までの事業を回しながら、細々と暮らす。
何度かルクスダインに融資を願い出たが、オルキスの耳に入る前に、全てゼノが握りつぶした。
「彼らは善でも悪でもない。ただ、厄介者の身内を『いない者』としていた。ならば儂も、彼らをそう扱うべきだろう」とはゼノの談。
◾️王太子
リハイラント子爵令息とは破局。子爵令息はその後、故郷で幼馴染と結婚した。
王太子の方も、すぐにとある侯爵家と縁を繋ぎ婚約者を得た。だが舞踏会の時のオルキスに囚われたままの王太子は、ことあるごとに婚約者とオルキスを比べ、結局破談となった。その後は、名乗りを上げるのは地位を求める者だけとなり、ついには自室に引きこもるようになっていった。
◾️「ガリバリア千年戦記の世界だ!」と興奮してた女生徒
貴族院卒業後は王太子とも子爵令息とも接点が全くなくなり、自身は親に決められた相手と結婚した。
◾️ウナロー
有那商会を継いだ後に、ウナナ族の長となった二つ尾の白猫。オルキスとは親友になった。(本当はちょっと片想いしていた)
オルキスがゼノと関係を持ってからは、色々と、まぁ色々と用意してやっていたようだ。
オルキスとゼノを見送った後は、猫の姿に戻ることはなく、二人の子を名乗り、新たなルクスダイン辺境伯として長い寿命が尽きるまで地を守り続けた。
◾️ウナモリ
ウナローの補佐として一緒に育てられたぽっちゃり茶虎猫。ウナローが辺境伯を継いだ後は、彼もまた猫に戻ることはなく、ウナローの補佐を務めた。
◾️ウナリーヌ
オルキス磨き係。王都での一件後、本当にルクスダインへやってきた美意識の高い高齢の三毛猫。
オルキスの侍女として、生涯仕えた。
◾️聖女皇—リティシア—
王都で再会後は、ゼノと文通する間柄になった。
ゼノのオルキスへの想いが単なる家族愛ではないと何度も指摘していたが、「こんな爺に好かれたら、オルキスも嫌だろう」と頑なに関係を進めようとしないゼノに「このヘタレ爺が!」とイライラしていた。
ので、十年経って「結婚する」と報せが来た時は「よっしゃーー!!」と叫んで、側近に素の性格がバレた。
魔王討伐の旅の頃からゼノをほのかに想っていたが、聖職者として生きる道を選択し、その本心は誰にも語られることはなかった。
◾️タチバナ
とある世界から召喚された勇者。妻子持ち。
右も左もわからない状態で「魔王を倒せ」と放り出されたので、それに同情し何とか元の世界に戻そうとしてくれていたゼノやリティシアを心から信頼していた。
「二人が暮らす世界なら平和にしたい」と魔王討伐を決意。その旅の途中で「あれ?これ嫁さんにめちゃくちゃ勧められて読んだ、ガリバリア千年戦記の世界じゃね?」と気付く。ゼノやリティシアは、第五部の冒頭で魔王が復活した際に、かつての勇者の仲間として殺される脇役だった。
そのため、父親に利用され情状酌量の余地がありすぎる魔王オルキス・ユーライトを助ける作戦を思いつき、実行した。
元の世界に戻った彼は、時間が一分ほどしか経っていないことを知り、ちょっとホッとする。
恐る恐る本棚にあるガリバリア千年戦記を開くと、第五部は『ルクスダインの地にて』という知らない物語になっていた。
そこにはオルキス・ユーライトがルクスダインに来てからの詳細が語られており、ラストには黄金色の小麦畑を眺めながら寄り添う老騎士と青年の挿絵が描かれていた。
タチバナは号泣し、たまたまそれを見ていた妻に「五部、泣けるよね。四十年待ってたゼノも、ずっとつらかったオルキスきゅんも、幸せになって良かった」と言われ、更に泣いた。
お読みいただきありがとうございました。
息抜きの短編が終わったので、連載している分の続きに入ります。
読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。




