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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十八章 シャロンとランス降伏/戴冠式

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183/199

18.5 戴冠式前夜、王権を象徴する至宝

 7月16日の土曜日、シャルル王は戴冠式おこなうランスから10マイル(約16キロ)離れたセプト=ソール城に宿泊した。ここの要塞は、ルニョー・ド・シャルトル卿(ランスの大司教)の好戦的な先祖によって200年前に建てられたもので、その威風堂々とした主塔はヴェスル川の渡河地点を見下ろしていた。[1492]


 そこでシャルル七世は、王に敬意を表すために来訪した大勢のランス市民を迎えた。[1493]


 その後、王は乙女ジャンヌ・ラ・ピュセルと全軍を率いて行軍を再開した。ヴェスル川の河岸に沿って、曲がりくねった街道の最後の区間を通り過ぎると、日暮れ時にシャンパーニュ地方の大都市ランスに入った。


 南門のディウリミール門は、王を通すために跳ね橋を下ろし、二つの落とし格子を上げた。[1494]


 伝統によれば、戴冠式は日曜日に行われるべきだった。

 この決まり事は、ルイ八世の戴冠式から始まったとされる。権威があるとみなされ、儀式書にも記されていた。[1495]


 ランス市民は、翌日までにすべての準備が整うように徹夜で作業した。[1496]


 彼らは、フランス王に対して突発的な愛情を抱いていたが、国王とその軍隊[1497]が何日も居座るのではないかという恐怖にも駆り立てられていた。


 門の中(町の中)に兵士を入れて、その状況を維持することへの嫌悪感は、あらゆる町の市民に共通していた。彼らには、アルマニャック兵もイングランド兵もブルゴーニュ兵も区別がつかず、戦々恐々としながら過ごした。


 そのため、市民はあらゆることに勤勉だったが、できるだけ費用を安く抑えようとしたたかに決意を固めていた。


 戴冠式は、市民にとって利益にも名誉にもならないと考えており、町の評議員たちはその負担を大司教に押し付けるのが常だった。大司教はフランスの貴族として[1498]、報酬を受け取るだろうからと彼らは主張した。



(図)フランス王シャルル七世、古い版画より(CHARLES VII, KING OF FRANCE. From an old engraving)



 先王シャルル六世の戴冠式の後、サン=ドニ大聖堂の聖具室に納められていたフランス王の装飾品は、イングランドの手に渡っていた。


 歴代フランス王が戴冠式で授けられた、「ルビー、サファイア、エメラルドで輝き、4つのフルール・ド・リス(アヤメの紋章)で飾られたシャルルマーニュ(カール大帝)の王冠」を、イングランドは自国の王ヘンリー六世の頭上に載せようと画策していた。


 他にも、彼らはこの幼い王(ヘンリー六世)に、シャルルマーニュの剣として名高いジョワユーズを帯びさせようとしていた。その剣は、(すみれ)色のベルベットの鞘に収められたまま、ブルゴーニュ派のサン=ドニ修道院長のもとで眠っていた。


 同様に、イングランドの手中には、▼皇帝の衣装をまとった金のシャルルマーニュ像が頂上にある王笏、▼ユニコーンの角でできた手が先端についた正義の杖、▼聖王ルイのマントの金の留め金、▼金の拍車、そして▼銀メッキの七宝装飾エナメルの縁飾りが施された表紙の中に戴冠式の儀式書が収められた教皇典礼書もあった。[1499]


 そのため、フランス陣営は、ランスのノートルダム大聖堂の聖具室に保管されていた冠を代用して間に合わせなければならなかった。[1500]


 初代国王クロヴィス、聖シャルルマーニュ、聖王ルイから受け継がれてきた王権を象徴するその他の品々も、できる限り再現しなければならない。


 結局のところ、一度の遠征で勝ち取ったこの戴冠式が、これまでに費やされた労力と苦難を表現していることは悪いことではない。(むしろふさわしい)

 この儀式が、王太子シャルルをここまで連れてきた兵士や庶民たちの英雄的な欠乏(heroic poverty)を暗示しているのは、良いことだった。



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