17.11 往復書簡(2)シャルル七世→トロワ市民、市民の反応
同日(7月5日)の朝、シャルル王は滞在先のブリニョン大司教(Brinion-l'Archevêque)の宿舎から、トロワに先触れの使者を派遣した。
トロワ市の評議会のメンバーに宛てて、王みずからの署名と印章が押されて封じられた手紙を託されていた。
その手紙の中で、王は「王室評議会の助言により、ランスに行って聖別式を受ける決意をした」こと、「明日トロワの町に入城する」つもりであることを知らせて、「当然のことながら、臣従の意を示して迎え入れるように」と命じた。
さらに、王は賢明にも、トロワ市民を安心させるために、「過去の復讐をするつもりはない」ことを強調した。
「そのようなことは私の望むところではない。トロワ市民が君主に対するふさわしい振る舞いをするなら、私はすべてを忘れ、市民への好意を維持するだろう」
[1428]
トロワ市の評議会は、シャルル王の使者を町に入れることを拒否したが、王の手紙を受け取った。それを評議会で読み上げて審議し、話し合った結果を、王の使者に託すことにした。返事は以下の通りである。
「町に駐留している貴族、騎士、従騎士たちは、
ヘンリー王とブルゴーニュ公の名において、
『主君であるブルゴーニュ公の明らかな命令がない限り、
誰であろうと、我々よりも強い者を町に入れない』と
町の住民である我々とともに、誓いました。
この誓いを考慮すると、町にいる我々は、
シャルル王を迎え入れる勇気はありません」
それから、評議員たちは弁解を付け加えた。
「私たち市民が何を望もうとも、
町に駐留している兵士のことを考慮しなければなりません。
彼らは、私たち市民よりも強いのですから」[1429]
評議員たちは、シャルル王の手紙を掲示して、その下に返事を書き添えた。
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このとき、トロワ市の評議会では、乙女がサン・ファルで口述して、リシャール修道士に託した手紙も読み上げられた。
リシャールは、手紙を好意的に受け入れてもらえるように事前に準備をしていなかったため、評議員たちは(敵意も敬意もなく)心からそれを笑った。
「こっちの手紙には韻も理屈もない。これは単なる冗談だろう」[1430]
そう言うと、ジャンヌの手紙を暖炉の火に投げ込んで焼いてしまい、返事を出さなかった。彼らは「差出人は《《ほら吹き》》だ」[1431]と一笑に付し、さらにこのように語った。
「我々は、彼女が狂っていて悪魔に取り憑かれていることを証明する」[1432]




