ゲームデザインの考察 ③
プロレスゲームというのは、広い意味ではアクションゲームの一種と言えるだろう。
題材の性質上、対戦ゲームであることも多い。
しかし、対戦半分・協力半分のような独特の空気があるのが、プロレスゲームならではの文化だと思う。
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## 1990年代のゲームセンターにあった“技を出す文化”
その昔、1990年代のゲームセンターに
餓狼伝説スペシャル
というゲームがあった。
1ラウンドずつ体力を調整し、超必殺技の練習をし、
最終ラウンドで殺し合いをする――
何かよくわからないが、そんな光景をよく見かけた。
プロレスゲームではないが、
出したい技を出す文化
が確かに存在していた。
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## プロレスゲームは“操作が複雑”である
プロレスゲームは、複雑な操作系であることが多い。
初期作品である
ファイヤープロレスリング コンビネーションタッグ
でも、RUNボタンで走ったり、絞め技をかけたりする。
RUNボタンとは、ファミコンで言うスタートボタンのことで、
当時はかなり衝撃を受けた記憶がある。
プロレスゲームは、
- パンチやキックの打撃
- 走る
- コーナーに登る・降りる
- 場外に降りる・登る
とにかくアクションが多彩すぎる。
だから、プロレスゲーマーというのは、
変態的な操作系をいとも簡単に使いこなすマニアックなプレイヤーが多い。
しかし、ひとたび操作を覚えれば、
200種類を超えるキャラを、ひとつの操作方法で使える。
つまりプロレスゲームとは、
基本操作さえ覚えれば全キャラ使えるゲーム
という見方もできる。
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## ジャイアントグラムという“異端の存在”
プロレスゲームにはロープブレイクがあり、
それを回避するために8方向に自在に動ける。
ジャイアントグラムもそれに漏れず、8方向に自由に動ける。
しかし、ジャイアントグラムは普通のプロレスゲームではない。
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## 3Dなのに“常にスト2視点”を崩さないカメラ
1対1で向かい合って立っているが、
1Pと2Pが同時に別々に8方向へ自由に動いても、
常に自動でカメラアングルが調整され、スト2視点を崩さない。
1P側が右へコマンド入力し、
2P側が左へコマンド入力する。
8方向に自由に動けても、このシステムは崩れない。
非常に地味だが、冷静に考えると
バーチャファイターより“3D的”な画期的仕組みと言える。
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## ジャイアントグラムの操作は“驚くほど簡単”
ジャイアントグラムの基本操作は、
プロレスゲームの中では驚くほど簡単だ。
● コーナーに登る操作がない
ダウン攻撃の操作だけで、自動的にコーナーまで移動して登ってくれる。
● ハンマースローの概念が特殊
普通のプロレスゲームでは、
ロープに振ったあと戻ってくる敵に合わせて攻撃を当てる。
しかしジャイアントグラムでは、
たとえば小橋の場合、ハンマースローをするとショルダースルーまで自動でかけてくれる。
つまり、ハンマースローというより、ショルダースルーまで含めた“モーションの長い投げ技”扱いなのだ。
● 打撃ボタン連打でコンボが出る
適当に連打するだけで“やってる感”を味わえる、
超初心者仕様でもある。
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## しかし、プロレスゲーマーからは“難しい”と言われる理由
他のプロレスゲームで変態的な操作系を使いこなすプレイヤーが、
なぜジャイアントグラムを難しいと言うのか?
理由は単純だ。
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## ジャイアントグラムは“基本操作だけでは技が出ない”
キャラによって技コマンドが違い、
1キャラの技表を覚えても、その1キャラしか使えない。
技が出せないゲームではプロレスができない。
対戦格闘ゲームでは、
基本操作を覚えたらキャラ固有の技表まで覚えるのが基本だ。
普通のプロレスゲームでは、
基本操作は難しいが、ひとつ覚えれば全キャラ使え、全技出せる。
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## これは“文化の違い”である
- 対戦格闘ゲーム文化
→ 基本操作+キャラ固有技を覚えるのが当たり前
- プロレスゲーム文化
→ 基本操作は複雑だが、覚えれば全キャラ使える
ジャイアントグラムはこの2つの文化の狭間にある、
非常にユニークなゲームだった。




