ゲームの概要 ②
## ― “オールスター同盟”で作られた、奇跡のプロレスゲーム ―
株式会社セガの全日本プロレスシリーズ。
このシリーズは、単に「セガがプロレスゲームを作った」というだけの話ではない。
当時の全日本プロレスの熱気をそのままパッケージするために、プロレス界を支えていた複数のメディアが一堂に会した、まさに“オールスター同盟”のような体制で制作された作品である。
個人的には、当時すげえお祭り騒ぎのような感情を抱いていたのだが、世間との温度差は凄まじく激しかった。
そのあたりを、徒然なるままに書き留めておきたい。
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## 制作に関わった3社 ― まさに総力戦
このシリーズを制作するにあたり、以下の3社が深く関わっている。
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## オールジャパン・プロレスリング株式会社(全日本プロレス)
団体・レスラーの完全監修を担当。
全日本プロレスの全面協力により、ジャイアント馬場、三沢光晴、川田利明、小橋健太といった当時の看板レスラーたちが、実名・実像で多数登場した。
ゲーム内の動きや技の再現度も高く、まさに“本物”のプロレスをゲームに落とし込むための要となった。
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## 日本テレビホールディングス株式会社
映像協力として参加。
ゲームのオープニングや演出に挿入されている実際の試合ハイライト映像は、地上波中継元であった日本テレビのライブラリから提供されたものだ。
実況音声や公式映像が使われているため、ゲームでありながら“テレビ中継の空気感”がそのまま再現されている。
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## 株式会社東京スポーツ新聞社(東京スポーツ)
写真協力としてクレジットされている。
レスラー選択画面やプロフィール、演出などで使用されている宣材写真や名場面の写真は、プロレス報道の雄・東スポが所有する膨大なアーカイブから提供されたものだ。
また、ゲーム内では、わざわざゲーム専用にデザインされた東スポの紙面が使われていた。
実際の東スポがデザインした紙面なのだから、リアルどころの騒ぎじゃなかった。
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## ゲームから現実へ飛び出した“ウルフ・ホークフィールド”という奇跡
このシリーズを語る上で、特筆すべき出来事がある。
それは、ゲームの世界から飛び出したウルフ・ホークフィールド選手が、1997年の全日本プロレスに“実在のレスラー”として参戦したことだ。
プロレス界とゲーム界の垣根を越えた、伝説的なクロスオーバーである。
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## ウルフ・ホークフィールドの全日本プロレスでの活躍
● 世界最強タッグへの出場
1997年の「世界最強タッグ決定リーグ戦」に、ジョニー・スミスとのコンビで初参戦。
スタン・ハンセン組から勝利を奪い、三沢光晴組とも引き分けるなど、大健闘を見せた。
● タイトル獲得
1998年1月には、ジョニー・スミスとのタッグで第64代「アジアタッグ王座」を奪取。
ゲーム発のキャラクターが歴史あるリアルのベルトを巻くという、前代未聞の快挙である。
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## ウルフ・ホークフィールドの“中の人”について
ここからは、ウルフの中の人――ジム・スティール選手の変遷について触れておきたい。
● 初来日時は素顔
1994年の世界最強タッグに、本名「ジム・スティール」として初来日。
● 1995年、覆面レスラーへ変身
翌1995年、パトリオット率いる「US空軍」の一員として、
ザ・ラクロスという覆面レスラーに変身。
ラクロスのスティックを手に持って入場し、大型マスクマンらしいパワフルなファイトを見せた。
● 1997年、セガとのタイアップで“ウルフ”へ再変身
そして1997年、セガとのタイアップにより、
ウルフ・ホークフィールドとして再び姿を変えることになる。
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## ターボドロップという“現実→ゲーム”の逆輸入技
ウルフを語る上で、ターボドロップに触れないわけにはいかない。
● 元々はザ・ラクロス時代のオリジナル技
「ターボドロップ」「ターボドロップ2」は、ジム・スティールがザ・ラクロス時代に開発した現実のオリジナル技である。
● ゲームへの逆輸入
ウルフとして参戦した際、そのダイナミックな軌道がセガ開発陣の目に留まり、
ジャイアントグラムにおいてバーチャキャラのウルフでも使える技として採用された。
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## ターボドロップ
相手をケブラドーラ・コンヒーロの体勢で抱え上げ、
そこから落とさず肩まで担ぎ上げ、自らも旋回しながら前方へ激しく放り投げる技。
## ターボドロップ2
サイド・スープレックスの体勢から相手を肩の高さまで持ち上げ、
空中水平にスピンさせながら豪快に叩きつける大技。
巨漢レスラーを綺麗にぶん投げる姿は、当時のファンを大熱狂させた。
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## 危険技の恐怖と、ジム・スティールの長身ゆえの迫力
プロレスラーに「危険な技は?」と聞くと、意外にもショルダースルーと答える選手がいるという。
高い位置から落ちる技は、受け身が取りづらく、恐怖を感じるのだ。
ジム・スティール選手は長身である。
その肩まで抱え上げられ、くるくる回されながら放り投げられたら――
見た目以上に、やられた側は恐怖を覚えたに違いない。
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## バーチャと現実が融合した、夢のようなプロジェクト
いちプロレスファンとして、
バーチャの世界と現実のプロレスが融合したこのプロジェクトは、まさに夢のような出来事だった。




