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パドマの箱庭  作者: 菌床
二章:忘れ得ぬ温もりよ
23/50

22:八歳の懸念


 まだ見ぬ王都への期待よりも恐怖が勝りつつある今日だが、来年迎えるお兄様達の学院入学式には是非とも出席したい私は逃げてばかりではいけない。

及び腰になる心に喝を入れ、王都でどんな噂があったのかを聞かなければ。

ただ、アロイーズやオリアーヌから聞くのはちょっと怖いので、まず様子見として後続便でストラス邸に来たレオさんに突撃をかました。


「え?王都でのリーシャお嬢様の噂ですか?」

「そう、レオさん何か耳にしている?」


社交界に出ている人間ならまだしも、支援元がヴュルテンベルク辺境伯だけのレオさんはあまり噂話を聞かないかもしれない。

だがそれで良いのだ、そこまでは浸透していないという安心が欲しい。


「ええー…本当にお伝えして大丈夫ですか?」


なんと。予想外である。

レオさんの耳にまで入る程の噂なのか?!おいおいおいおいやめてくれ。

撤退は可能でしょうか!レオさん!にやにやしないで!!


「いくら支援元がヴュルテンベルク辺境伯閣下のみで、活動もそこが本拠地だとしても、俺だってそれなりに王都にも知人や縁はありますからねぇ」


こえー!こえーよー!芸術家って意外と社交的なのか?!

いやレオさんだし分かるけど!というかそういう対人スキル持ってないと支援者を得られないから、縁故があるのもよく考えれば納得だけどさ!

ぬかった!完全に私の考え足らずだ!


「聞きます?本当に?」

「お、おおう…」

「はははは、まぁ坊ちゃま達にお話させたい話題じゃないですからね」


かと言ってレオさんだってあんまり好ましい噂ではないのかもしれない。

笑いながらもその表情はどこか鬱屈したものだ。

以前使ったアトリエに手招かれ、窓側に二人で立つ。

勿論扉は開いたままだし、マノンやエタンも傍立ちを許されている。

何なら二人も聞いておけって事なのかな。


「まず最初に、失礼を承知ですが王都の貴族はこのストラス領の人々のように気持ちの良い人ばかりじゃないです」

「うん」

「あとストラス領の注目度が上がったのは王子殿下が邸に滞在された時からです」

「そうなんだ…」


ヤツは矢張り余計な事しかしないな。


「そこでのご滞在中にお嬢様が御不興を買ったというのはさておき、その冬に大雪崩がご領地で発生したでしょう?」

「そうね、同じ年だわ」

「だから王都の貴族達は面白おかしく、『王族の不興を買ったからだ』と話してました。この流れによりお嬢様の悪評がほぼ浸透してしまいましたね」


レオさんが言いたいのは、雪崩災害さえなければ然程悪い噂は残らなかったという事だろうか。

確かにお父様やお兄様方が王都へ向かったのは、改めて謝罪の意味を込め王族へご挨拶へ向かうつもりだったからだ。

王子殿下のした事を思えば本来は我々が謝意を頂戴しても可笑しくないけどな。

そこは臣下として飲まなければならない立場である。

あーやだやだ、王族案件ほんとやだ。


「そして翌年の冬は芸術家をお呼びしてストラス領の様子を喧伝された。

 お嬢様の発案だと俺達はお伺いしておりましたし、きちんとそう語った者も殆どだと思うのですが、お嬢様の年齢を考えるとお兄様方の入れ知恵もしくは汚名払拭の目論見かと受け取られてましたね」


はぁ…それで通りでギレムお兄様が、冬の祭りについて街でどんな噂が流れていたのかをあまり私に教えてくれなかったのか。

先の冬は芸術家を招かず領民主催で雪祭りを楽しんだのだ。

そこそこ近隣領からも人が来たのだがな。

成程一過性の話題作りだと捉えられているのか。

先入観とは本当、拭うのが大変なものだ。


「で、今年の新年ですよ。ご婚約おめでとうございます、リーシャお嬢様」

「…ありがとうレオさん」


彼も私の婚約を知っている、という事はこれも噂になったのかぁ。

もう既にアロイーズ達から脅されていた内容だろうな。


「クロヴィス殿下の御婚約が特に有名ですけどね、その側近候補が殿下に不敬を働いたご令嬢と婚約を結んだという話題性は非常に貴族方に好まれました」

「はぁ…ユーデス様にも申し訳ないわぁ」

「はははそこで相手様を思えるのがリーシャお嬢様ですよね」


レオさんのフォローが温かい。良い人だ。

なんだかんだいってストラス邸の居心地の良さを堪能し、領地を好ましく思ってくれている空気が初回からしていたのだよなこの人。

今はウチは資金が厳しいけど、懐に余裕が出たら支援をするよ。

いつでもストラスに遊びに来てくださいね。


「まぁ勿論鉱脈開発が絡んだ政略的な婚約だとは知られておりますがね。

 …本当に、口さがないモノですよ、『抵当令嬢』だなんて」


レオさんが低く、唾棄するように呟く。

私自身がお父様に言った言葉も似たようなものだったが、流石に口にしなかった。

あまりにも眼前の彼が真剣に怒り、不快だと示してくれた優しさを大事にしたい。


「ありがと、レオさん。それとごめんなさい、嫌な言葉を言わせて」

「いいえー、お耳に入れて辛いのはお嬢様でしょう」

「悪意を目の当たりにはしていないから平気なのでしょうね」


寧ろ、来年王都に向かうお兄様方のお耳に入るのが辛い。

大切な人が私の事で心煩わせるのは嫌だ。

耳障りの良い事ばかりが世の中に溢れている訳じゃないのは分かっている。

でも、離れて過ごすからこそ、少しでも心安らかに過ごして欲しい。


「はは、また他人の事考えていらっしゃるでしょ?」

「分かるの?」

「芸術家ですからね」


芸術家凄いな。

そう私が思った事すら分かるのか、彼は屈託なく笑い頷いてみせた。


「思っている事はちゃんとお言葉で伝えた方が良いですよ。

 それに一人で思い悩むより、こういう問題は相談して共有した方が楽です」

「此処で楽かどうかで判断するのレオさんらしいわ」

「部屋に戻るのが面倒だから厩で寝る俺ですからね!」


二人して声を上げて笑った。

レオさんとはこういう気楽な空気が一番楽しい。


でもそうだな、レオさんのアドバイス通りだ。

このヤキモキした気持ちはお兄様達にもちゃんと話しておくべきだし、寧ろ先に知っておいてもらった方が心構えも出来るだろう。




 日を改めて私はギランお兄様とギレムお兄様、そしてヴュルテンベルク辺境伯の双子と揃い踏みでお茶会の席を設けた。

今回の主賓は双子ではなくお兄様達だ。

なお、私が話したい事についてもアロイーズとオリアーヌに共有済みである。


「オーリちゃんもアロくんも、随分乗馬が上達したね」

「それでも輓馬は目線が高くて少し緊張します」

「私ももっと大きくならないと足が回りませんわ」

「胴回りも違うからな」


この日の午前中はギレムお兄様と私達三人で邸の林へ騎乗で出掛けたのだ。

その前に双子は輓馬に騎乗もしてみたが、やはり体格が出来上がっていないのでどうしても足が回り切らず力が入らないようだった。

まぁ私も同じだが。


「もう辺境伯領の馬に乗ってはいるのか?」

「ええ!何なら別荘にも連れて来ておりますよ!」

「いいねぇ、我が家のは巡回優先で中々僕らも乗れないからね」


そう、我が家にも数頭サラブレッドが入った。

しかしその身軽さから街巡回や急ぎの連絡用として優先されており、嫡男達でも都合よく乗れる訳ではないのだ。

ここで権力に物申して押さえないのがストラス家である。


「王都の主な種も同じだろ?」

「そうだけどさ、やっぱ地元で走らせたいじゃないか」

「あんだけ輓馬で走り回ってるのに」

「小回りが全然違う」


ギレムお兄様が可愛い!はー!早くウチのサラブレッドも頭数増えないかな!

お兄様達の微笑ましい会話を双子達もクスクスと笑いながら楽しんでいる。

良いよねこの空気、安心する。大好き。最高。


「来年の今頃はラン兄様もレム兄様も王都の学院ですね」

「そうだなー」

「何だかあっと言う間だよね」

「実感沸かん」

「分かる」


ギランお兄様も可愛い!気の抜けてる感じが全力でする!

ここのところ邸でも政務に携わってベルトランと忙しくされてましたしな。

まだまだ暫くそれは続くので、いよいよ学院へ進学だ!という気持ちに中々切り替わらないのだろう。

その分の補佐にギレムお兄様やお母様が奔走している。


本来はこの雪深い北部から王都に向かうには秋が最適なのだが、年末年始の社交に出たくないお父様の御意向も多分に込められ、来春になってからと聞いている。

入学式ギリギリに向かいそれが終わればすぐに領地へ引き返す計画だ。


ただ我が家は王都にタウンハウスを購入するかどうかは微妙な部分だそうで、お兄様達は恐らく学院寮に滞在する事になるのだろう。

地方貴族は大体そうなる。

寧ろ辺境伯はちゃんと王都にタウンハウスがあるのが凄い。


と、なると夏と冬にある長期休暇の間はどうなるかという問題だが、そちらも時機を鑑みて決めるそうである。

帰って来ようよお兄様方ぁ!妹は寂しいですぅ!


でもな、今後の我が家の財政を思えば確かに縁繋ぎを優先すべきなのだ。

鉱山開発に関する融資はもう充分だが、今度はその融資を返却するための資金を生み出す方向で縁を求めて行かなければならない。

社交が苦手と仰るお父様でもそれなりに縁故を持たれている。

お兄様達の、お母様にみっちり仕込まれた社交力を活かせば更に多方面で顔繫ぎが出来るに違いない。


「そういえばアロ達は冬に王都へ行ったんだって?」

「ええ」

「僕らは結局一度も王都へ出向いていないからね、どうだった?」

「その件でお耳に入れておきたい事が」

「ん?」


代表してアロイーズがギランお兄様とギレムお兄様に王都で集めた情報を伝える。

もしかして既に幾つか聞き及んでいたのだろう、二人とも驚嘆はせずに静かに頷きながら耳を傾けてくれていた。


「――そうか、ありがとなアロ」

「アンヴァリッド公爵家の台頭については確かに懸念があるね」

「王妃陛下のご懐妊も発表されたしな」


ギランお兄様、それは私は初耳でございます。

あの殿下に兄妹出来るの?わぁ頑張れよお兄ちゃん。


「クロヴィス殿下にはリュクスイユ公爵家の姫が嫁ぐのだからアンヴァリッド公爵家には王家の姫が、という流れが起きても可笑しくはない」

「アンヴァリッド公爵家の子息と言いますとイザイエ様ですか?」

「そうだな、姫と少し歳は離れるが王族では許容範囲か」


はー、そうだよね殿下も既に十歳だもんな。

少なくともそれくらいの御年齢だろうなイザイエ様とやらも。


「ですがアンヴァリッド公爵家は中立だと…」

「今の現状を見てオーリはそう思うのか?」

「…いえ」

「そういう事だよ」


はぁ。表向きだけというか、表向きもクソも無いというか。

そりゃ王子殿下の幼馴染ポジションに息子を置き据えたのだから、それなりに権力志向があるのは推して知るべしというか。


「でもそうしたらリュクスイユ公爵家の輿入れが水の泡では?」

「そこで動くとしたらネウストラ公爵家だがな」

「それこそ先の姫様の外国への縁談を繋いだのはネウストラ公爵家だからね」

「かと言ってアンヴァリッド公爵家が指を咥えて見ている訳もない、と?」

「だろーな」


お兄様達の解説がとても分かりやすくて妹は助かります。

そうなのかぁ、御三家って三竦みなのかぁ。

でもそれでバランス取れているのならまぁ良いのかぁ。


「暢気な顔してるがなリーシャ」

「はい?」

「気を引き絞めなきゃだよ」

「はい??」


ギランお兄様とギレムお兄様の言葉に私は首を傾げる。

何故此処で私の話になるのかな?

王族に新しい一員が増えますよ、めでたいですな!って話じゃなかったかい?


「まだ姫か王子かは分からないが、もし姫ならお前にも関係がある」

「何故でしょうか?」

「ユーデス様の婚約者はリーシャだろう?」


うん、一応そうだが。


「…リーシャ、僕らがこの前話した内容、覚えている?」

「うん…うん」


一回目の返事は「覚えている」。

二回目の返事は「理解した」である。


出たよ、曾祖母様だな。

成程そりゃ国内最高峰の御血筋とお気に入りの孫を縁付けられるのなら最高だ。

イザイエ様が王族的な婚姻許容範囲ならユーデス様だって勿論の事。


「私、消される?」

「やめなさい」

「なんでそういう発想になるの」


双子はそう答えるが、お兄様達は言葉を返さなかった。

先程の忠告は、きっとそういう意味を含んでいるものなのかもしれない。

私達社交未履修の子どもより、ずっとお兄様達の方が世間を分かっている。


在り得る、考え得る可能性なのだ。

待てよ十二歳の馬車事故ってもしかして、それ絡みなのでは?


「どちらにせよ王子殿下の婚約が決定したにも関わらず、王妃殿下の出産まで婚約市場は大きく動く事はないだろうね」

「ここでアンヴァリッド公爵家が婚約を結んだなら別だが」

「まぁ…無いだろうね」


どちらにせよ不穏な一年になりそうだ。

冬にご懐妊が発表されたのだからもうそろそろ生まれていても不思議ではない。

アロイーズ達が滞在している内に情報が入れば良いのだが。


「言っておくがまだこれは穏便な方だぞ」

「…姫を、他国から?」

「その通りだよアロくん」


おい、待て。

その発想、ヴュルテンベルク辺境伯領としては看過出来ない問題だろうよ。

寧ろだからこそ思い至ったと見るべきなのか、アロイーズよ。

オリアーヌが俯いてしまったじゃないかー!!

嫌だー!曾祖母姫様が隣国へ、孫に嫁がせる良縁を求めて動かれていたら辺境伯領的には色々と不味いだろうよぉ!曾祖母様自重してぇー!!


「…アロ、お父様達の元に戻る?」

「いや、父上なら既に思い至っているだろう」


不安げなオリアーヌの言葉にアロイーズは首を振るものの、その表情は硬い。

きっと彼の頭の中では、私の知らない辺境伯から聞いた情報についていろいろと精査したり結びついたりしているのだろう。

私はそっと視線を二人から外し、お兄様達を見上げた。


「王家の慶事も大事ですが、王都での私の噂をお兄様達は御存じですか?」

「…届いてる」

「リーシャは誰から教えて貰ったんだい?」


おっとギランお兄様もギレムお兄様も纏う空気が怖いぜ。

お怒りモードなのがひしひしと伝わる。


「私から強請って教えて貰ったのです。

 ユーデス様は王都でお過ごしだから気になって」

「まさか手紙に?」

「違いますよ、ユーデス様はそんな方ではありません」


ちょっとしか交遊してないけどな。

ギレムお兄様だってそんな事、わざわざ言わなくてもお分かりでしょう。


「私は直接聞いた訳でも悪意を持って噂に触れた訳でもありません。

 でも来春には王都の学院へ入るお兄様達のお耳に入る声は違うかもしれません。

 それが…心苦しいのです」

「リーシャ」


ギランお兄様が組んでいた腕を解き広げる。

拱かれたままに私は駆け寄り、その中に飛び込む。

ぎゅうと力強くも優しい抱擁にほっと息を吐き出す。


「俺たちは聞くたびに腹を立てるだろう、それは許せ」

「苛立つのは仕方ないでしょ、当たり前だよ」


ギレムお兄様も優しい手つきで私の頭を何度も撫でてくれた。

以前は正直に言わなかったのに、今はこうして教えてくれるのか。

怒って心を疲れさせてしまうのは申し訳ないが、嬉しいとも思ってしまう。

私はそれを許してもらいたい。


「飲み込むけれど甘んじている訳じゃないよ、それは知っていてリーシャ」

「はい、勿論です」

「俺達だって伊達に兄をしている訳じゃないぞ」

「ええ、頼りにしております」


大好き、という気持ちを込めてギレムお兄様ともぎゅっと抱擁を交わす。

今度はギランお兄様の温かい手が私の頭を撫でてくれる。

ああ、幸せだ。こうして愛してくれる、愛しい家族が居る。

それだけで私は噂なんかなんとも思わない。へっちゃらだ。

離れる二人こそ、飲み込んで溜め込んでしまわないかが本当に心配だ。

頼りにしているし、信頼もしているけど、傍に居れないのがこんなにも辛い。


「…やっぱり長期休暇はこっちで過ごさないかレム」

「だよねぇ、息抜きしないとやってられなさそう」

「ふふ!是非そうしてください!私もその方が嬉しいです!」


ストラス領は涼しいだけでなく癒しも与えてくれる最高の土地なのだ。

魑魅魍魎が跋扈する王都で疲れたお兄様達を存分にほぐして御覧入れましょう!


「その為にはリーシャも無事に過ごすんだよ?」

「そうだ、それな。気を引き絞めろとレムが言ったろ?」


忘れておりました、の顔をした私の額をぺしぺしとギランお兄様が叩く。


「今年からリーシャ付きの護衛を増やすし、街に降りる時はベルトランを付ける」

「護衛は何となく分かりますがベルトランもですか?」

「何も武力だけじゃないからね、圧力は」


おっとギレムお兄様、圧力ってなんですか。

え?ネウストラ公爵家の曾祖母様てそういう方面も得意なの?


「ウチの財政は随分知れ渡っているんだ。

 お前に耳障りの良い話を持ち掛けてくる輩も多く出てくる事だろう」

「それが例え、リーシャの婚約に絡むものじゃなくてもね」

「な、なるほどぉ…」


つまり私が抵当令嬢である点を狙い撃ちしてくる方向も考え得ると。

武力的な排除よりその方が手間だが、子ども相手には充分有益な手段だ。

寧ろ人の目がある場所でも堂々と接触する事が出来るだろう。

これは街に降りない方が無難なのだろうか。


「邸から出ない方が良いです?」

「いや、そこは普段通りで良い」

「その為の護衛とベルトランだから」


ぽすぽすと不安げな私を宥めるようにギレムお兄様が背を叩いてくれる。

ギランお兄様もいつの間にかまた頭を撫でていた。

安心するぅ。


「今後も暫くはそういうのが続くだろうから、俺達が居る間に慣れておけ」

「慣れたくないですぅ…」

「そりゃそうだ」


ギランお兄様が闊達に笑う。

ギレムお兄様も仕方が無いなぁと言った様子で微笑んでいた。


私は落ち着いたところで、此処は家族のお茶会室では無い事を思い出し、背中に突き刺さる双子の微笑ましい視線から逃げるように席へ戻った。

二人の前でめちゃくちゃに甘えてしまった、恥ずかしいよぉ。

もう婚約者もいる八歳なのに!




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