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第66話『走る理由』



「くっそ……何で僕はこんな夜中に走っているんだ……」



 家から飛び出した僕は、最初にボクっ子と出会った川沿いの道を走っていた。

 今思えば、この付近は最近の僕には何かと縁のある場所だ。




『わ、わたしを拾ってください』

『何で拾ったんだよ!』




 モモカと出会ったのもこの辺だし、逃げ出したおもクロ丸を再び見つけたのもこの辺だ。


 思えば最初から何か違和感があったんだ。




『サトルくんから女の臭いがします……』

『え、もしかして、匂いで浮気?』



『いいえ、死にそうな女の子の臭いです』



 そうだ。似ているんだ。



『えっと……キミはここで何をしているの?』

『ボクは……帰る場所が無いんだ……』



 ボクっ子の雰囲気……あれは、最初に出会った時のモモカに似ている。


 だから、僕はとてつもない危機感を感じてこんな深夜にいるかも分からないボクっ子を探して走り回っているんだ。



「はぁはぁ……幽霊、みーつけた……」

「……お兄ちゃん」



 そして、僕が走り続けた河川敷に青い手袋を両手に付けた彼女がいた。



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