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第65話『反省とごはん』



「サトルくんは、釣った魚に餌を与えないタイプですよね」

「そうかなぁ……」



 あの後、夜遅くまで搾り取られた僕は今、ベッドで横になっている彼女の胸の上に頭を乗せて隣でスヤスヤと眠るおもクロ丸を眺めていた。


まぁ、つまり胸枕というやつだ。


 すると、モモカが拗ねたように首に巻いた白いマフラーに口元を埋めてこう言った。



「だって、サトルくん今日が学校行かないで他の女の子に会ってたじゃないですか……」

「うっ……」



 そうだった。今日学校をサボってメイドさんがいるしゃれたカフェに行ったのも全部ゲロられたんだった……。



「でも、今はこうしてモモカの胸の上に帰って来ているじゃないか?」

「当たり前です! 帰って来なかったらタダじゃおかないです!」



 そりゃ、そうじゃ……



「だけど、こうしてスキンシップは取っているんだし『釣った魚に餌を与えないタイプ』とは違うんじゃないかな?」

「……それだと、わたしがサトルくんに、餌を上げている方じゃないですかぁ!」



 うーむ、たしかに……

 こりゃあ、ぐうの音も出ませんな……。



「しっかり反省してくださいです」

「……はい」



 ――ということで、拾った女の子に餌をもらうことにした。



「サトルくん、反省していますか?」

「はい、とっても……」



 現在、僕はモモカの胸に頭を沈めて深い反省の意を示していた。

 この体制、息ができなくなるから地味にキツイ……



「ねぇ、息ができなくて苦しいんだけど?」

「それが罰ですから」



 なるほど、これが罰なのか……


 しかし、このおっぱいは僕への罰でもあり、僕がこれ以上他の女の子にうつつを抜かさないためのモモカなりの餌でもあるはずだ。

 なら、もう少し彼女の餌に甘えても良いのではないだろうか?


 そう、具体的には――



「揉むのは、ダメかな?」

「揉んだら、餌じゃなくてエッチになるからダメです」



 なるほど、揉んだらエッチなのかぁ……なら、仕方ない。



「……我慢しよう」

「はい、我慢してください」



 しかし、揉まなければエッチじゃないということは、逆に言えば脱がすのはセーフなのでは無いだろうか?


 そう思って、彼女の服に手を伸ばすと――



「せめて、クロちゃんが寝るまでは我慢です」

「ニャ~」



 どうやら、僕の思考回路など彼女には全てお見通しのようだった。



「我慢してください」

「はい……」


「ニャ~」


 そして、おもクロ丸の眠そうな声と共に、僕の意識は彼女の胸の中へと沈んでいった。




『サトルくんから女の臭いがします……』

『え、もしかして、匂いで浮気?』



『いいえ、死にそうな女の子の臭いです』



『何で、最初に会った時に『冬花』って名乗ったんだ?』

『つい癖なんです……』



『ボクは演じることしかできないから』





「…………」



 しばらくして、おもクロ丸の鳴き声も聞こえなくなったのを確認して、僕はゆっくりと目を覚まし体を起こした。



「……ごめん」



 そして、僕はぐっすり眠っている彼女のモモカとおもクロ丸に気付かれないように、家を出た。




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