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第58話『二人の表と裏』



「昔、あるところに二人の双子がいました」



 手にしたコインを表裏くるくると回しながら、彼女は昔ばなしでも始めるように、そう語り始めた。



「一人は姉の『青井冬花あおいとうか』……そして、もう一人は妹の『青井紫夏あおいしきか』……



 二人の姉妹は舞台女優の母と、脚本家の父の元で生まれました。


 双子の姉、冬花は役者の家の長女として、

 対して、双子の妹、紫夏は次女なのもあり、後を継ぐ必要ないので自由に育てられました。



「別に二人の姉妹はそれを何も不自由に感じなかった」



 ただ、二人の姉妹は両親の期待に応えるのが正しいと思っていただけ……


 姉は、立派な舞台役者になるために、必死に舞台女優の稽古に日々を費やした。


 そして、妹はそんな姉尊敬と誇りを抱いてひたすら自由に青春を過ごした。


 だけど……そんな家族に悲劇か起きてしまいました。




「なんと、お家が燃えてしまったのです」




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