第49話『受付は今日もしんどい』
「まさか、サトルくんは他の女と映画を見ておいて、自分の彼女とは映画を見たくないなんて言いませんよね♪」
そんな感じで、彼女に詰められるように二日連続で同じ映画を見ることになった。
因みに、昨日と全く同じ映画館である。
「ねぇ、モモカ。やっぱり、別の映画館にしない?」
「何でですか?」
何でって……そりゃあ……
すると、彼女が首に巻いた白いマフラーを握りしめながら笑顔でこう言った。
「映画、見たんですよね? わたし以外の子と……」
「分かりました! 見ます! ここで見ます! この映画館で良いです!」
そんなこと言われたら、こっちに拒否権ねぇだろぉおおおおおおおおおおおおおおおー
仕方ないので、諦めてチケットを買うしかないようだ。
「すみません、この映画のチケット二枚ください」
「いらっしゃいませー♪ お二人様ですねー」
(あれ? この男性のお客さん、昨日も受付したような……)
なんか、受付のお姉さんが昨日と同じ気がするし、めっちゃ顔を見られてるんだが……もしかして、何か変なこと思われてない?
「え、映画……楽しみだね?」
「サトルくんはもう既に一度見た映画ですけどね」
うわぁー、空気が重ぇ……
あと、何故か胃が痛ぇー……
「サトルくん」
「何?」
すると、そんな空気を感じ取ったのか彼女が突然、握りしめていた白いマフラーから手を離し僕の手を握って来た。
「わたしって、面倒くさい女ですよね……」
「そんなことは――」
いや、思い返せば?
出会いから色々と面倒だった気はする……
だけど――
「大丈夫、僕の方が面倒くさい男だから」
「それ、フォローになってない気がします……」
そのまま僕達は手を繋ぎながら映画館の中に入っていった。




