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第44話『妹ができました』



「てか、お兄ちゃん呼び止めてくれない?」

「うーん、ヤダ……」



 なんでやねん!



「そもそも、お兄ちゃんだって、ボクのことを名前で呼んでくれないじゃん」

「そ、それは……」



 いや、ボクっ子とはいえ、彼女以外の女の子を名前で呼ぶのは少し焼けておいた方が良いと言うか……



「そもそも、僕の名前だって忘れているんじゃないの?」

「冬花」


「え……」



 コイツは、名前を呼ばれたくらいで何呆けた顔をしているのだろう?



「覚えているよ、青井冬花。だろ?」

「よく、覚えていたね……」



 いや、だって……いつも青い手袋をしているし、単に覚えやすかっただけだが?



「じゃあ、ボクっ子じゃなくてちゃんと名前で呼んでくれてもいいじゃないか……」

「はいはい、じゃあ『青井ちゃん』ね」


「苗字は嫌だ!」

「何でだよ!?」



 むしろ、ボクっ子呼びが嫌なのはわかるけど、何で苗字呼びは嫌なんだよ。



「ボクの名前は、冬花だ」

「……分かったよ。冬花」

「お兄ちゃん……」


「そ・の・か・わ・り! 二人の時だけだからな!」

「うん、分かった♪」



 そういうと、ボクっ子は青い手袋で口元を隠すようにして薄く笑みを浮かべた。

 一体、何がそんなに嬉しんだか……。



「あと、冬花も『お兄ちゃん』呼びは止めてくれないか?」

「じゃあ、お兄ちゃんがボクの探し物を見つけてくれたら変えてあげる」



 それは成功報酬ということなのか?


 あまりにも冬花が僕をお兄ちゃん呼びするので、滅多に家出ない彼女より冬花の方がご近所さんにはガールフレンドだと思われてそうで怖いな。



「しかし、冬花の探している物って……あれだろ?」



 確か、この前言っていた探し持は――




『ボクは……幽霊を探していたんだ』




「それって、一体、何処に行けば見つかるんだ?」

「大丈夫! お兄ちゃん、ボクに付いて来てよ♪」



 そう言って冬花は青い手袋で僕の手を握り、目的の場所に僕を誘導するのだった。


 あぁ、今日も学校はサボリ確定だなぁ……




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