第29話『放課後の美少女』
キーンコーンカーンコーン♪
オススメ~☆ レビュー☆ シテホシイナ~☆ ←チャイムの音です
チャイムが鳴って、今日の学校の授業が全て終わったことを知らせる。
それは、僕にとってなんらつまらない普通の日常だった。
「まったく、昨日の出来事が嘘かのようなくらい学校は平和だったな」
まるで、今朝の彼女とのやり取りから、一瞬で学校生活が終わったかのように感じるくらい暇な時間だった。
しかし、この後は家にあの猫と浪人生の彼女という非日常が待っているのか。
「あと、姉もいたな……」
まさか、この学校の誰も僕が子猫と一人の女の子と実の姉を家で養っているとは思わないし言っても信じないだろうな。
「そう言えば猫缶も買い足さないと……」
結局、安い猫缶はあんまりおいしそうでは無かったからな。
すると、学校の前で何やら他の生徒達が騒いでいるのが見えた。
「ねぇ、あの子誰かな……?」
「知らない? でも、他校の子じゃない?」
「ねぇ、あの子かわいくね?」
「……なんだ?」
なんか、学校の校門前で生徒達が騒いでいる?
なにかと思ってみると――
「ふぅ……」
学校が終わると校門前に知っている見覚えのある白いマフラーを撒いた女の子がそこにはいた。
「モモカ……」
「あ、サトルくん!」
うぉ、手を振ってこっちによって来たら僕まで目立つだろ!?
「だれ!?」
「他校の彼女かよ……」
「うらやましすぎだろ!」
思った通り、周りの視線がモモカから、僕にまで注目さている。
「モモカ、何でここにいるの……?」
「えっと、一緒に帰りたいと思いまして……」
「じゃあ、一緒に帰ろうか?」
「は、はい!」
そう言うと、彼女が手を差し出してきた。
意図を組んで僕がそれを掴むと彼女が嬉しそうにつないだ手を振り回す。
「えへへ、会いたかったです……」
「うん、僕もだよ」
おかげで、さっきまでつまらなかった僕の日常も、彼女のおかげで少し楽しくなった気がする。
「はぁー? ただの陽キャかよ!」
「見せつけんなっ!」
「別に、どうでもいい……」
そんなふうに、学校から周りの殺意や妬み嫉妬と僕の今までの学園生活には無かった非日常的感情を向けられながら歩いていると、彼女が少し表情を落とし申し訳なさそうな顔をした。
「えっと、サトルくん……」
「モモカ、どうしたの?」
すると、彼女は白いマフラー顔を埋めた。
「お姉さんから聞きました」
……『何を?』なんて聞かなくても分かる。
姉と言う単語だけで予想が付くからだ。
「それって……僕のこと?」
「はい」
つまり、ここに迎えに来たのは『その話』をするためってわけか。
「そうか……」
「……はい」
どうやら、本当に浮かれていたのは僕の方だったらしい。
「ちょっと、寄り道しながら帰ろうか?」
「はい……」
そして、これから始まるのは――
……ただのつまらない過去の話だ。




