表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/71

第19話『しますか?』



「安達くんはいい子ですね~♪」



 彼女の話を聞かされた後も、何故か僕は頭をなでなでさせられていた。

 もちろん、膝枕のままである。



「ねぇー、桜井さん?」

「ママって呼んでください」

「……嫌だよ」


「安達くん、メッ! 呼び方は『ママ』でしょう!」

「ちがうよ」


 断じて違う! 


 今現在僕が君の膝の上でバブらされているのは君がそうさせたからだし……



 そもそも、僕はキミのお人形さんじゃないからね?



「それ、わたしもママに思ってました」

「こわ……」


 何それ……


 一瞬すっげえ、恐怖体験をした気がするのは気のせいかな?


 でも、なるほど……


 彼女が何で家にまで呼び寄せてこんなおままごとみたいなことをするのかと思ったけど、彼女は『ママ《母親》』という存在に――……



「……そう言えば、そのママは? 今日はいないの?」



 思い返せば来た時から、家には彼女しかいなかったよな? 

 父親は単身赴任だって話していたし……


 すると、彼女は首に巻いた白いマフラーに顔を埋めてつぶやくように答えた。



「今日は朝からいませんでした」

「そうなんだ……」


 なんか、聞いちゃいけない感じの返事だな。


「やっぱり、お母さんとは仲が悪いの?」


 しかし、返事は意外なものだった。


「仲はいいですよ」

「え」



 あの話を聞かされて母親との仲が良いなんて信じられないんだけど!?

 それとも、女の子はだと親との関係ってそんなものなのか?


 わけわかんねーっ!



「……安達くんは『嫌い』の反対ってなんだと思いますか?」

「それは……」



 もしかして、彼女が言っているのは『好き』の反対は『無関心』みたいな話だろうか?


 だとしても、僕は無関心も嫌いという感情の一部だと思っている人間なので、生憎そういう問答は得意ではない。



「……ゴメン」

「何であやまるんですか?」

「いや、なんか……変なことを聞いちゃったかなと思って……」



 僕が答えずらいことを聞いたから、その意趣返しでこういう質問をしたのかと思ったのだが……?


 すると、僕の返事を聞いて彼女は笑いながら僕の頭を撫でてこう言った。



「やっぱり……安達くんは、いい子です♪」



 それは一体どういう意味だろう。

 あと、頭撫でて言う必要あるのかな?



「だって、拒否しないじゃないですか?」



 確かに、彼女が僕の頭を撫でやすいようにと膝枕に寝てくれと言われたり、頭を撫でていいでか? と言われて、それらを拒否はしなかったけど……



「それは拒否する必要がないからね」



 だって、考えてみて欲しい。


 前提として、女子の家に招待されて、その女の子に抱きしめられたり撫でられたりするのを拒否する男はいないだろう?


 それらを拒否するくらいなら、そもそも、この家に上がってはいないのだ。


 あと、昨日の別れ方だってかなり不安だったし、彼女を放っておいたら何をするか分からない。


 だから、僕くらいなら彼女の我儘には付き合うつもりなのだ。



「それに……僕は桜井さんの家に呼ばれた段階で、ある程度の覚悟はしてたよ」



 すると、その僕の答えを聞いて彼女がとんでもないことを言い出した。



「じゃあ、しますか?」

「……?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ