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電車で助けてくれたきみは、クラスの人気者でした  作者: TAKA


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第42話



「こちらこそ」だけだと素っ気ないだろうか。絵文字はつけるべき? つけたら馴れ馴れしい? ぐるぐる悩んだ末に送ったのは、「こちらこそ、ありがとう。感想、楽しみにしてるね」という、ごく普通の一文だった。送信ボタンを押した瞬間、心臓がきゅうっと縮む。


すぐに既読がついて、返事が来た。「あの本さ、最後の場面でまた泣きそうになった。俺、葉山さんのせいで涙もろくなった気がする」。ふふ、と思わず声が漏れる。私のせい、なんだ。責められているはずなのに、どうしてこんなに嬉しいんだろう。


それから、他愛のないやりとりが続いた。好きな音楽の話、今日の練習がきつかったこと、明日の小テストが憂鬱なこと。文字だけの会話なのに、画面の向こうに、彼の笑った顔がちゃんと浮かぶのが不思議だった。


翌朝、七海にそのことを話すと、彼女は自分のことのように飛び上がった。「進歩! 大進歩だよ詩織!」。廊下に響く声に、あわてて口をふさぐ。でも、ほんとうは私も、同じくらい叫び出したかった。「おやすみ」の四文字で一日が終わる。そんな毎日が自分に来るなんて、少し前の私は、想像すらしていなかったのだから。

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