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第40話
試合は、終了間際にもう一点を奪って、逆転勝ちで幕を閉じた。これで、県大会への進出が決まったらしい。整列して挨拶をするチームを、私たちは立ち上がって、いつまでも拍手で見送った。
会場の出口で待っていると、着替えを終えた桜井くんが駆け寄ってきた。汗で前髪が額に張りついて、頬はまだ上気している。「来てくれて、ありがとな」。息を弾ませたまま、まっすぐ私を見て言った。
「同点ゴールの前にさ、観客席を見たら、葉山さんの顔が、ぱっと目に入ったんだ」。桜井くんは、少し照れくさそうに続けた。「そしたら、なんか、絶対いけるって思えた。……ほんとだよ」
蓮くんが「はいはい、ごちそうさま」とドリンクを押しつけ、七海が声を殺して笑っている。私は顔が熱くて、うまく言葉が出てこなかった。それでも、精一杯の気持ちをこめて言った。「かっこ、よかったよ。すごく」
桜井くんが、くしゃっと笑う。秋の高い空の下で見たその笑顔は、いままでのどの笑顔よりも、まぶしかった。




