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第33話
残されたのは、私と桜井くんの二人。明らかに、七海がわざと仕組んだのだ。あとで覚えてなさい、と心の中でつぶやきながらも、顔が熱くなる。
桜井くんは少し笑って、「じゃあ、俺たちも回るか」と歩き出した。
二人で、いろんなクラスの出し物を見て回った。射的でへたくそな桜井くんを笑ったり、わたあめを半分こしたり。ふだんの教室では味わえない、特別な時間だった。
並んで歩きながら、ふと、これってまるで――と考えて、あわてて打ち消す。それでも、桜井くんの隣を歩くこの時間が、終わってほしくないと、心から思った。お祭りの喧騒のなかで、私の世界は、桜井くんだけが、やけに鮮やかに見えていた。




