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第22話
それからも、桜井くんとは本を貸し借りしながら、よく話すようになった。けれど、嬉しいことばかりではなかった。
ある日の昼休み、七海がそっと耳打ちしてきた。「詩織、知ってる? あんたと桜井くんのこと、ちょっと噂になってるよ」
え、と私は固まる。「最近よく一緒にいるよねって。仲いいの?って、何人かに聞かれた」
血の気が引いた。私は、人の注目を浴びるのが、昔から何より苦手だった。教室の真ん中にいる桜井くんと違って、私はずっと、目立たない場所で静かに息をしていたい人間なのだ。
「べ、べつに、ただ本の話をしてるだけで……」。あわてて否定する私を見て、七海は少し心配そうな顔をした。「悪い噂じゃないよ。ただ、あんたが気にしすぎないといいなって」
その日から、私はクラスの視線が、急に気になり始めた。桜井くんと話していると、誰かに見られている気がして、落ち着かない。せっかく縮まった距離なのに、まわりの目が、その距離を、また少しずつ遠くして




