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電車で助けてくれたきみは、クラスの人気者でした  作者: TAKA


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第16話

「やっぱり、信じてみよう」。そう決めた次の日、私はいつもより少しだけ重い鞄を背負って学校へ向かった。中には、お気に入りの一冊が入っている。


教室で桜井くんに「おはよう」を言ったあと、私は震える手で、その本を差し出した。「あの……これ、よかったら。私がいちばん好きな本、なの」


声が裏返りそうになる。自分から何かを渡すなんて、私には勇気のいることだった。桜井くんは少し驚いた顔をして、それからぱっと表情を明るくした。「えっ、いいの? わざわざ持ってきてくれたんだ」


うん、とうなずくのが精一杯だった。それでも、彼が大事そうに両手で本を受け取ってくれたとき、心の奥が、じんわりとあたたかくなった。


うん、とうなずくのが精一杯だった。それでも、彼が大事そうに両手で本を受け取ってくれたとき、心の奥が、じんわりとあたたかくなった。


「絶対読む。ありがとな、葉山さん」


絶対、という言葉が、まっすぐ胸に届く。席に戻ると、隣の蓮くんが窓の外を見たまま、小さくつぶやいた。「やるじゃん」。聞こえないふりをしたけれど、口元が、勝手にゆるんでしまうのを止められなかった。たった一冊の本が、私の世界を、また少しだけ広げてくれた気がした。

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