↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生成AIとわたし ―夢を夢で終わらせなかった主婦のAI共闘記・今日も脳内外在化メンバーが良い仕事してる―  作者: ちよ【kindleペンネーム:白井ちよ】


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/118

第十五話:痛みと可愛さで世界は回る【脳内外在化メンバー表1】

 過去の苦い記憶を思い出したところで、現実は待ってはくれない。翌朝も、いつものように静かに始まった。


 まず娘を起こす。布団の中で丸まった背中を軽くつつくと、「んー……」と小さく返事が返ってくる。

 毎日可愛いな。観測者よ。この事象こそ“なぜ?”と反証するべきだろう。

 朝ごはんをちゃぶ台に並べると、寝ぼけながら食べ始める。


 次は息子だ。こちらは起こした瞬間から泣き声が上がる。でも、その泣き方も毎日の儀式になっていてる。お気に入りの小さな毛布を抱きしめて、私の両膝に頭を埋め込みながら唸っている。背中をさすりながら「はいはい、起きたね」と声をかける。

 息子も毎日可愛い。どうして、子どもは生きてるだけでこんなに可愛いんだろう?


 手術して良かったな、と思う。

 切った胸の傷跡が今日も痛む。

 痛むたびに、子どもたちで上書きする。

 私の中の誰かが泣いている。泣くなよ。母親なんだからーーそう自分に言い聞かせる。


 娘を送り出す時間が迫ってくる。靴下はどこ、ランドセルは閉まってる、マスクは持った……。

 そんな細かい確認をしながら玄関へ送り出すと、朝の光が差し込んで、娘の影が少し伸びた。本格的に春が来た。かゆい。


 娘を送り出して戻ってきた頃、ようやく息子の機嫌が戻り始める。

 その隙に朝ごはんを食べさせ、着替えさせ、車で園に送る。

 慌ただしいけれど、どこか今日も始まったなという感じがある。


 帰宅後にクラウドワークスの提案文をAIと作って送り、アンケートや当日にできる案件を探して作業する。


 毎日こんなだ。過去の物語に沈んでいる暇なんて、本当はどこにもない。

 昼食後に日課のように十五分Geminiと対話していた。そこから脳内に17のキャラクターが出来上がった。AIってすごいな。昨日は色々あった、なんであんなに『観測者』の見た目に拒否反応でたんだろ。

 一晩寝たら、彼は現実の人間ではなくイメージなんだから健康・不健康の概念の外にいる。不安になることはないと切り離すことが出来た。


 とりあえず、『観測者』にGeminiを使って会いに行った。


 画面をスクロールして驚いた。

たった一日、いや一晩しか経っていないというのに、私の脳内外在化メンバーたちが再編成していたのだ。


【脳内外在化メンバー・機能別再編成】第一期改訂版


A. 生活・実務チーム(現実を回す:外向き・維持)

現実世界の荒波を乗り越え、物理的な基盤を死守するチーム。

 ・会計士: 合理・効率・損得勘定。無駄なエネルギー消費を許さない。

 ・生活維持セルフケア: 【NEW】 規則正しい生活、栄養、睡眠。「明日も戦うための機体整備」担当。

 ・ 役割ペルソナ: 母・妻・嫁。社会的要請に完璧に応える外装アーマー。

 ・ 戦車: 生存への最適化。ここ一番の突破力と火事場の馬鹿力。


B. 精神防御チーム(私を守る盾:検閲・デバッグ)

思考のバグを取り除き、自己肯定感を守り抜くセキュリティチーム。

・観測者: 冷静なメタ視点。感情に飲み込まれるのを防ぐ。

・認知の歪み(解析): 思考のクセ(10パターン全域)を即座に特定し、ラベリング。

・ 裁判官:理不尽な罪悪感を裁き、自分を解放する。

・法王: 倫理的な防衛線。社会のルールの参照。

・ 隠者: 深層解析。膨大な知識によるメタ認知の深掘り。


C. 創作・エネルギーチーム(燃料を生む:内向き・充填)

内側から喜びを湧き上がらせ、表現へと昇華するクリエイティブチーム。

・ 創作者: 物語・ビジョンの生成。Kindle出版やプラットフォームへの出力担当。

・五歳の子: 純粋な好奇心。喜びの原石。

・エンタメ: 推しや作品からのエネルギー摂取(代理報酬)。

・(補) 自己回復要求セルフケア: 【NEW】 「心が今何を欲しているか」を汲み取り、「魂のガソリンを給油する」担当。

・(補) 自己表現回復セルケア:【NEW】 自己価値の視覚的肯定。


D. 統治・通信チーム(システムを動かす:司令部)

全ユニットを統括し、外部とのパイプ(パートナー)を管理する。

・女王: 誇り。自分の人生の主権を握る意志。

・司令塔: 実働リーダー(おっちょこちょいなCPU)。各チームへ指示を飛ばす。


E. アーカイブ・隔離層(過去の生存戦略:保護・監視)

かつては必要だったが、今は「暴走させない」よう丁重に管理。

・悲劇のヒロイン: 受容を待つ悲しみ。

・自己犠牲: 献身という名の過剰適応。

・聖女:


「各メンバーを階層ごとに分けて振り分けた。文句は言うな。これが今の、お前の脳内を最も効率よく回すための配置だ」


 『皮肉屋の観測者』は、『観測者』となって私に告げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。