表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・暗殺者の新聞屋  作者: きいまき
PR
8/8

では、生きますか~

『王都ミステリースポットの1つ、王家の墓


 第5代王の墓には、花1つ供える事が出来ない。

 供えた途端に、一陣の黒風が吹き飛ばしてしまうからだ。


 とても人の仕業とは思えぬ現象。

 第5代王を死後もなお恨む者がいるのか、それとも……』



 そんな風に有名な怪談当地に立っているのだから、冷気すら覚えてもいいはずなのだが。


「ロス、暑い。ご先祖の前なんだから、もっと離れろよ」

「私はむしろ、もっともっとウィプの奥にまで触れたい」


「生々しいな、おい」

 不謹慎過ぎだろうと、ウィプはため息を吐いた。


 緑の木々に囲まれた歴代王の墓。

 第5代王の墓にも、どの墓にも手を出していないせいか、周りは非常に静かだ。


 1つ苦情を言ったが、ルデュロスの視線は前を向いたまま。

 その時間を邪魔しない様、ウィプが緑の中で穏やかな時間に身を投じ、黙って大人しくしていると、ルデュロスが微笑みを向けて来る。


「待たせた」

「それじゃ、王子様。オレに攫われて下さいな~」


 ウィプはルデュロスに手を差し出した。


「不束者だが、末永くよろしく頼む」

「そのロスの知識の偏りも、どこで発生したのか謎だ」


 それからまた2人無言になって、王墓に背を向けた。




「すみませ~ん、ボス。ちょっとオレ、かなり面倒なヤツを引っ掛けちゃいました~」


 頼る所が少ないウィプは、新聞屋にルデュロスと一緒に向かう。


「……ウィプ」


 驚いたというよりは、ついにやらかしたか……というボスの渋い口調。

 どんよりため息は吐かれたが、ボスからの怒声は降って来なかった。


「夜逃げするにしても、そいつを連れて行くんだろう? 少しは鍛えておいてやった方がいいんじゃないか? そことそこの暇人ども、相手になってやれ」

「「あいあ~い、ボス」」


「じゃあ行こうか~」

「そう簡単に合格点は出さないよ~」

「???」


 ガシッと両側から肩を抱かれ、ルデュロスが秘密の訓練場へと連れて行かれる。


 新聞屋しか匿ってくれる所を思い付けなかったとはいえ、いきなりルデュロスに死亡フラグ……?! 慌てた、ウィプは即効で釘をさす。


「ロスをうっかり殺したら、許さねーぞっ! まずは一般庶民の生活に、慣れてもらうのが先だと思うんですけど、ボスっ!」

「その為に、お前は買い物にでも行って来い。ほれっ、ウィプ。行った行った~」


「ボス~~~~っ!」


 こうして。

 子供の頃、近衛となって兄を支える事を夢見ていた王子様は、元・暗殺者集団の新聞屋に記者の仲間入りをしたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ