平安宮廷の女房・伊予の物語「渇愛の空性(かつあいのシューニャ)」の反応が『無(シューニャ))』だった理由を考えました。
連載『浄見』に掲載する前に、独立した連載として平安宮廷の女房・伊予の物語「渇愛の空性(かつあいのシューニャ)」の『簡潔版』と『詳細版』の2つを公開しました。
文字数の差は3000文字ほどで、『詳細版』のほうが、幻覚を見てると読める(ことを願った)描写を増やしたり、観音様の『三十三応現身』の一つとして尼僧を出してみたりしました。
が、結果は『簡潔版』のほうがエピソードあたりのユニークアクセス数が多く『詳細版』はお蔵入りになりました。
余分な3000文字ほどで何をしたかというと、意識という実体が無いものから、目の前にある実体が生じることを言いたかったのです。
『幻覚ってそういうもんだよね?』
と言われれば終わる話なんですが。
『この世の全ては幻だ!われわれは上位存在にエネルギーを吸い取られ、幻覚を見せられてるだけの下等生物だ!』
というファンタジーをしたかったわけではなく、さりとて
『われ思う、ゆえにわれあり』
という哲学ぶりたいわけでもなかったんですが、『般若心経』の書いてる内容って、つまりすべてが『空』だということは、見えてるものはすべて実体が無い。
その『無』と『有』をつなぐものって、言葉かな?と思ったので、それを表現したかったのですが、腕がないためにというか考えがまだまだ浅いのか、そこを伝えられなかった気がします。
つまり、『詳細版』がアレだった理由を自分なりに考えてみますと、
『般若心経』→『空即是色』→『幻覚』
=>『物語』=『文字から世界が想像できること』って『無』から『有』を生み出してるのでは??!!
これがまさに『空即是色』では??!!
という感動を説得力を持って説明できてないところが問題だったと思います。
『詳細版』で言いたかったのはそこでした。
でもそれだけでは退屈なので、ちゃんとした『謎と答え』を用意しよう!と思い『女王失踪事件』を取り入れました。
その『女王失踪事件』と『空即是色』の関連を持たせられなかったのも、『詳細版』がアレだった一因だと思います。
『女王失踪事件』でしたかったことは、『証言によって見え方が二転三転したら面白いな』ということでしたが、落ちは弱いかなと思いました。
『弱い』というのは、途中で読者さまに見抜かれるのでは?との心配があるぐらい『単純なトリック』ということです。
そして、『答えを思いつくスピード』よりも『落ちまで読むスピード』の方が早ければ、ちょっとしたトリックでも『すごい!』『気づかなかった!』『面白い!』が生じる、という法則があると思うので、トントン拍子に『落ち』まで進むよう短く書きました。
この方法の欠点は、『あとあとよく考えるとトリックがしょぼい』ことです。
サッ!と素早く読める『お話』なので、落ちまで素早く読んでしまって『面白かった!』と思いがちですが、ふと我に返ると『よく考えると大したことない謎だな~~~』と気づきます。
最終的には『でも読んでる間は面白かったからOK!』となるので、この方法は重宝します。
そもそも『なぞなぞ』とか『ひらめきクイズ』は大したことない答えであることが多く、それでも考えてる時間や答えが見つかったときは楽しいので、それを目指しています。
『女王失踪事件』と『空即是色』を絡められたらもっと良かったと思います。
何かアイデアがあれば、ご意見いただけると幸いです。




