第15話 青の姫君、虫食いの葉を前に悩む
朝、青豆一号の葉に小さな穴が空いていた。
ほんの小さな穴だった。
葉の端に、針で突いたような丸い欠け。
普通の畑なら、見落としてしまう程度の傷。
けれど私は、その前でしばらく動けなくなった。
「……虫、ですね」
私はしゃがみ込み、葉の裏を確認した。
小さな黒い粒。
虫の糞。
近くの土を軽く払うと、細い幼虫が一匹、葉の陰に隠れていた。
危険な害虫ではない。
放っておいても畑全体が壊滅するほどではない。
早めに取れば問題ない。
それは分かっている。
分かっているのに、胸が少しざわついた。
青豆一号。
子供たちに見せた豆。
エマが感動し、ニコが「強そう」と言い、リオが真剣に観察した豆。
その葉に、穴が空いた。
たったそれだけで、私は少し焦っていた。
私は幼虫をそっと取り除き、虫除け草の配置を確認した。
足りないわけではない。
ただ、昨夜の湿気と朝の風向きで、少し虫が寄ったのだろう。
畑に虫はいる。
それは当然だ。
完全に虫を排除すれば、畑の均衡が崩れる。
だから、必要以上に怖がることはない。
けれど。
「……子供たちの豆は、大丈夫でしょうか」
村の共同畑。
マメタ。
ニコ豆。
リオ豆。
リーナの豆。
サム豆。
トト豆とルル豆。
あちらにも虫がついているかもしれない。
私はすぐに村へ行きたくなった。
けれど、約束がある。
村へ行く時は誰かと一緒に。
伝言鳥を飛ばす。
今回はミナではなく、バルドさん宛にする。
畑の異変なら、まずバルドさんだ。
私は小さな青い鳥に言葉を込めた。
青豆一号に虫食いを確認。
共同畑の豆も確認したいです。
村へ行ってもいいでしょうか。
鳥は静かに飛び立ち、森の道へ消えていった。
待つ間、私は青豆一号の周囲をもう一度見た。
被害は一枚だけ。
他の葉は無事。
根元も問題ない。
土も良い。
大丈夫。
大丈夫だ。
そう自分に言い聞かせる。
けれど、心のどこかが落ち着かない。
先生になってから、畑の異変が自分だけの問題ではなくなった。
子供たちに教えた。
見守ると言った。
相談してと言った。
だから、もし村の豆にも虫がついていたら。
子供たちは不安になるだろう。
泣くかもしれない。
自分のせいだと思うかもしれない。
それをどう伝えればいいのだろう。
虫食いは失敗ではない。
畑では普通に起こること。
大切なのは、早く見つけ、対処し、観察を続けること。
それを、子供たちにどう教えるか。
私は机に向かい、急いで木板を一枚作った。
題名は、虫食いの葉を見つけた時。
一、慌てない。
二、葉の裏を見る。
三、虫を探す。
四、大人に知らせる。
五、すぐに強い薬を使わない。
六、記録する。
七、次の日も見る。
書き終えてから、私は少し苦笑した。
また増えた。
教材が。
でも今回は必要だ。
たぶん。
昼前、結界に反応があった。
バルドさん、リオ、ミナ。
三人だ。
森の道から、まずリオの声が聞こえた。
「フローラ! 虫って本当か!?」
「リオ兄さん、声が大きい!」
「だって虫だぞ!」
「虫くらい畑にはいます!」
「でも青豆一号だぞ!」
リオも焦っているらしい。
私は玄関の前に出た。
バルドさんは落ち着いていたが、目は真剣だった。
「嬢ちゃん、見せろ」
「はい」
すぐに青豆一号へ案内する。
バルドさんはしゃがみ込み、葉を見た。
土を触り、周囲の草を確認し、私が取り除いた幼虫を入れた小瓶も見る。
「大したことはねえ」
その一言で、私は少し息を吐いた。
「やはり、そうですか」
「ああ。一匹二匹なら普通だ。むしろよく見つけたな」
「毎朝見ていますので」
「それが大事だ」
バルドさんは頷いた。
リオは心配そうに葉の穴を見ている。
「これ、治るのか?」
「穴は戻りません」
「戻らないのか!?」
リオの顔が本気で悲しそうになる。
私は少し言葉を選んだ。
「葉の穴は戻りません。でも、豆全体が元気なら新しい葉が出ます。傷があっても育ちます」
「傷があっても」
「はい」
ミナが静かに言った。
「人と同じですね」
私はミナを見た。
彼女は青豆一号を見つめていた。
「傷が消えなくても、新しい葉が出る」
その言葉が、胸に落ちた。
私は青豆一号の葉の小さな穴を見た。
傷は戻らない。
でも、成長は止まらない。
それは、私にも当てはまるのだろうか。
父様や母様に怖がられたこと。
森へ捨てられたこと。
化け物と呼ばれたこと。
その穴は、完全には消えないかもしれない。
でも、新しい葉は出る。
友達。
村。
先生。
贈り物。
それらは新しい葉なのかもしれない。
リオは真剣な顔で頷いた。
「じゃあ、青豆一号はまだ大丈夫なんだな」
「はい。大丈夫です」
バルドさんが立ち上がった。
「村の共同畑も見るぞ。たぶん、何本かやられてる」
やはり。
私は木板と薬草袋を持った。
「行きます」
「焦るな」
バルドさんが短く言う。
「虫食いは敵襲じゃねえ。畑の会話だ」
「畑の会話」
「ああ。葉に穴が空いた。虫が来た。じゃあ何が起きてるか見る。畑が話してんだ」
私はその言葉を心に刻んだ。
畑の会話。
異変は、畑からの声。
恐れるだけでなく、聞くもの。
「勉強になります」
「ならよし」
村へ向かう道中、リオはずっと青豆一号を気にしていた。
「穴、戻らないのか……」
「戻らなくても大丈夫です」
「分かってる。でも、なんか嫌だな」
「大切なのですね」
「そりゃ大切だろ。フローラの豆だし、俺たちも見たし」
リオは少し照れくさそうに言った。
私は胸が温かくなった。
青豆一号を、リオも大切に思ってくれている。
それが嬉しかった。
ミナが隣で微笑む。
「リオ兄さん、自分のリオ豆より心配してる?」
「リオ豆も心配してる!」
「なら、今日はしっかり見ましょうね」
「おう!」
村に着くと、共同畑にはすでに子供たちが集まっていた。
どうやらリオが村を出る前に「青豆一号に虫が出た」と言ってしまったらしい。
子供たちは少し不安そうだ。
エマが駆け寄ってくる。
「フローラ先生! 青豆一号、死んじゃうの!?」
「死にません」
私は即答した。
エマの顔に少し血の気が戻る。
「本当?」
「はい。葉に小さな穴が空きましたが、元気です」
ニコが不安そうに聞く。
「虫、怖い?」
「怖い虫もいます。でも、今日の虫は早く見つければ大丈夫です」
トトとルルが同時に言う。
「僕の豆は!?」
「私の豆は!?」
「今から一緒に見ます」
私は子供たちを共同畑の前に集めた。
村の大人たちも集まってくる。
バルドさんが腕を組み、少し離れて見ている。
私は木板を出した。
「今日は、虫食いの葉を見つけた時の勉強をします」
子供たちは真剣だった。
いつものような賑やかさは少し控えめ。
自分の豆が心配なのだ。
「最初に大事なこと。葉に穴が空いても、すぐに失敗ではありません」
「失敗じゃない?」
リーナが小さく聞く。
「はい。畑では虫も来ます。風で葉が傷つくこともあります。大事なのは、見つけること、調べること、必要な手当てをすることです」
サムが頷いた。
「記録する?」
「はい。とても大事です」
サムの目が少し輝いた。
記録係に向いている。
私はまずマメタを見ることにした。
エマが緊張した顔で横に立つ。
マメタの葉は、端に小さな傷があった。
虫ではなく、風か何かで擦れた傷。
「これは虫食いではありません」
「違うの?」
「はい。葉の端が裂けていますが、丸く食べられてはいません。葉の裏にも虫の跡がありません」
エマはほっとした。
「マメタ、無事?」
「はい。無事です」
「よかったあ……」
エマは本当に安心したように息を吐いた。
ニコ豆には、小さな虫食いが一つあった。
ニコの顔が青くなる。
「ニコ豆……」
「大丈夫です」
私はすぐに言った。
「見てください。穴は小さいです。葉の裏に虫がいるか確認します」
そっと葉を持ち上げる。
小さな幼虫が一匹いた。
子供たちが「いた!」と声を上げる。
ニコは泣きそうになる。
「食べられてる……」
「はい。でも、今見つけました」
私は幼虫をそっと取り除き、小瓶に入れた。
「これで、これ以上この虫は食べません。次に、他の葉も見ます」
ニコは涙をこらえながら頷いた。
私はニコ豆全体を確認した。
他に被害はない。
茎も元気。
土も悪くない。
「ニコ豆は大丈夫です」
「本当?」
「はい。傷はありますが、元気です」
ニコは唇を震わせた。
「穴、戻らない?」
「戻りません。でも、新しい葉が出ます」
「新しい葉……」
「はい。ニコ豆はまだ育ちます」
ニコは小さく頷いた。
「じゃあ、見る。毎日見る」
「それが一番大事です」
リオ豆にも虫食いがあった。
リオは自分の豆の前で固まった。
「……リオ豆」
葉の端に二つの穴。
幼虫はすでにいない。
鳥が食べたか、移動したのだろう。
リオは眉を寄せ、珍しく黙った。
ミナがそっと言う。
「リオ兄さん」
「分かってる。穴は戻らない。でも育つんだろ」
私を見る。
私は頷いた。
「はい。リオ豆は元気です」
「なら、いい」
リオは深く息を吐いた。
「でも、虫め……」
「虫も生きています」
「それは分かるけどさ」
バルドさんが低く笑った。
「畑は取り合いだ。人も食う。虫も食う。鳥も食う。全部なくせばいいってもんじゃねえ」
「難しいな」
「難しい。だから面白い」
リオは少し納得いかない顔をしながらも頷いた。
トトとルルの豆は、片方だけ大きく虫に食われていた。
ルルの豆だった。
ルルはそれを見るなり、泣き出してしまった。
「私の豆……!」
トトが慌てる。
「ルル、泣くなよ」
「だって、食べられた……!」
ルルは両手で顔を覆った。
周囲の子供たちも静かになる。
私はしゃがみ、ルルの近くに寄った。
「ルル」
「……」
「悲しいですね」
ルルはこくりと頷いた。
「大事に見てたのに……」
「はい」
「水もあげすぎないようにしたのに……」
「はい」
「なのに、食べられた……」
小さな声が震えている。
私はすぐに「大丈夫」と言いそうになった。
でも、止めた。
ルルにとっては、大丈夫ではない。
大事にしていた豆の葉が食べられた。
悲しい。
その気持ちは先に受け止めるべきだと思った。
「大事にしていたから、悲しいのですね」
ルルは泣きながら頷いた。
「うん……」
「泣いてもいいです」
私は言った。
前に子供たちに教えた言葉。
痛い時は泣いていい。
悲しい時も、きっと同じだ。
「でも、泣いた後で、一緒に見ましょう。ルルの豆がこれからどう育つか」
ルルは少し顔を上げた。
「まだ育つ?」
「見てみないと分かりません。でも、葉が一枚食べられても、茎と根が元気なら育つことがあります」
「本当?」
「はい。確認しましょう」
ルルは涙を拭き、私と一緒に豆を見た。
葉は一部大きく食われている。
でも茎はしっかりしている。
根元もぐらついていない。
土も悪くない。
「まだ育つ可能性が高いです」
私は言った。
ルルの顔に、少し光が戻る。
「じゃあ、手当てする」
「はい」
私は虫を探し、葉の裏から小さな幼虫を二匹取り除いた。
薬は使わない。
まずは手で取る。
周囲の草を少し整え、風通しを良くする。
虫除け草を近くに少しだけ置く。
「今日はここまで。明日、もう一度見ます」
ルルは頷いた。
「私、見る」
「はい」
トトが少し気まずそうに言った。
「俺も見る」
ルルが泣き顔のまま兄を見る。
「一緒に?」
「一緒に」
双子は小さく頷き合った。
周囲の大人たちが、ほっとしたように息を吐いた。
ミナは少し目を潤ませていた。
リオは腕を組み、難しい顔をしている。
「虫食いって、ただの穴じゃないんだな」
「はい」
私は頷いた。
「大切にしている人にとっては、大きなことです」
バルドさんが静かに言った。
「それを忘れなきゃ、いい先生になる」
私は少し驚いてバルドさんを見た。
彼はそっぽを向いていた。
「ありがとうございます」
「礼はいい。続けろ」
「はい」
その後、子供たち全員で虫食いの記録を取った。
サムが木板に表を作る。
名前。
虫食いあり。
虫の数。
葉の状態。
次の日に見ること。
サムはとても丁寧に書いた。
リーナは絵を描いてくれた。
エマは虫を見つけるたびに名前をつけようとして、ミナに止められていた。
「虫に名前つけちゃだめ?」
「つけてもいいけど、情が移ると取りにくくなるよ」
「それは困る」
エマは真剣に悩んでいた。
リオは自分のリオ豆の前にしゃがみ、葉の穴を見つめていた。
「穴、戻らないけど、育つ」
小さく呟いている。
私はその声を聞き、胸の奥が少し熱くなった。
虫食いの授業は、予定外だった。
でも、子供たちは多くを学んだ。
私も学んだ。
畑の異変は、ただ対処するだけではない。
それぞれの心にも触れる。
先生とは、知識を渡すだけではないのかもしれない。
昼食の時、村の雰囲気は少し落ち着いていた。
子供たちはまだ自分の豆を気にしているが、泣き続ける子はいない。
ルルも、ミナの隣でスープを飲んでいた。
時々目を赤くして豆の方を見るが、トトが「後で一緒に見る」と言うと頷いた。
私は少し疲れていた。
虫食いの確認自体は難しくない。
でも、子供たちの不安を受け止めるのに力を使った。
ミナがそれに気づき、私の前に温かいお茶を置いてくれる。
「お疲れ様です」
「ありがとうございます」
「今日は、本当に先生でした」
「見習いです」
「見習いでも、先生です」
いつものやり取り。
けれど今日は、その言葉がいつもより深く胸に入った。
リオが隣に座る。
「フローラ」
「はい」
「ルルに、すぐ大丈夫って言わなかったの、すごいな」
「そうでしょうか」
「俺なら言ってた。大丈夫だって。でも、ルルは泣いてたから……先に悲しいって言ってもらえて、よかったと思う」
私は少し驚いた。
リオがそんなふうに見ていたことに。
「私も、言いそうになりました」
「そうなのか」
「はい。でも、ルルにとっては大丈夫ではなかったので」
リオは頷いた。
「俺も覚えとく」
「はい」
ミナが優しく微笑む。
「リオ兄さんも、少しずつ先生みたいですね」
「俺が?」
「豆の先生見習い」
「それ、フローラの真似じゃん」
リオは照れながら笑った。
私は少し笑った。
豆の先生見習い。
リオには意外と似合うかもしれない。
午後、私はバルドさんと一緒に共同畑の周囲を見直した。
虫が増えた原因は、畑の端に伸びた草と、昨夜の湿気。
それから、子供たちが頻繁に近づくことで土が少し固くなっている場所もあった。
「見学路を作った方がいいですね」
「そうだな。踏む場所を決める」
「虫除け草も、少し増やします。ただし増やしすぎると豆の邪魔になります」
「加減だな」
「はい」
バルドさんは頷いた。
「嬢ちゃん、朝より落ち着いたな」
「朝は少し焦りました」
「青豆一号がやられたからか」
「はい」
「大事なんだな」
「はい」
私は素直に答えた。
「青豆一号は、私だけの豆ではない気がします」
バルドさんは少し笑った。
「畑ってのはそういうもんだ。誰かが見て、誰かが気にすれば、ただの作物じゃなくなる」
「はい」
「だから面倒で、だからいい」
私は頷いた。
本当に、その通りだと思った。
夕方、森へ帰る前に、ルルが私のところへ来た。
目はまだ少し赤い。
けれど、泣き止んでいた。
「フローラ先生」
「はい」
「明日も、私の豆見てくれる?」
「はい。もちろんです」
「私も見る。泣いても見る」
その言葉に、胸が詰まった。
「はい。泣いても見ましょう」
ルルは小さく頷き、トトの方へ走っていった。
私はその背中を見送った。
泣いても見る。
なんて強い言葉だろう。
私も、そうできるだろうか。
怖くても見る。
痛くても見る。
過去も、今も、自分の傷も。
まだ難しい。
でも、ルルができるなら、私も少しずつできるかもしれない。
帰り道、リオとミナが送ってくれた。
リオはいつもより少し静かだった。
リオ豆の虫食いが気になっているのだろう。
「リオ豆は大丈夫です」
私が言うと、リオは苦笑した。
「顔に出てた?」
「はい」
「そっか。まあ、大丈夫って分かってる。でも気になる」
「大切だからですね」
「うん」
ミナが言う。
「明日も見に行けばいいよ。でも、近づきすぎないでね」
「分かってる」
リオは素直だった。
森の家に着くと、青豆一号を三人で確認した。
小さな穴は、そのまま残っている。
けれど葉はしおれていない。
茎も元気だ。
私はそっと土を触った。
「大丈夫です」
リオも頷いた。
「大丈夫だな」
ミナが優しく言う。
「傷があっても、育ちますね」
「はい」
私は青豆一号を見つめた。
傷があっても、育つ。
今日一日で何度も聞き、何度も言った言葉。
それは、私の中にも少し根を下ろした気がした。
夜。
私は日記帳を開いた。
今日、青豆一号に虫食いを見つけた。
とても小さな穴だったが、私は焦った。
村の豆にも虫食いがあった。
ニコ豆、リオ豆、ルルの豆。
ルルは泣いた。
私はすぐ大丈夫と言いそうになったが、先に悲しい気持ちを聞いた。
葉の穴は戻らない。
でも、新しい葉は出る。
傷があっても、豆は育つ。
ルルは、泣いても見ると言った。
私はペンを止めた。
暖炉の火が静かに揺れている。
机の上のニコ鳥が、影を落としている。
私は自分の胸に手を当てた。
私の中にも、戻らない穴がある。
でも、新しい葉が出ている。
リオ。
ミナ。
村。
子供たち。
畑。
先生。
それらは全部、新しい葉なのかもしれない。
私は最後に書いた。
傷があっても育つ。
今日は豆に教えたつもりで、私が教わった。
日記帳を閉じる。
窓の外には夜の森。
青豆一号の小さな穴は暗くて見えない。
でも、そこにある。
そして、青豆一号は育っている。
「明日も見ます」
私は小さく呟いた。
畑も。
子供たちの豆も。
そして、私自身も。
泣いても、怖くても、ちゃんと見る。
そう思いながら、私は暖炉の火を少し小さくした。




