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絶対主権  作者: ユウライ
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10/10

10話《七割?それ、本気で言ってます?》

本確的な商談が始まります!商談って怖いイメージあるんですよね

「先ずは、そちらの特殊鉱石を売ってもらいたい」


「ほう・・・」


「(特殊鉱石かぁ・・・まぁ設定した時にバルガルドって戦い専門だから、武器系統の物は欲しいよな)」



何とかポーカーフェイスは保っている。


だが脳内では、創作していた頃に決めたバルガルド帝国の設定を必死に思い返していた。


戦いに特化した国。


武器や防具の需要が高く、より強力な素材を求めるのは当然だ。


なら、この商談で使えそうな情報もどこかにあるはず。


そう考えながら、頭の中で設定を一つずつ掘り起こしていく。



「あんたらの欲しい目的はだいたい分かってるで、星波鉱石(ほしなみこうせき)やろ?」


「流石は商談のスペシャリストですね。その通り《星波鉱石》が欲しいのです」



化乃は、最初から相手の目的を見抜いていた。


俺がまだ頭の中で情報を整理している間に、すでに商談の本題へ踏み込んでいる。


やはり、こういう場は専門家に任せて正解だった。


《星波鉱石》。


星界盟国でしか採れないと言われている、非常に希少な鉱石。


地中から掘り出す一般的な鉱石とは異なり、その名の通り空から降ってくるという特殊な性質を持っている。


いつ、どこへ落ちてくるのかも完全には予測できず、採取できる量にも限りがある。


そのため流通量は極めて少なく、星界盟国内でも貴重な資源として扱われていた。


ましてや国外となれば、その価値はさらに跳ね上がる。


戦いを専門とするバルガルド帝国が欲しがるのも、当然と言えば当然だった。



「その鉱石を分かった上で・・・欲しいと申しておられるのですね?」



サロリアは穏やかな口調のまま、相手の商人へ確認する。



「その通り」


「買ってしまった場合、他国との関係が非常に悪くなると分かった上でも?」


「なに・・・?」



商人の表情が、僅かに固まる。


《星波鉱石》はただ希少なだけの鉱石ではない。


星界盟国でしか採れない以上、その流通先ひとつで各国の軍事力や力関係にまで影響を及ぼしかねない。


特に、戦いを専門とするバルガルド帝国へ大量に渡れば、周囲の国が警戒するのは当然だった。


ここから先は、単なる売買ではない。


どの国へ、どれだけ渡すのか。


その判断一つで、国家同士の関係まで動く。


俺はそこでようやく、この商談にサロリアが同席している理由を理解し始めていた



「七割・・・七割の価格で買い取りたい。もちろん、口止め料も含めてだ!」


「はははっ・・・・・・うちらを舐めてはるん?それとも、自分から首締めに来はったんどすか?」


「な、なんだと!?」


「ここを何処の国や思てますの?星界盟国(せいかいめいこく)ですえ?簡単に入国できる国やと思ってはるん?」


「ッ!!」



相手の商人の表情が、一瞬にして強張った。


《星界盟国》。


この世界でも極めて特殊な国家であり、その国土となる大陸そのものが絶えず世界を移動している。


決まった場所には存在せず、外部の者が現在地を正確に把握することすら難しい。


そのため、星界盟国へ入国するには正式な許可が必要となり、指定された方法で案内されなければ辿り着くことさえ困難だった。


今回の商人も、正式な商談相手として許可を得たからこそ、この地へ足を踏み入れることができている。


つまり――。


《星波鉱石》を安く買い叩き、さらに口止めまで要求した後で、何事もなかったかのように帰れる保証などない。


化乃は、その立場を理解した上で相手に釘を刺していた。



「(そうだわ、俺の国ってスゴイってレベルじゃないんだわ・・・確かに口止め料含め七割は舐めてるよな、流石に分かる)」



そこでようやく、俺も相手がどれだけ無茶な条件を出しているのか理解した。


《星界盟国》は、ただ強い国というだけではない。


大陸そのものが移動し、正式な許可がなければ辿り着くことすら難しい特殊国家。


そこへ入国を許された上で、希少資源を安く買い叩き、さらに口止めまで要求しているのだ。



「この事をバルガルド帝国だけでは無く他国全体に知らせますわ」


「脅しのつもりか・・・!?」


「あら?おバカでも分かると思いますわよ?この国だけじゃなく・・・ましてや、こちらに座ってるお方はただの王に在らず・・・」



サロリアはそこで言葉を止めた。


相手の商人も、その先に続く言葉を察したのか、表情を強張らせる。


ただの王ではない。


それだけで、場の空気が一段重くなった。


俺自身も、その言葉を聞きながら改めて思い出す。


この世界での俺は、一つの国を治めるだけの存在ではない。


複数の国と関わり、その間に立つ者。


盟王(めいおう)


その肩書きが、どれほど大きな意味を持つのか。


それを相手が本当に理解するのは――次の瞬間だった。

次回は主人公の地位についてですかね?

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― 新着の感想 ―
自分が考えた世界に転生するという、創作者の夢とロマンがギュッと詰まった素敵な作品ですね! ユウライさんが自分の作った世界にワクワクしている姿がとても微笑ましく、読んでいてこちらも思わず笑顔になってしま…
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