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絶対主権  作者: ユウライ
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9/10

9話《初めての商談、穏便には済まないかも》

新しい従者が二人追加されましたー!商談回入ります

(魔物狩りに行きたいなー)」



スキルをほぼ覚えたので、そろそろ実戦で試してみたい気持ちは強くなっていた。


だが、設定上の俺は王という立場。


好きな時に好きな場所へ行けるほど、簡単には動けない。


そんなことを考えていると、扉をノックする音が響いた。


どうやら、シェリスがやって来たようだ。



「ユウライ様、本日は商談があるので、ご用意を」


「え・・・」



予想外の言葉に、思わず固まる。



「(商談だと!?やったことねぇよ!!どうする・・・確か・・・商談が上手い奴と外交担当の従者が居たハズだ!その二人を呼ぼう!!)」



頭の中で必死に記憶を探る。


商談に強い従者。


そして、外交を担当する従者。


この二人がいれば、少なくとも何も分からないまま一人で商談に挑むよりは遥かにマシなはずだ。



「シェリス、化乃とサロリア呼べる?」


「はい、直ぐに呼べます」


「(よっしゃァァァァァァ!!危ねぇぇぇ!!)」



危なかった。


一人で商談なんて、とてもじゃないが無理だ。


ど素人が下手に口を出せば、どこかでボロが出るに決まっている。


とりあえず、頼れる二人を呼べると分かって安堵した。


ーー数分後。



「ユウライ様、お待たせしましたえ。この商談、勝ちに行きまひょか」


「外交なら、お任せを。ユウライ様は選択するだけでよろしいですわ」


「よろしく頼むよ」



ーー化乃。


商談のスペシャリストで、レベルは8000。


狸の獣人であり、商業や契約、流通などを得意としている。


ーーサロリア。


お嬢様で、外交と社交を担当している。


レベルは6230。


紫色の縦ロールが特徴的だ。


ちなみに、シェリスはレベル9999。


ハルは7300だ。



「ユウライ様、商談相手の情報をリストアップしましたえ」


「助かる」



化乃から渡された資料へ目を通していく。



「(ふむ・・・バルガルド帝国の商人かぁー)」



バルガルド帝国。


戦いの国として非常に有名で、世界でもその名を知らない者は少ないほどの大国だ。


軍事力に優れ、戦士の育成や武具の生産にも力を入れている。


この国がここまで分かりやすく戦いに特化しているのには、理由がある。


前世の俺が、この世界を創作していた頃。



「国ごとに何か一つ、分かりやすい特徴があった方が面白いだろう」



そんな単純な発想から生まれた設定だった。



「(まさか、自分で考えた国と本当に商談する日が来るとはなぁ・・・)」



資料に書かれた《バルガルド帝国》の文字を見ながら、改めて妙な感覚になる。


創作では数行で決めた設定。


だが今では、そこに人が住み、商人が働き、国家として実際に動いている。


そして今日。


その国の商人と、俺は王として向き合うことになる。


――応接室。



「これはこれは、随分と若い王ですな。別に舐めては居ませんよ。流石と言う意味です」


「ユウライ様、久々に本気出してよろしいですかえ?」


「私も」


「え?いいよ?」



二人は、俺にだけ聞こえるように小声で話してきた。


どうやら、今の一言で完全に火がついたらしい。


表面上は笑顔を保っているが、その空気は明らかにさっきまでと違う。


大切な主が軽く見られた。


それだけで、化乃とサロリアの中では十分だったのだろう。


商談で勝つ。


そんな程度ではない。


相手が後悔するくらい、条件も利益も根こそぎ奪いに行く。


そんな気配が、二人から静かに滲み出ていた。

どれだけ相手が済むか、気になりますねぇ

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