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サムライの格好で異世界に来たんだが  作者: 志村けんじ


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少年の決意


「これから、本当に大事なことを話すわ」


 少年も、周りにいた人たちも、あまりの緊張に唾を飲み込んだ。


「死の王リッチは、死なないの」


 その「死なない」とは、どういう意味なのか、「決して倒すことはできない」という意味なのかと、少年は思った。


「リッチは、「フィラクトリーという魂の器」を破壊しない限り、不滅なの」


「それには、その「魂の器」を探さなければならないということですか?」


 そう少年は、聞いた。


「そして、その「魂の器」は、3つあるの。その3つを壊さなければ、リッチを倒すことはできないの」


 クレア姫は、そう断言する。


「そして、その「フィラクトリーという魂の器」を見つけるチカラを、わたしは持っているわ」


 そう言われれば、ここまでの流れとして、合点がてんがいく。


「だから。あなたがずっと傍にいて、わたしを護ってほしいの」


 そうなると、この役目は、一番重要だ。


 そのことに気づいた少年は、あまりの緊張に吐きそうになる。


 それを隠すために、クレア姫に対して、背中を向ける。


 少年は、心の中で、「冗談キツイぜ。まったくよー……」と、怖気おじけづく。


 この姫を護り切れずに、途中で死ぬのか。この姫を護り切って、最後まで生き残るか。二つに一つというわけだ。と少年は思った。


 だったら、最後まで生き残ってやる! 少年の中に、「逃げるという選択肢」はなかった。


「わかりました! オレは、姫の傍から離れませんから! その代わり、無茶だけはしないでください!」


 少年は、そう宣言する。これで、もう逃げ出すことはできない。


「わかった。約束するわ。だから、あなたも最後まで、生き延びて」


 そう言われて、少年の覚悟が、完全に固まった瞬間だった。


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