予想外
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「それで起きて、早速で悪いんだけど、もう一度刀を抜いてみてくれないかい」
そう少年は言った。
「いいわよ」
クレアはベッドから出ると、少年から大刀を受け取り、試してみる。
しかし、いくら刀を抜こうとしても、抜くことができない。
「抜けないわ」
諦めて、クレアはそう言った。
「えっ!?」
少年は驚く。これは自分の思っていた予想とは違う。
「えっ!? じゃないわよ!? これも、あなたの予想通りじゃないの!?」
そうクレアは言った。
「違う……。オレはてっきり、これでクレアも普通に刀が抜けるようになるものかと」
そう少年は言った。
「呆れた。てっきりあなたは、全部わかっててやっていたと思っていたわ」
そう言って、クレアは笑う。
「ごめん……」
少年は素直に謝る。
「まぁ、良いわ。もうどこかリッチに支配されているような感覚はなくなったし、今ならあの丘に立っている木にも、矢が届きそうよ」
そう言ってクレアは、窓の外に見える、丘の上に一本だけ立っているの大木を指差す。
「クレア。弓が使えるの?」
そう少年は、少し驚いて聞く。
「もちろんよ。戦いの訓練は、全部受けてるもの」
クレアは、そう言った。
「でも、クレアが弓矢を使ったところは、一度も見てないよ」
そう少年は聞いた。
「それはそうよ。敵は基本的に骨だもの」
クレアは、そう言って笑う。
「あっ。そうだね」
少年はそう言われて、妙に納得した。
「でも、あの丘の上に立ってる木って、ここから200m以上あるよ。あんなところまで、矢が届くの?」
そう少年は、もしそれが本当だったら凄いと思って聞いた。
「まさかー。あんな遠くまでは届かないわ。ただそんな気がしただけよ」
クレアはそう言った。
「そんなことを思ったのは、これが初めて?」
そう少年は、真顔で聞く。
「ええ。そんな風に思ったのは、これが初めてよ」
そうクレアも、ちゃんと答える。
「なるほど。それなら、実際にあそこまで届くのかどうか、やってみようぜ」
そう少年は言った。
「そんなの無理よ!? 弓矢はあんな遠くまでは届かないわ!?」
そうクレアは言う。
「そうです、十兵衛殿。例えロングボウ (長弓) なら届くかもしれませんが、女性のクレア様には、弦を引けません」
そうヒューゴが言った。
これはどういうことかというと、戦場で使うロングボウ (長弓) の最大射程は、200~300ヤード (約180~274メートル) あるが、その為には、80~120ポンド (約36~54キログラム) を引き切る筋力が必要だとされていた。
「ふ~ん。そうなんだ。それなら普通の弓でやってみようぜ」
そう少年は言った。




