刀の反応
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少年が風呂から出ると、次にクレアが入れ替わりで風呂に入る。
「十兵衛、随分と長かったのね」
そうクレアは言った。
「ごめん。ちょっと考えごとしてたから」
そう少年は答えた。
「そう。それならあとで、それがなんなのかを聞くわね」
そうクレアは言って、風呂の中に入っていく。
その風呂のドアの前には、ビクトルとヒューゴが、静かに門番として立った。
クレアが風呂から出ると、続けてビクトルとヒューゴが交代で風呂に入る。
「十兵衛。そのお風呂の中で考えてたことってなんなの?」
そうクレアは聞いた。
「あぁ。それはこの刀のことだよ」
そう少年は言った。
「この刀が、どうかしたの? さっきもこの刀を、わたしがが抜いたことに、少し驚いていたようだけど」
そうクレアは言った。
「あぁ。この刀はね。元々、オレ以外には抜けない刀だったんだ。だから、ビクトルもヒューゴにも抜けなかっただろ」
そう少年は言った。
「そうね。でも、わたしには抜くことができたわ」
そうクレアは言った。
「そうなんだ。だから驚いたんだよ。クレアさ、刀を抜いたときに、何かを感じなかったかい」
そう少年は聞いた。
「いえ。特に何も感じなかったわ」
そうクレアは答えた。
「クレア。悪いんだけど、もう一度、刀を抜いてみてくれないかい」
そう少年は、お願いする。
「いいわ。刀をわたしに」
そう言ってクレアは、少年から刀を受け取る。
クレアは、今度も何事もなく刀を抜いてみせる。
「抜いたわ。特に何も感じないわ」
そうクレアは言った。
「そう。それなら、その抜いた刀を、ちょっと振ってみてくれないか」
そう少年は、クレアに言った。
「いいわ。それじゃ、振ってみるわね」
そう言って、クレアが刀を振り上げて振ろうとした瞬間。クレアの刀の柄を握った両腕は、突然手には持てない重さを感じて、そのまま柄を握ったまま、床に刀を落として柄を放す。
「大丈夫ですか、クレア様!?」
それを見ていたヒューゴが、慌ててクレアに駆け寄る。
「ええ。大丈夫よ。心配してくれてありがとう。でも、どうしたのかしら。急に刀が、手に持てない重さになったわ」
そうクレアは言った。
「それなら、その刀を、ヒューゴが拾い上げてみてくれないか」
そう少年は言った。
ヒューゴは、少年に言われた通り、刀の柄を握って、その床に落ちた刀を持ち上げようとするが、いくら両手で持って、その太い両腕で持ち上げようとするが、刀は物凄い重さでびくともしない。
そんな重さを二人が感じているのにもかかわらず、床板は抜け落ちることもない。
少年は、その床に落ちた刀を、何事もなくあっさりと拾い上げると、刀の刀身を鞘に収めた。




