表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サムライの格好で異世界に来たんだが  作者: 志村けんじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/44

禁忌の村


 翌朝を四人は、何事もなく無事に迎えられた。


 昼食を簡単に済ませて、再びクレアがリッチのフィラクトリーの気配を感じる方に向かう。


 三十キロメートルほど馬を歩かせると、集落の周囲一帯を太い丸太の高い壁で囲った村が見える。


「姫、あの村で少し休ませてもらいましょう」

 そうビクトルが言った。


 この村までくる間に、敵の気配などは一切なかった。


 村の入口の門の前に立ち、ヒューゴが声を掛ける。


「すまぬが誰か! 旅をしている者だが、この門を開けていただけないか!」

 そう叫んでお願いする。


「すまぬが誰か! 誰かりませんか!」

 そうヒューゴが何度叫んでも、一向に返事がない。


 それどころか、中からは何の音もしなければ、人の気配も何も感じられない。


 さすがにこれを不審に思い、ビクトルが剣のつかに手を掛けたとき、目の前の門が少し開く。


 その開いた隙間から、大きな目をした蒼白い顔の男が出てくる。


「何か御用か?」

 そう男は言った。


「すまぬが、この中で少し休ませてはくれぬか」

 そうヒューゴがお願いする。


 男はまるで値踏みするように四人を、足先から頭まで舐めるように眺める。


「いいだろう。お前とそこの娘だけは入って休んでもいい。おかしな格好をした小僧と、もう一人はダメだ」

 そう言った。


「なっ!? どうして二人はダメなんだ!?」

 そうヒューゴが聞く。


「二人はタダで入れてやってもいいが、あとの二人も入りたいのであれば、カネを払え」

 そう男は言った。


「いいわ! いくら払えばいいの」

 そうクレアが聞く。


「姫!? しかしそれでは!?」

 ヒューゴが思わずクレアのこと、ここで「姫」と言ってしまう。


 ここまでクレアが、この国の「姫」であることは、少年が用心棒として滞在していた村を出て以降は、他の者には隠したままでいた。


 それは国の民たちに余計な気を使わせないためと同時に、命を狙われる危険を極力避ける為でもある。


「姫……。これはこれは、クレア様でしたか。大変失礼をいたしました。どうぞ皆さま、お入りください」

 そう言って男は、馬が入れるぐらいに門を開けて、クレアたち四人を村の中に迎え入れる。


 外からは人の気配はしなかったが、四人が中に入ると、各々(おのおの)の家の中から人が出てくる。


「みんな! この国の姫のクレア様だ! 丁重にもてなしてくれ!」

 そう男は、家の中から出てきた村人たちに言った。


「では、あらためまして、私の名前はアムルにございます」

 そう男は名乗る。


「よろしく、アムル。馬たちに水を飲ませてやりたいのだけれど」

 そうクレアが言う。


「わかりました。では、馬はこちらへ」

 そう言って、アムルが馬の水飲み場の方へ案内する。


「では、馬たちは我々が」

 そうビクトルが言って、ヒューゴと二人で四頭の馬を引いていく。

 

 少年はこの村の中を、あらためてゆっくりと見渡した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ