アークスケルトン
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「クッ!? 待ち伏せか!?」
ビクトルが、歯を嚙み締める。
「如何いたしましょうか、姫様」
ヒューゴが聞いた。
「このままだと、逃げても無駄だわ! 戦いましょう!」
クレアはそう言って、馬を降りる。
河の中から現れた、剣と盾を持ったスケルトンウォリアーたちは岸を上り、あっという間にクレアたちを取り囲む。
クレアは、剣を抜いて構える。
ビクトルとヒューゴは、馬を降りずに槍を手にする。
少年は、鞘を左手で持ち、右手を大刀の柄に添えて、いつでも刀抜けるようにしていた。
空気の動きが止まる、一瞬の時間。
スケルトン・ウォリアーの一体が動いたことで、再び空気が動き出す。
少年は、刀を抜くと、次々にスケルトンウォリアーを斬り倒していく。
一瞬とも思えるその間に、少年は七体ものスケルトンウォリアーを倒していた。
ビクトルとヒューゴも、その手にした槍で、襲い掛かってくるスケルトンウォリアーの頭蓋骨を破壊していく。
頭部を破壊されたスケルトンウォリアーは、その骸骨の姿を維持することができずに、鎧を残して崩れ落ちる。
クレアも、二体、三体とスケルトンウォリアーの攻撃を躱しながら、スケルトンウォリアーの頭蓋骨を破壊した。
「大丈夫か、クレア!」
少年が、そう声を掛ける。
「ええ。大丈夫よ!」
クレアは、そう返す。
「少年の刀は、いわば魔法のチカラがあるので、わざわざスケルトンウォリアーの頭蓋骨を破壊しなくても問題はない。
ただ胴や首・頭を斬ればいい。
そして、スケルトンウォリアー程度であれば、剣も鎧も盾も、それごと斬ることができる。
しかし、そのスケルトンウォリアーの中に、少年の刀の斬撃をを受け止める者がいる。
しかし、以前に戦った強い相手に感じたような、強い気配や精神は感じない。
ただ無のままに攻撃してくるが、それでも他のスケルトンウォリアーよりも、あきらかに動きも速い。
まるで人間の強い剣士と戦っているようである。
この同じようなスケルトンウォリアーが、全部で五体いる。
クレア、ビクトル、ヒューゴの三人も、そのスケルトンウォリアーに苦戦していた。
少年を、二体のそのスケルトンウォリアーが取り囲む。
そのうちの一体が、口から火炎の球を吐き出した。
他の四体のスケルトンウォリアーも、同じように、火炎の球や、長く伸びる火炎の息を吐き出す。
この炎は幻覚などではない、本物の炎だ。
このまま戦いを長引かせるわけにはいかない。
少年はそのスケルトンウォリアーの首だけを狙って、ほんの一瞬の間に、二体のスケルトンウォリアーの首を飛ばす。
続けて、クレア、ヒューゴ、ビクトルを攻撃している、そのスケルトンウォリアーの首を飛ばした。
その五体のスケルトンウォリアーは、骸骨の姿を維持することができずに、鎧だけを残して崩れ落ちる。
「ほほう……。あの小僧。アークスケルトンを、ああもあっさりと倒してしまうとはな。だが数を増やせばまた結果は違うであろう……」
この戦いの様子を近くで見ていた者がいた。
「今日はこれで引き上げるとしよう。次はこうは簡単に行くまいて……。戻れ、スケルトンウォリアーども!」
そう言うと、まるで潮が引くように、スケルトンウォリアーたちが退いていき、姿を消した。




