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サムライの格好で異世界に来たんだが  作者: 志村けんじ


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残りのフィラクトリー


 そのリッチのフィラクトリーは、まだ五つも残されている。


 これまでに破壊できたのは、死の歌姫。バンシーのエクセラが持っていた一つだけである。


 現在フィラクトリーを持っている可能性が高いのは、本来の持ち主であるリッチが一つ。副官のデスナイトが一つ。そして、クレアが一つ。


 そうなると、あと二つを誰が持っているのか。もしくは、どこかに隠されてあるのかなのだろう。


 現在いまクレアが感じているフィラクトリーの気配は、北西の方である。


 昨日の件もあり、やはり幌馬車と、その馬車馬二頭は手放すことに決めた。


 もっと先を急がなければならない。


 それなので、途中の村で幌馬車と馬車馬二頭を売った。


 幌馬車に積んでいた荷物は、最低限必要なものだけを選んで、各々の馬に積んだ。


 その売った金で、食料を買い足し、足早に村を抜ける。


 そこから三日ほど移動したところで、大きな河が行く手をはばむ。


「困ったわね。どうしましょうか」

 クレアが言った。


「残念ながら、ここを渡れるような船は見当たりません。この川沿いを迂回して橋を見つけねばならないでしょう」

 ビクトルがそう言った。


「そうね。それしかないわね。でも、川上と川下のどちらに行く方がいいかしら」

 クレアが言う。


 この河に来るまで、ずっと人や馬車が通った跡がある道を通ってきた。


 その途中に森の中に、道が二つに分かれていたところがあり、右の道を通ってきた。


 そうであれば、一旦その道が別れていたところまで戻って、今度は左の道に進む方が賢明だろうと、少年は思った。


「じゃあ、あの道が二つに分かれていたところに戻って、今度はもう一つの道の方に進んだ方が早いんじゃないかな」

 そう提案する。


「そうね。その方がいいかもね」

 クレアも少し考えて、少年の提案に賛同する。


「では、そのように。ワタシとヒューゴは、姫と十兵衛さまの前後にきます」

 そうビクトルが言う。


「そうね。そうしてちょうだい。前後の護りは、あなたたちに任せたわ」

 クレアがそう言うと。


「では、行きましょう」

 と、ヒューゴが言った。 


 ビクトルとヒューゴは、前後左右を警戒しながら元来た道を戻る。時折り前後を入れ替えながら、警戒に当たる。


 幸いなことに、この間に敵からの攻撃はなく、河を渡る橋まで辿り着くことができた。


 だが、そのときだ。


 河の中から、複数のスケルトンウォリアーが現れる。


 橋の先の向こう岸にも、複数のスケルトンウォリアーが現れた。


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