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サムライの格好で異世界に来たんだが  作者: 志村けんじ


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暴かれた本性


 そして寝始めてから数時間が立ち、辺りが完全に静まりかえった頃。


 灯りのない暗がりの中で、マヒムがよからぬ動きを見せる。


 マヒムが少年の枕元に置かれたカタナを掴んだ瞬間。


「うぎゃーー! なんだこいつは!? 焼けるように熱い!?」

 と、予想外のことに、思わず叫びを上げてしまう。


 これは、少年が何かをしたわけではなかった。おそらくこれは、カタナ自らの防御反応かなにかなのだろう。


 こんなことは、少年が行きついた村で、最初に村人がカタナに触れたときには、単に抜けないだけで、このような反応はなかった。


 このマヒムの叫び声に、他の部屋で寝ていた三人も、この部屋に飛び込んでくる。


「どうしたの、一体!?」

 クレアが最初に部屋に飛び込んでくると、その後ろから、灯りを持った、ビクトルとヒューゴが入ってくる。


「いえ。なんでもございません。申し訳ございません。お騒がせをしてしまって」

 マヒムは、白々しくそう答える。


「ひどいなぁーー。なにもないわけ、ないじゃないですか」

 少年は、ゆっくりと起き上がってそう言った。


「十兵衛!? なにがあったの!?」

 クレアが聞いた。


「マヒムさん。オレのカタナ。盗ろうとしましたよね? どうしてですか」

 少年は、先ほどあった事実を答える。


「どういうことなの!? カタナを盗ろうとしたって!?」


「オレもカタナのあの反応は予想外でしたけどね。万が一のために、カタナに帯を結んでおいてよかった」

 少年はそう言って、大刀だいとうさやに、着物の帯が結んであるのを見せた。


「ヒヒ。上手くいくかと思ってたのに、こんなにあっさりとバレるなんてな。せっかくリッチ様に良い献上物ができるかと思ったのに」

 マヒムは、薄ら笑いを浮かべて、そう言う。


「あなた。やっぱり、リッチの仲間だったのね!?」

 クレアのマヒムへの疑いは、やはり間違いではなかった。


「仲間ぁーー。あの強大な魔力を持つリッチ様に従わずして、誰に従うというのです。クレア姫。この世は、あの方の支配の下にある方が平穏を保てるぅ。そうは思いませんか、クレア姫」


「思わないわ! そんな世の中は、平穏なんかじゃない! 奴隷の世よ!」

 マヒムの歪んだその考えに、クレアはそう否定する。


「そうですか。ただ黙って、言うことを聞いていれば幸せだというのに……」


 そのマヒムが雄弁と話している途中。マヒムの首元を後ろから、少年の手刀が叩いた。


「まったく、こっちにオレがいることを忘れてません? しっかし、見よう見まねで初めてやってみたけど、こんなんで人って本当に気絶するんだな」


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