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サムライの格好で異世界に来たんだが  作者: 志村けんじ


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騎士道 VS 武士道


 エクセラは、ゆっくりと剣を抜くと、右下に剣を構える。


 少年がしている、カタナ(つか)の高さを右肩の位置する、中段の構えとは対照的だ。


「では、参ろうか」

エクセラは、そう言うやいなや、一瞬のうちに少年に向けて剣を斬りつける。


 少年は、下方から来る剣を、左後方に跳んでかわした。


 そこからエクセラは、怒涛の如く、左右から剣で斬りつけてくる。


 それを少年は、後方に跳んでかわす。


「なんだ、若僧。そうやって逃げるだけか?」


 実は、少年は距離をはかっていた。クレア姫たちにエクセラの剣が届かない距離をだ。


 そしてもう一つ。スケルトンウォリアーの持っていた盾をも斬り裂いたこのカタナだが、エクセラの剣と打ち合ったときに折れる可能性も、まだ否定できない。


 昔の時代劇では、カタナ同士での打ち合いの場面があり、もちろん剣道でも竹刀しないでの打ち合いは日常だが、本来、刀は刃こぼれもするし折れるものなので、カタナ同士をぶつけて打ち合うのはしないものであるという。


 しかし、このままかわし続けていても、らちが明かない。


 少年は意を決めて、カタナをエクセラの剣に合わせた。


「キン!」

 という、硬い金属同士がぶつかる音がする。


 そのときの刃幅の広い剣とぶつかるときの強い振動も伝わってくる。


 カタナを跳ね返されたり、折れるという感じはしない。


 これならばイケる。と少年は思った。


 少年は、そのまま前に踏み込むと、剣道のようにカタナを打ち込んでいく。


 形勢は逆転した。今度は少年がエクセラを追い込んでいく。


 そうしてエクセラの胸元に隙が生まれたとき、少年はカタナの刃先を、エクセラが見せた「リッチのフィラクトリー」あった位置ところに突き立てた。


 だが、その瞬間。エクセラは、黒い霧となって、少年の突き立てたヤイバから逃げた。


「自ら騎士道を教えるとか言っておきながら、そうやって逃げるとは、その騎士道とやらに反するんじゃないんですか?」


「フフッ。口の減らない若僧よ。われのこの魔剣でも折ることもできぬとは、そちのカタナというやつも、ただの剣ではないようだな。では、戦法を変えるとしよう」


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