修行?
「それはそうと……」
お茶をゆっくり飲みながら銀河が言う。
「スズメはどうした?おやつだと言うのに姿が見えぬが……」
「そういや、そうだなー」
「黒糖餡じゃないから拗ねたとか?」
クロの言葉に白波は苦笑いする。
「そんなことでまさか…と言いたいところですが、スズメの場合ありえますから即!否定はできませんね……」
そう言ってくつくつ笑う。
「え、まさかそんな理由でいないの?」
アオがびっくりして声を上げるが……。
「いえ、とりあえず今回は違います」
首を横に振る白波。
「とりあえずって……」
「今回は…か――」
「神様だぞぉ?」
顔を合わせる座敷童たち。
「ふふ……だって神様ですが、スズメですから」
「なに、その妙な説得力……」
ゆったり笑みを浮かべて言う白波に困った顔になる座敷童たち。
「なんか最近妙に白波、貫禄ついてねーか?」
「だよな……」
「貫禄というか、自信のようなものを感じるな……」
こそこそ言い合う座敷童たち。
と――。
「スズメは軽く修行だそうです」
さらりと言われた白波の言葉に座敷童たちは少し混乱する。
「え、修行?」
「て、神様の修行場ってどこだろ?」
「イヤ、待て疑問に思うところはそこではないぞ。軽くとはなんなのだ、軽くとは……」
「あ、そっかそうだな……軽い修行てなんだろ?」
「え、修行って軽くないよなぁ?」
「ワシはそう思うが……」
「でも、スズメだしなぁ……」
「そっか…重いのは無理だよな。重くなったら飛べないからさぁ」
「いや、そう言う問題では無かろう……」
頭を突き合わせ、言い合う座敷童たちに白波は言う。
「他の神様の界を見てくると言ってましたよ」
「他の神様の界だと?」
「へえ!どんなとこなんだろうなぁ……。俺も見てみたいかも……」
「そだな、オレも見てみたいなぁ…てか、行ってみたい!」
口々に言う座敷童たちに白波は困った顔をする。
「あの……神様の界って相性が合わなければ、すぐそばに居てもわからないそうですよ」
「え……」
白波の言葉に、少し愕然とした顔をする座敷童たち。
「でも言われてみれば確かに……。オレ、ここ以外の人界以外の界なんて、存在感じたことないな……」
「ワシもだ」
「てか俺、風のにここの門前まで連れて来てもらってなかったら、ここの存在だってわかんなかったぞ、たぶん……」
アオと銀河の言葉を聞いて、クロがつぶやく。
「教えてもらってなかったら、白波が言ったみたいに、すぐそばに居ても気がつかなかったかも……」
「そういえば、ここも隠れ里であった……」
「オレらは運よく来れたけど、来ることが出来なかったヤツだっているんだっけな……」
「ええ…。スズメが言うには、スズメとの相性もあるそうですよ。スズメと合わなければ、たとえ力の強い座敷童だったとしても、ここにたどり着くことは出来ないそうです」
と白波が言う。
「相性かぁ……」
「同じ座敷童の仲間なら、多少相性が悪くても助けて欲しいと思うけどな……」
「まぁ、スズメが創った界だ。スズメに気に入られなければ、弾かれても仕方あるまいよ」
銀河の意見にそれもそうかと頷くアオとクロ。
「あ……てかさ、スズメ修行に行くとかって他所の神様んとこ行って、いじめられたりしてないかな?」
少し心配そうに言うアオ。
「それは大丈夫だと思います。小さな界を見てくると言ってましたから、スズメをいじめることができるような強大な神様はいらっしゃらないでしょう」
「いや、いじめるって……」
「けど、この前のこともあるからさぁ……」
「あれは別にいじめと言うわけではあるまい。神としてあるための試練――とういうか、テストであったのだろう?」
銀河の言葉に白波は軽く笑う。
「まぁ、そんな感じだったとスズメからは聞きましたが……。とりあえず、今回は小さな界……例えば、僕のルームくらいの大きさの界をいくつかのぞき見して来ると言ってましたよ」
「のぞき見って!」
ふふっと笑う白波。
「面と向かって他の神様に、見学させて欲しいとは言いにくいので、覗きに行くのだと言ってました」
「スズメらしいと言えば、らしいが……なんとも、素直ではないな」
「変なところが、オレたち座敷童と似てんだよな……」
「意地っ張りで、見えはっちゃうとこなー。似てるよな!」
うんうんと頷き合う座敷童たち。
まぁ、そのうち帰って来るので、そうしたらまた皆でお菓子を食べましょうと白波は言った。
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