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あとがき





あとがき


 牡牛座というものと戦記ものというものを研究するために書き、主人公と物語が牡牛座的であるようにとこだわりました。牡牛座を乗りこなすのは、牡牛座を理解し自由を意識するようになった双子座で、牡牛座に征服されるのは大地を忘れて星を見ている射手座です。牡牛座の正体を考えますと、古き神です。文明が破壊と再生を繰り返すのは、古き神の供物にされるためにリビルドされ続けるからだと、書いてて思いました。


 アルデバランという星は数千年前は春分点にありました。そのために最も重き星として丁重に扱われていました。春を告げるその星は、贄を求めることでも有名でした。人間がこの星に仕えることを忘れた今でも、大陸のあちこちに、その習慣が残っています。

 フィデリオの「金色に輝くゴージェット」、これは文明の豊かさのしるしですね。そして太陽の神を模していると。現代の五月は、太陽と牡牛座が近くにあり、アルデバランの観測には向いていません。五月初旬までに夕暮れ時に短時間見えるか見えないか。それ以降は太陽に隠され昼の空にあります。しかしそれがなんだというのか? 太陽がどうした。というのが、フィデリオのゴージェットを掴んで持ち掲げるギュイのシーンです。太陽という文明が光輝きアルデバランという古き神を隠したように見えても、それはそこにいる。ということです。


 物語の可能性が収束し、動かしがたくなったのは、こういうテーマを持ったからだというのが、書いてる者視点の分析です。


 戦記ものの魅力という点では未熟な本作ではございますが、公開に踏み切りましたのはこういう事情によります。


2026年4月25日 作者拝





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