もう同じ国じゃないんだけど
「……行く」
レオンハルトが言った。
「どちらへ?」
「大公家領都」
沈黙。
「……帰ってこれます?」
「行くだけだ!!!!」
なぜか強気。
■到着前
門の外。
「……」
「……」
「……あれ何?」
指差す。
遠く。
なんか高い。
めちゃくちゃ高い。
「高層建築でございます」
「塔じゃなくて?」
「事務所や住居です」
「なんであんな高いの?」
「土地効率です」
「なんか怖い!!!!」
■中に入る
門をくぐる。
音。
うるさい。
人、多い。
全員、動き早い。
「……忙しすぎない?」
「はい」
「なんで?」
「分業と機械化が進んでおりますので」
「なんか怖い!!!!」
■鉄道
ゴォォォォォン……
「うわ何!?」
振り返る。
煙を吐く鉄の塊。
長い。
繋がってる。
「……これ何?」
「蒸気機関車でございます」
「一般的には鉄道といわれています」
「蒸気で動くの!?」
「はい」
「速いの?」
「馬車の数倍から十数倍です」
「なんか怖い!!!!」
■工場
でかい建物。
中。
うるさい。
めちゃくちゃうるさい。
「……これ何?」
「紡績工場でございます」
「工房じゃなくて?」
「機械による大量生産です」
「どれくらい作れるの?」
「王都の数百倍です」
「なんか怖い!!!!」
「その結果、衣料品価格は大幅に低下しております」
「庶民、勝ちすぎ!!!!」
■市場
食べ物、めちゃくちゃある。
「種類多くない?」
「はい」
「なんで?」
「鉄道と保存技術の発展です」
「またお前!!!!」
「さらに農業機械の導入により収穫量が増加」
「新キャラ来た!!!!」
「輸送と生産の両立です」
「いいことだけどなんか怖い!!!!」
■軍区画
「……もう見たくない」
「こちらです」
「聞いてない!!!!」
■機関銃
「……それ何」
「ガトリングガンでございます」
「名前強い」
「手動回転式で連続射撃が可能です」
「どれくらい?」
「毎分百発前後です」
「十分すぎる!!!!」
「集団戦において圧倒的制圧力を持ちます」
「人って何発で死ぬの?」
「一発です」
「プレートメイルも軽く貫通します」
「さらにかすっただけで腕がもげます」
「なんかじゃなくてめちゃくちゃ怖い!!!!」
■大砲(後装式・施条砲)
「……これは分かる」
「施条砲でございます」
「なんか進化してない?」
「はい、後装式です」
「後ろから入れるの!?」
「はい、射程と精度が向上しております」
「嫌な予感しかしない」
「城壁の破壊が可能です」
「やっぱり!!!!」
ドォン。
遠くの石壁、崩れる。
「めちゃくちゃ怖い!!!!」
■戦艦(装甲艦)
港。
鉄の船。
「……でか」
「装甲艦でございます」
「木じゃないの!?」
「鉄で覆われております」
「なんで浮くの!?」
「設計です」
「全部それ!!!!」
しかし。
「主砲は」
一拍。
「陸上砲を上回る口径です」
「なんで強化した!!!!」
「沿岸施設や要塞への攻撃を想定しております」
「怖いを通り越してツラい!!!!」
■完全理解
海を見る。
装甲艦。
街。
人。
「……なあ」
「はい」
「これさ」
一拍。
「同じ国?」
「はい」
「違うだろ!!!!」
■心が折れる
「……なあ」
「はい」
「勝てる?」
一瞬。
「えっ?!」
「えっ!?」
「剣と鎧の騎士が?!」
「無理ですよね!!!!」
その日。
ラーハルトは理解した。
負けではない。
時代が違う。
■おまけ
王太子:
「これ戦争になる?」
案内役:
「戦う必要あります?」
王太子:
「ホントのことを言うのはやめてくれ!!!!」




