この家、誰の家?
王都。
人、減った。
マジで減った。
「……」
ラーハルト、無言。
「……」
取り巻きも無言。
「……なあ」
「はい」
「もうヤバくない?」
「はい」
「即答!!!!」
ついに認識が一致した。
「……でも」
ラーハルト、立ち直る。
「血はある」
「血?」
「王家の血筋だ!」
ドヤ顔。
「それは……確かに」
取り巻きも頷く。
「公爵家は王家の血だ!」
「そうだ!」
「そこは揺るがない!」
一瞬、空気が戻る。
「よし、確認に行くぞ!」
なぜか確認に行く流れになった。
■公爵邸
門をくぐる。
「……」
全員、止まる。
「……なんか」
「はい」
「知らない人多くない?」
使用人。
知らない顔。
めちゃくちゃいる。
そして。
一瞬だけ。
全員が同時に視線を上げる。
空。
何もない。
すぐ戻る。
「……今の見た?」
「何がでしょう」
「いや今……」
もう一度空を見る。
何もない。
「……気のせいか」
(気のせいじゃない)
「前からこんなだっけ?」
「いえ」
「だよな!!!!」
■違和感
進む。
動きが揃っている。
無駄がない。
全員。
一拍のズレもなく。
同じ動き。
同じ角度。
同じ速度。
(気持ち悪い)
(揃いすぎてる)
廊下の端。
古い肖像画。
公爵。
……のはず。
だが。
顔に、妙な光の筋。
上から照らされたような。
「……こんな絵だっけ?」
「経年劣化では?」
「便利な言葉!!!!」
■執務室
扉を開ける。
中。
公爵。
っぽい人。
と。
知らない人たち。
全員。
テキパキ。
速い。
揃っている。
紙のめくり方まで同じ。
「……」
「……」
「……誰?」
沈黙。
「公爵でございます」
「違うだろ!!!!」
■確認
「前の公爵は!?」
「所在不明です」
「軽い!!!!」
「最後に確認されたのは昨夜でございます」
「近い!!!!」
「その際、強い光と音を確認したという証言がございます」
「その後、公爵家の皆様は行方不明でございます」
「やめて!!!!」
(それ絶対ダメなやつだろ)
「家臣は!?」
「全員交代済みです」
「いつ!?」
「気付かれた時点で完了しております」
「怖っ!!!!」
「なお、極めて自然に移行しております」
「自然って何!!!!」
ラーハルト、ゆっくり周りを見る。
全員同じ動き。
同じ表情。
同じ精度。
そして。
また。
一瞬だけ。
全員が同時に空を見た。
ほんの一瞬。
すぐ戻る。
「……これ」
「はい」
「なんか人にみえないんだが・・・」
一拍。
「人でございます」
「なんか怖い!!!!」
■崩れ始める理解
「……なあ」
「はい」
「これ誰の家?」
一拍。
「統治機構でございます」
「家の概念消えた!!!!」
■帰り道
全員無言。
「……」
「……」
「……なあ」
「はい」
「これどうなってるの?」
一瞬。
「わかりません」
「……」
(誰も分かってないのが一番怖い)
その日。
血統は消えた。
戦うこともなく。
抵抗もなく。
気付いたら入れ替わっていた。
理由は分からない。
誰も知らない。
ただ一つ確かなことは。
もう元には戻らない。
■おまけ
王太子:
「公爵家の人間、総入れ替えって大事件じゃないの?!」
側近:
「そーですね」
王太子:
「軽すぎる!?ほんとに大丈夫??!!」




