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婚約破棄→国家消滅(原因:俺)  作者: はるかに及ばない


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5/10

この家、誰の家?

王都。


 人、減った。

 マジで減った。


「……」


 ラーハルト、無言。


「……」


 取り巻きも無言。


「……なあ」


「はい」


「もうヤバくない?」


「はい」


「即答!!!!」


 ついに認識が一致した。


「……でも」


 ラーハルト、立ち直る。


「血はある」


「血?」


「王家の血筋だ!」


 ドヤ顔。


「それは……確かに」


 取り巻きも頷く。


「公爵家は王家の血だ!」


「そうだ!」


「そこは揺るがない!」


 一瞬、空気が戻る。


「よし、確認に行くぞ!」


 なぜか確認に行く流れになった。


■公爵邸


 門をくぐる。


「……」


 全員、止まる。


「……なんか」


「はい」


「知らない人多くない?」


 使用人。

 知らない顔。

 めちゃくちゃいる。

 そして。

 一瞬だけ。


 全員が同時に視線を上げる。

 空。

 何もない。


 すぐ戻る。


「……今の見た?」


「何がでしょう」


「いや今……」


 もう一度空を見る。

 何もない。


「……気のせいか」


(気のせいじゃない)


「前からこんなだっけ?」


「いえ」


「だよな!!!!」


■違和感


 進む。

 動きが揃っている。

 無駄がない。


 全員。

 一拍のズレもなく。


 同じ動き。

 同じ角度。

 同じ速度。


(気持ち悪い)

(揃いすぎてる)



 廊下の端。

 古い肖像画。

 公爵。

 ……のはず。


 だが。

 顔に、妙な光の筋。

 上から照らされたような。


「……こんな絵だっけ?」


「経年劣化では?」


「便利な言葉!!!!」


■執務室


 扉を開ける。

 中。

 公爵。

 っぽい人。


 と。

 知らない人たち。

 全員。


 テキパキ。

 速い。

 揃っている。

 紙のめくり方まで同じ。


「……」


「……」


「……誰?」


 沈黙。


「公爵でございます」


「違うだろ!!!!」


■確認


「前の公爵は!?」


「所在不明です」


「軽い!!!!」


「最後に確認されたのは昨夜でございます」


「近い!!!!」


「その際、強い光と音を確認したという証言がございます」


「その後、公爵家の皆様は行方不明でございます」


「やめて!!!!」


(それ絶対ダメなやつだろ)




「家臣は!?」


「全員交代済みです」


「いつ!?」


「気付かれた時点で完了しております」


「怖っ!!!!」


「なお、極めて自然に移行しております」


「自然って何!!!!」




 ラーハルト、ゆっくり周りを見る。

 全員同じ動き。

 同じ表情。

 同じ精度。


 そして。

 また。

 一瞬だけ。

 全員が同時に空を見た。


 ほんの一瞬。

 すぐ戻る。


「……これ」


「はい」


「なんか人にみえないんだが・・・」


 一拍。


「人でございます」


「なんか怖い!!!!」




■崩れ始める理解


「……なあ」


「はい」


「これ誰の家?」


 一拍。


「統治機構でございます」


「家の概念消えた!!!!」


■帰り道


 全員無言。


「……」


「……」


「……なあ」


「はい」


「これどうなってるの?」


 一瞬。


「わかりません」


「……」


(誰も分かってないのが一番怖い)




 その日。

 血統は消えた。

 戦うこともなく。

 抵抗もなく。

 気付いたら入れ替わっていた。


 理由は分からない。

 誰も知らない。


 ただ一つ確かなことは。

 もう元には戻らない。

■おまけ


王太子:

「公爵家の人間、総入れ替えって大事件じゃないの?!」


側近:

「そーですね」


王太子:

「軽すぎる!?ほんとに大丈夫??!!」

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