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『関わらないのが一番』と決めた奴ほど、二秒後には路地裏でトラブルに首を突っ込んでいる

こんにちは。

毛色の変わったファンタジー書きたくて書いてます。



ジノの脚力は常軌を逸している。

一晩走って、朝には国境の町まで辿り着いていた。


国境だけあって、多くの行商人が行き交い、通行税さえ払えば、誰でも基本は隣国へ通過ができる。


「えっ、審査に時間がかかる?」


「今、帝国側が王国側からの入国を制限し始めてんだ」


これは、帝国側の国家情勢があまり良くないのかもしれない。


「これは難儀だなぁ……」


税関の列に並んでいた行商人は、そう言いつつ、引き上げていった。


思わぬ足留めを喰らい、ジノは途方に暮れた。


(無理矢理、突破することも可能だが)


国境には警備隊が配置されている。


彼らの目を()(くぐ)って、帝国に侵入するのは容易ではない。


(それこそ、お尋ね者になるだけだしなぁ)


仕方なく、ジノは町で時間を潰すことにした。

普段田舎暮らしのジノからすれば、町っていうだけで、ちょっとした都会に見える。


「……は、離せ!」


通りすがった路地の脇道で、一人の子供が男と揉めている。


「お前が盗ったんだろ?」


「それは私の物だ! 返せ!!」


関わるのは面倒だ……。

ジノはそのまま通り過ぎようとした。


「返さぬかっ!」


道行く人々は、見て見ぬふりをしている。


子供は背伸びをして、男に取り上げられている何かを取り戻そうとしていた。


「邪魔だ」


男に突き飛ばされ、子供は尻餅をつく。


「……」


その様子を見て、ジノは流石に黙っていられなくなり、男と子供の間に割って入った。


「おい」


「……何だ? 兄ちゃん」


眉毛のない男が、ジノを睨みつける。


「それを返してやれ」


男が握っているのは、どう見ても女物の髪飾りだ。


「こんな高級そうな物が、こんな小汚い子供のモンな訳ねーだろ」


「その言い方だと、それがお前の物って訳でもなさそうだな」


そう言うなり、ジノは素早く男の手から、髪飾りを奪うと、子供に手渡した。


「……ほらよ。ちゃんとしまっとけ」


フードを深く被った子供は、それを受け取ると、大事そうに握りしめた。


「兄ちゃんよぉ……」


いつの間に奪われたのか、一瞬呆気に取られていた男が、ジノに詰め寄る。


「危ない!」


背後から襲ってきた男に、ジノは裏拳を叩き込んだ。

男はそのまま後ろに倒れて動かなくなった。


人々が注目し始めたので、慌ててその場を後にする。


「……ずらかるぞ」


子供の手を引いて、路地裏まで逃げた。


「感謝する」


フードを脱いだ子供の髪は、(まばゆ)い金髪の巻毛。

こちらをすっと見上げた双眸(そうぼう)は紫。

──そして長い尖った耳をしていた。


「エルフ族……?」


如何(いか)にも」


「どうして、エルフ族がこんな町に……?」


「昔の知人を探しておる」


エルフが握りしめている銀の髪飾り。それが知人の持ち物なのだろうか?


「レオノーラという人物なのだが」


「……」


思いも寄らぬ形で、その名を聞くとは思わなかった。


「帝国出身で、髪は金髪、琥珀色の瞳。剣の腕なら誰にも負けん」


「……勇者」


「そうそう、勇者などと呼ばれておったな」


「お主、レオノーラを知っておるのか?」


「そいつは俺の母親だ。……とっくに死んだよ」


「……そうか。私は其方(そなた)の母の友で、イリアスという」


目の前のエルフは母の昔の仲間だった。

幼い子供の姿をしているが、実は結構な年齢らしい。


「俺の言ってること、信じるのか?」


「事実であろう? 私を助けた其方(そなた)が、嘘をついているとは思わん」


「それに」


「おそらく、お主はこれに引き寄せられたのだ」


イリアスは掌の上の、銀の髪飾りを見つめる。


「どうして母さんを探してたんだ?」


「……良くぞ聞いてくれた。私の故郷がちと、大変なことになってな」

読んでいただきありがとうございます。


てかここまで読む人おるんかなー…w

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