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味のしない高級料理より、タダで聞ける他人の秘密の方がよっぽどいいスパイスらしい

ダイニングルームの席に着いたのは、14人だった。


「簡単に皆様を、私からご紹介させて頂きます」


執事が順に紹介していくが、ジノは全く興味がない。

そうしているうちに、料理が運ばれてきた。

前菜のサラダからスープ……完全にコース料理だ。


(チッ、面倒くせぇ〜)


マナーが分からないので、この時点で面倒になった。

隣のルミナが目配せして、自分の真似をしろと言う。会話する余裕がないのか、皆も黙々と食事をした。


どうにかメインディッシュ、デザートまで食べた。

量も少なく、味もよく分からなかった。


(食べた気がしない……)


食後のお茶が運ばれてきて、向かいに座った男が話しかけてきた。


撫で付けた焦茶の髪、どこか神経質そうな風貌だ。


「こんなゲーム、する必要があると思うかい?」


「……」


「そもそも魔導士の試験なのに、魔法禁止ってどういうことなんだろうね?」


(俺の知ったことじゃねーよ……)


「君はコミュニケーションを取る気がないのか……」


すると、隣の若い金髪の女が耳打ちした。


「放っておきなさいよ、ダグラス」


「でもイリス……」


「敵かもしれないんだから」


ダグラスと呼ばれた男は黙り込んだ。


そのやりとりを見て、少なくとも向かいの二人が顔見知りなのは分かった。


(ルミナが仲間なのは分かるが、他は警戒するに越したことはない)


食事が済むと、執事がアナウンスした。


「当屋敷内の、遊戯室、図書室、談話室等はご自由に使って頂いて構いません」


「消灯は0時です。0時迄に各お部屋にお戻り下さい。それまではご自由にお過ごし下さい」


「ジノ様、この後どうなさいますか?」


(唯一、最初から味方だと分かっているルミナだが、ずっと二人だけでいるのは得策ではないかもな……)


「少し情報を集めるか……」


「……はい」


「さっき俺に話しかけてきた男」


「あぁ、ダグラスさんでしたっけ?」


「あいつは多分村人」


「どうして分かるんです?」


「あいつはこのゲーム自体に不満を言い、かつ魔法禁止ってことに触れてたから」


ルミナはジノの説明でも、まだ納得がいかない。


「このゲームで、魔導士なのに魔法を使えないって不便に思うのは、多分襲われる側だよ」


「あっ!」


「……断定は出来ないが、あくまで要素としてだな」


「ちょっと!」


リネットが腰に手を当てて仁王立ちしていた。


「その話、詳しく聞かせなさいよ」


「詳しくも何も、あのダグラスだっけ? あいつが村っぽいっていう話だろ?」


「他には?」


ジノはリネットの目を見て、何かを察する。


「ダグラスの隣にいた女、あいつも断定で村で置いていい」


「イリスさんですね?」


ルミナが名前を言う。


「ただ、ダグラスって奴より要素はそこまでない。これからってことだな」


「ふぅん?」


リネットは何やらメモを取っている。

ジノはそれを横目で見てから言った。


「とりあえず、人の集まりそうなところに行くぞ」


談話室へ行くと、4人がソファーに向かい合って座っていた。


ソファーはテーブルを囲うように4台設置されている。


「……てな訳でここに辿り着いたんだ」


正面、奥のソファーに座って会話していた男がこちらに気が付いた。


「君達も、良かったらちょっと話をしないか?」


肩まで伸ばした緩やかに波打つ、ダークブロンドの髪をした人懐こそうな男。


「特にジノ君だっけ? 君と話したい」


「……いいだろう」


ジノは空いているソファーの真ん中にどかっと腰を下ろした。慌ててルミナもその隣に座る。


リネットは少し迷って、ジノの隣に座った。


「僕の名前はフェリクス。彼女はティア」


大きな丸眼鏡を掛けた赤茶色のボブの小柄な女性が、オドオドしつつ頭を下げた。


「ミレイユよ、よろしく」


「ロルフだ……」


ミルクティー色の長い髪の細目の女性と、短く切り揃えた茶色い髪の体格の良い無愛想な男性。


「私はルミナです。よろしくお願いします」


「リネットよ」


その場の全員の自己紹介が済んだところで、フェリクスがいきなり切り出した。


「まずはジノ君、君の目がどうして赤いのか説明して欲しいな……」

読んでいただきありがとうございます。

更新時間がまちまちで申し訳ないです。

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