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嘘を吐く奴を見つけるゲームで一人だけ存在自体が嘘みたいな奴が混ざると話がややこしくなる

洋館の入り口に到着すると、ジノは(あご)でリネットにドアを開けろと指示をした。


ステンドグラスの()め込まれた、重厚な作りの木製の両開きのドア──リネットは見上げる。


「人使い荒くない?」


言われた通り、真鍮(しんちゅう)製のドアノブを引くと、すんなり開いた。


広いエントランスホールに人がいた。

パッと見、軽く十人以上はいるだろう。


その全員の視点がこちらへ向いた。


「新しい参加者か」


「少年と、少女二人か……」


屋敷の執事と見受けられる老人がこちらへ向かって歩いて来た。


「ジノ様とリネット様、そしてルミナ様ですね?」


「ここまでお疲れ様でした」


老人は丁寧にお辞儀をする。


「この屋敷では、皆様を数日もてなすように準備が出来ております」


「数日……?」


「ここは湖の孤島」


「迎えの船が来るまでです。楽しいゲームを用意してあります」


「どうせ強制参加だろ……」


執事は柔らかな微笑みを浮かべた。


「参加はご自由です。ただ不参加ですと、直ちにこちらを飲んで頂きます」


執事が合図をすると、メイドがワイングラスの乗った盆を持って現れた。


(こんなの、明らかに毒だろうな)


「どうされますか?」


「ゲームに参加する」


ジノは間髪入れずに答えた。


「わ、私も!」


リネットも続いた。


「ルミナ様はジノ様のゲスト扱いになります」


「つまり俺の仲間ってことか?」


「左様でございます」


執事が懐から鍵を取り出し、三人に配る。


「お部屋の鍵です」


「各部屋の机の上に、ボックスがありますので、中に入っているカードを確認し、着替えを済ませてここにお戻り下さい」


「詳しくはお部屋にマニュアルが置いてありますので、そちらをご参照下さい」


ジノ達はとりあえず自分の鍵の番号を確認した。


「俺は209」


「私は210ですね。ジノ様の隣の部屋でしょうか?」


「私は208だわ」


「全員部屋は2階だな」


ジノ達は部屋番号が刻印された鍵を持って、階段を上る。


「これってやっぱり、試験の続きですよね……?」


「そうでしかないな」


階下の参加客はこちらを見て何かを話している。


──全員パーティに参加するような格好をしていた。


(面白くなってきたじゃねぇか……)


「リネット、ここから先、もうフォローはしてやれないかもしれないから、心して参加しろよ」


「そんなの承知の上よ」


自分の番号が貼られたドアの前で立ち止まる。


「それじゃ、後でな」


ジノは自分の部屋に入り、部屋の中を確認した。

セミシングルサイズのベッド、クローゼットと机。

そして、トイレとシャワーもあった。


机の上に凝った装飾の木箱があり、中を開けると一枚のカードが……。


カードを取り出し裏を返すと『村人』と記載されていた。


そして、自分の役を誰にも事前に教えるなと書いてあった。


横にあったマニュアルを読むと、どうやらこの屋敷にいる参加者で人狼ゲームをするらしい。


(村人って、俺が一番望む役じゃねぇか……)


クローゼットを開くと、礼装が一式入っていた。

黒のジャケットとスラックス、そして赤い宝石のブローチの付いた黒のリボンタイ。


「ふぅん?」


ジノは浴室に向かい、とりあえずシャワーを浴びた。


(島に上陸して、さっさと来るべきだったかな?)


礼装に着替え、カードを胸ポケットにしまった。

ネクタイはあえてせず、襟元のボタンは少し開けた。


マニュアルによると、ゲームの勝利陣営以外はその時点で試験から脱落すると明記してあった。


「要は勝てばいい。シンプルだ」


準備が済んだので、エントランスホールへ戻った。

参加者達はジノの顔を見て、皆驚きを隠せない。


「赤い目だ……」


「魔物なのか?」


感嘆と畏怖(いふ)が混じり合う中で、堂々としていた。


(ここで舐められたらまずい)


「お待たせしました」


振り返ると、それぞれミディ丈のカクテルドレスを身に纏ったルミナとリネットの姿があった。


リネットは黒、ルミナは淡い水色。

それぞれの瞳の色とリンクしていた。


(だから俺のタイの宝石は赤だったんだな)


二人が来たところで、執事が合図を出した。

エントランスホールの奥のドアが開かれた。


「皆様、ご夕食の準備が整いましたので、このままダイニングルームへお進み下さい」

読んでいただきありがとうございます。

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