表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/57

『運命で結ばれてる』とか言う女の突進を躱すとだいたい後ろの男が死ぬ

「みなさーーーーん、真っ直ぐ列から外れないでねーーーーー!!」


車両を降りたジノ達に聞こえたのは、誰かが乗客を誘導している声だった。


何処(どこ)かで聞いたような声にジノは背筋がゾッとする。


遠目に声の主をチラッと確認するが、ゴツイ上半身に金髪のツインテールはどう見ても──。


「あらー、ひょっとしてルミルミじゃない?」


「リリィさん!」


(チッ、見つかった……)


「てか、どうしてお前がここにいるんだよ?」


「そ、その声はジノたん!!」


リリィはジノの姿を見つけると、両腕をくねらせながら走り、突っ込んで来た。


「ジノたぁーーーーん!!」


それを華麗に()わすと、リリィはジノの背後にいたルカに突進する形になった。


リリィに押し倒されたルカは動けない。

ルミナは口をぽかんと開けて固まった。


「やだわぁ、ジノたんたら…」


「お、重い」


「あら、ここにもイケメン!!」


「うわああああああーーーー!」


ルカの悲鳴は、(しばら)く続いた。


ジノは見てはいけないものから、目を(そむ)けた。

双子達もあまりの突然の事態に固まっている。


「プッ、面白いもん見た」


ジークは腹を抱えて笑い出した。


「塔主様、不謹慎ですよ……」


隣にいたリネットが(たしな)める。


「どうして、リリィがここにいるんだ?」


ジノが不思議そうに尋ねた。

ルカに覆い被さったまま、首だけこちらに向けたリリィが答えた。


「首都のギルドに行くのよ。そう、ジノたんのことでよ!」


「まさかギルドカードの件?」


「そうよ! マスターがギルドカードの仕組みは、魔導の塔の塔主が詳しいから、直接聞いてこいって……」


その場の全員が、ジークに視線を移す。


「うん?」


ルディがジークを指差した。


「魔導の塔の塔主ならそこに……」


リリィはジークを見つめた。


「キュピーーーーン!!」


リリィの目に映ったのは、灰金髪(アッシュブロンド)の銀縁丸眼鏡の男。


ジークは危機を本能で察した。


「……魔導の塔で待ってる」


そう言い残すと、リリィの渾身の突進の前に姿を消した。


「んもーーーぅ、あのイケメンメガネ君、何処(どこ)に行っちゃったの!?」


キョロキョロして辺りを見回す。


小さなコウモリが、ジノの肩に止まった。


「ジーク様が、ジノ様といろって」


「アイツ、自分だけ逃げやがったな……」


茫然自失のルカを放置し、ジノはリリィを他の皆に軽く紹介した。


「冒険者ギルドのリリィよ。みんなよろしくね!」


「それにしても、首都に行こうとした列車で、ジノたんと再会出来るなんて……」


「やっぱり私達、運命で結ばれてるんじゃない?」


「それは違うと思います」


笑顔で強く否定したのはルミナだった。


「あら、ルミルミちゃんたら。言うようになったわね!」


「リリィさんには負けません」


「そういうことなら、私はジノに負けたくないわ」


リネットまで参戦し、見えない火花が散る。


(一体何の勝負をしてんだろう? こいつらは)


よく分からず、首を(かし)げるジノ。


一方双子は、まだ放心して動かない兄を眺めていた。

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ