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予知夢は信じる奴には吉報だが、逃げてる奴にはただのストーカー予告である

姫一行がジノに迫って来ました。

果たしてジノは逃げ切れるのでしょうか?

村の広場には既に人だかりが出来ていた。

小さな村なので、ほぼ全員が顔見知りに近い。


「皆様、本日はお集まり頂き、誠にありがとうございます」


聖剣を携えて、一人の少女が声を張り上げる。

白皙(はくせき)の肌に、腰まで伸びた真っ直ぐな白金(プラチナブロンド)の髪。

吸い込まれそうな淡い水色の瞳。


「私はルミナ・セレスティア・オブ・ルミナス。この国の第一王女です。どうぞお見知りおきを」


(はかな)げな美貌の王女は、丁寧に頭を下げた。


「只今より、皆様方にこの聖剣を抜けるかどうか、試して頂きます」


赤毛の騎士の一人が前に出て、王女から聖剣を受け取ると、皆の前で高く掲げた。


「それでは列の先頭の方から……」


もう一人の赤毛の騎士の誘導で、村人は次々と聖剣を抜けるか試していく。


子供から年寄りまで……年齢性別問わず、聖剣に手をかけてみるが、びくともしなかった。


「全員ダメですね」


赤毛の騎士の弟の方が、王女に聖剣を返した。


「この村にも勇者様はいないようです」


王女ルミナは唇を噛み締めつつ、首を傾げた。


「本当にこれで全員でしょうか?」


「と、言いますと?」


「実は昨夜の夢で見たのです。聖剣が……自らこちらの方角へ飛んでいくのを……」


はぁ、と聖騎士は心の中で溜め息をつく。

その途端、鋭い姉の命令が飛んだ。


「おい、ルゥ。村人全員が来てるのか確かめて来い」


赤毛の聖騎士ルゥは、仕方なく残っている村人に聞き込みをした。


「そういえば、ジノが来てないな……」


「粉屋の配達の子だろ? あの陰気臭い」


村人の話によると、ジノという青年だけ不参加なのが分かった。


「一人だけなら、訪ねたら早いな」


姉は、一刻も早くこの村を去りたいようで、


「そいつを試して、ダメなら次の町だ」


「ルディ、そんなに焦らなくても……」


王女がそう言っても、ルディの態度は一貫していた。


「姫様、ここは宿すらありません。御身(おんみ)の安全の為にも、早く町へ移るべきかと」


ルディの言葉に一理はあるものの、王女ルミナには、どうしてもこの村に何かあるとしか思えない。


「まずは、不参加の方をこちらから訪ねましょう」


王女一行は、ジノという青年の住まいをその足で訪ねた。


村外れの簡素な小屋に、人の気配はない。

もう夕刻をとうに過ぎているのに──。


「留守のようです」


「ったく、姫様の手を何度も(わずら)わすとは不届きな……」


毒づくルディに、まぁまぁと姫が(なだ)める。

ルゥは何となく小屋の周りを見渡す。


整然と積まれた薪、手入れの行き届いた小さな畑を見る限り、住民は質素に生活しているのが(うかが)える。


「仕方ありません。夜分にもう一度訪ねましょう」


一行は村長宅へ引き上げたのだが……。


「えっ、風呂がない?」


「村民は皆、普段は公衆の浴場へ行くんですが、あいにく釜が壊れてしまって……」


双子は顔を見合わせた。流石に王女に行水させるのは気が引ける。


「……実は、森の奥に温泉があるのです。ただ、森はモンスターがよく湧くので、村民は殆ど行きません」


「つまり、モンスターを退治すれば問題ないのだな?」


「はい」


低級のモンスターくらい、ルディ達の手に掛かればどうってことはない。


「姫様、温泉へ参りましょう」

読んでいただきありがとうございます。

僕も温泉行きたいです。

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