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街角異変調査屋 ー2号店ー  作者: 竹の花
第一部.「1章」
10/16

玉結び

蚕は人間が生み出したそうで。

風に吹き飛ばないように必死にしがみつくも、

敵わないほど弱いそうで。

こんにちは。麻績です。

…って、誰に言ってんだ私は。


今さっき街角異変調査屋を出たけれど、もう今すぐに家に帰る!今日はなんとしても早く帰らなければ!

なぜなら…!行き付けのカフェのメニューの新作が出るからだ!

ふんふふーん、こんなに足取りが軽やかなのはこのまえ推しのバンドのライブにいったときである。

鎖くんの調子わぁ〜、うむ。こっちも気分良さそうである。良かった良かった。


ちょっと雨が降ってるけれども気にしない。

ダッシュして早く電車に乗ろう。

って、ええ〜!めっちゃ混んでる!!

ここらへん田舎だからあんまり人が降りたりしないはずだけど…。

もしかして、ここら辺のカフェでも新作が発売されたとか?ここら辺にカフェなんてあったけ?

まぁいいや、あとで調べておこうっと。


さて、なんとか駅のホームについた。一番線は…、あと2分ぐらいで着くようだ。なんとか間に合って良かった〜。


む、メールがきてる。金崎さんから?

『こんにちは。街角異変調査の人数が3人になり、異変の割り当てが変わったようなので報告しときます。』


そういえば、私は埼玉の異変の担当だったっけ。


『千葉の異変は私が。埼玉の異変は麻績さんと鈴木君が担当です。』


お、後輩ちゃんと共同仕事ですか。


『鈴木君に連絡を忘れていたので、麻績さんから連絡をお願いします。』


はーい。


『異変の現象期にはいる前の最後の依頼かと思われます。お互い頑張りましょう。では。』


異変がなくなれば楽…、と言いたいところだが、それを見越して事務の仕事を増やされるので、実はあんまり変わらない。

めんどくさいなぁ。動いている方が好みなんだけど。

ピンポーン

あ、電車が来た。まぁ、そんなことは忘れて、今日はケーキを楽しもうっと。


「ん、そろそろかな」


電車では寝る派だから、こういう勘は鍛えられて…


「あ、」


二駅、寝過ごした。


「麻績さん、遅かったね。」

「すみませんー」


あー、やらかしたよ。


「まだ残ってますか?」

「新作ね。残しといたよ。麻績さんには世話になってるから。みんなには内緒ね。」

「ありがとうございますー!」


カフェのマスター、まじ神。


「コーヒーはいつものでいいかい?」


頷く。いつもブラックにしている。


「じゃ、ちょっと待ってね。」


この店は駅近だが、路地にあるので、さほど人は来ていない。以前マスターに聞いたのだが、マスターいわく、「あんまり多いと疲れるから、このぐらいでいいよ。」らしい。


まぁ、マスターがいいなら別に。


そうだ、後輩ちゃんにメールしとかないと。


「私と鈴木君は同じ現場に行きますよ…っと」


事務所の感じは好みでないけど、素直な子が後輩になったのは嬉しく思ってる。だから、鈴木君と仕事に行けるのは楽しみ。


『了解しました!現場まではどうやって向かうのですか?』


私も鈴木君も車を使えないので、池田さんに送ってもらうかな、と伝えた。


「はい、ケーキできたよ!新作ね。紫陽花をモチーフにしてるよ。」

「おー、すごーい!」


綺麗だー!


「このケーキはね、花の部分が飴とチョコで表現されててね…」


マスターの説明を聞きながら一口食べてみる。

メロンの爽やかな甘さが口に広がった。


「おいしい!」

「でしょう?その生地はね…」


あまりケーキの知識はないのでマスターの話は軽く聞いている。マスターにはいつも申し訳ないなぁと思いつつ、でも嬉しそうだからまぁいいかなぁ。


「ごちそうさまでした!」

「美味しかったかな?」

「はい!」

「良かった。いつもありがとうね。」


マスターは皿をとると、裏に戻っていった。

コーヒーは飲みかけだ。


「今日もしばらくゆっくりしていくのかい?」

「そうする予定ですー」

「じゃ、飲み終わったら片付けるからね。」


マスターのケーキは好きだけど、こののんびりする時間もまた好きなんだよね〜。

あ、でももう時間があれだなぁ。30分ぐらいしたら帰るかぁ。


ーーー


「マスター!ごちそうさまでした!」

「はーい。お金はいつものとこに置いといてね。」


今日のメニューの合計は…。849円か。


「マスター!…コーヒー値上がりました?」


マスターは背を向けたまま小さく頷く。無理もない。

最近の物価の上昇は凄まじいから。


「また来ますね」

「…ありがとう。」


水が顔にかかった。

いつもはマスターの顔をみて帰るんだけど。

今日はお互いに、合わせる気分じゃなかった。

ふと横を見ると、ちょうど雨が当たらない位置にある紫陽花が、潤いを求めて葉を伸ばしていた。

僕はこういう創作作品は、明るい気持ちでみたいんですよ。だから必然的に、アニメも絵も曲も、明るいものを好んでみるようにしてるんです。

でも、僕自身が生み出す物語も曲も文字も、明るさは程遠く暗いものができる。なんでなんだろう。

そんなふうに思いながら作っています。


登場人物の名前の由来(忘れてた☆)

・神崎倫太

 由来は特にない。しかし、何か変で不思議な格上の存

 在を作ろうと意識して名前を考えたらこうなった。

・丘森恵

 頼りがいのあるお姉さんキャラを作ろうとし、最初に

 「岡田恵」と考えた。が、凄くそこら辺にいそうな平

 凡な名前だったので、捻りを効かせて考えたらこうな

 った。

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