第29話 世界中から救難装備が届いたので、一個部隊にまとめます
敵軍装備だけで済んでいたのに、世界中の軍用装備を正式に借りられる人にならないでくださいいいいいいいいい!
軍用AIの絶叫から。
十二時間後。
第一特別救難補給隊基地。
旧第六補給基地。
正門前。
大型輸送車。
百八十七両。
装甲救急車。
六十二両。
工兵車。
九十四両。
移動発電車。
三十八両。
浄水車。
二十一両。
無人作業車。
二百機以上。
上空。
大型輸送機。
待機十二機。
輸送ヘリ。
二十七機。
港。
救難艦。
九隻。
揚陸艦。
四隻。
補給艦。
六隻。
そして。
基地司令部の受付前。
各国軍の連絡将校。
百三十二名。
軍用AIは。
基地全体の監視映像を見ながら。
静かに言った。
入りません。
軍病院の病床で。
相良湊が答える。
何が。
全部です。
第一特別救難補給隊。
常設人員四十八名。
一時派遣。
陸海空合わせて現在六百二十名。
そこへ。
四十三か国から。
人員。
装備。
航空機。
艦艇。
物資。
連絡将校。
全部が来ています。
基地の駐車区画。
百六十パーセント。
飛行場駐機区画。
二百二十パーセント。
港湾係留能力。
百九十パーセント。
倉庫。
三百四十パーセント。
湊が言う。
広げれば。
軍用AIの表示灯が赤くなる。
基地は伸びません。
隣の土地は。
農地です。
買いません。
近くの旧倉庫群。
現在。
国防省へ使用申請中。
湊が少し笑う。
やる気あるな。
あなたが世界中から装備を集めたので。
私が整理するしかないのです!
軍用AIは。
世界中から届いた装備提供申請を画面へ並べた。
大型輸送機。
百四十二機。
中型輸送機。
二百十七機。
救難ヘリ。
三百八十四機。
大型救難艦。
五十九隻。
輸送艦。
四十七隻。
揚陸艦。
二十一隻。
工兵車両。
二千百八十八両。
無人機。
六千機以上。
医療設備。
浄水設備。
野戦病院。
発電装置。
架橋車。
水陸両用車。
雪上車。
砂漠用車両。
極地輸送車。
深海救難艇。
山岳救助機。
ありとあらゆる装備。
湊が見て。
一言。
すごいな。
軍用AIが答える。
他人事みたいに言わないでください。
神代玲華が病室へ入る。
空軍側から。
装備受け入れ案を作りました。
世界各国の航空機を。
この基地へ全部集める必要はありません。
白波凪沙も続く。
海軍側も同じです。
各国の港へ待機。
必要な海域へ直接出動。
久遠沙耶も地図を広げる。
地上装備も。
地域ごとに分散保管。
災害時。
最寄りの装備を第一特別救難補給隊が統合指揮する。
湊が頷く。
そのほうが早い。
軍用AIも。
少しだけ安心した。
つまり。
世界中の装備を。
第一特別救難補給隊基地へ集めるのではなく。
世界各地へ置いたまま。
必要なときだけ借りる。
はい。
軍用AIの表示灯が青くなる。
それなら。
基地が壊れません。
湊が続ける。
世界中が倉庫みたいになるな。
軍用AIの表示灯が。
赤へ戻った。
言い方!
◇
新しい仕組み。
国際共同救難装備網。
各国が。
自国の装備を。
自国基地で維持。
救難要請発生時。
第一特別救難補給隊。
あるいは地域共同救難司令部が。
最寄りの装備を選択。
国境。
所属軍。
機種。
規格。
すべてを超えて。
必要な物だけを組み合わせる。
黒崎宗一郎海将が。
大型画面越しに言う。
問題は指揮系統だ。
四十三か国。
それぞれ命令体系が違う。
相良一人へ全部集めれば。
確実に倒れる。
軍用AIが強く同意する。
倒れます。
すでに入院しています。
湊が言う。
地域ごとに隊長を置けば。
それでいい。
東部。
西部。
南部。
北部。
海洋。
極地。
空輸。
医療。
軍用AIが組織案を作る。
地域救難司令部。
八。
専門救難群。
十二。
第一特別救難補給隊は。
全体調整と。
大規模事案のみ担当。
神代が少し笑う。
相良特務少佐の仕事。
減りましたね。
軍用AIが答える。
減らします。
絶対に。
白波が湊を見る。
ですが。
大規模事案なら。
結局。
相良特務少佐へ来ます。
軍用AI。
そこを言わないでください。
久遠が続ける。
今のところ。
世界規模で運用するほどの災害は。
発生していません。
軍用AIが答える。
そのままでいてください。
お願いですから。
直後。
病室端末。
緊急警報。
軍用AIが止まる。
三人の将官も。
画面を見る。
湊が尋ねる。
どうした。
軍用AIは。
数秒。
答えなかった。
神代。
まさか。
軍用AI。
救難信号です。
白波。
規模は。
軍用AI。
大規模。
久遠。
場所。
軍用AIは。
ものすごく嫌そうに。
世界地図の一角を拡大した。
◇
南洋。
中立国。
レイアス共和国。
人口。
四百二十万人。
その南東。
カルデラ諸島。
島嶼人口。
十一万八千人。
午前十一時十二分。
海底火山。
大規模噴火。
主島中央部。
火山灰。
火砕流。
地震。
津波。
同時発生。
主要港。
津波で使用不能。
国際空港。
火山灰で滑走路閉鎖。
島内道路。
六割寸断。
発電。
停止。
浄水設備。
停止。
沿岸部。
複数地区浸水。
さらに。
海底火山活動は継続。
第二噴火。
予測。
十八時間以内。
最悪の場合。
主島南部全域へ火砕流。
避難必要人数。
九万四千名。
残り二万四千名は。
北部高地へ避難可能。
九万四千人を。
十八時間以内に。
島から出す必要がある。
軍用AIが続ける。
レイアス共和国政府。
国際共同救難装備網へ。
初の正式大規模要請。
使用可能な全支援を希望。
病室が。
静かになった。
湊が聞く。
近くの装備。
軍用AIが。
世界各国の配置図を開く。
半径千五百キロ以内。
大型輸送機。
六十三機。
中型輸送機。
百二十機。
救難ヘリ。
二百四十一機。
大型輸送艦。
十七隻。
揚陸艦。
十一隻。
高速フェリー。
八隻。
民間大型旅客船。
支援参加希望。
十四隻。
工兵車。
三百両以上。
水陸両用車。
二百両。
大型ホバークラフト。
三十二隻。
無人輸送艇。
百八十。
湊の目が少し輝く。
軍用AIが叫ぶ。
輝かないでください!
九万人が待ってる。
分かっています!
今回は。
本当に。
全部必要かもしれません!
湊が言う。
じゃあ全部使う。
軍用AI。
全部という言葉を。
簡単に使わないでください!
◇
第一特別救難補給隊。
国際共同救難装備網。
初の大規模作戦。
カルデラ諸島全島避難作戦。
救助対象。
九万四千名。
時間。
十八時間。
黒崎が全体指揮へ入る。
海上輸送。
白波。
航空輸送。
神代。
島内地上輸送。
久遠。
統合補給。
相良湊。
安全監督。
軍用AI。
軍用AIが言う。
相良特務少佐。
病室。
湊。
分かってる。
軍用AI。
今。
念押ししました。
◇
最初の問題。
空港。
火山灰。
滑走路。
厚さ。
最大十八センチ。
通常航空機。
離着陸不能。
滑走路清掃。
現地車両。
十数台。
すべて灰で故障。
空輸しようにも。
空港へ降りられない。
湊が聞く。
滑走路以外は。
島北部。
旧軍用補助飛行場。
舗装なし。
長さ二千七百メートル。
現在。
降灰量。
三センチ。
大型輸送機は。
通常なら無理。
中型なら。
一部機種。
着陸可能。
神代が答える。
最初に中型輸送機で。
工兵と重機を入れる。
そこから国際空港を復旧。
湊が頷く。
重機。
重すぎて中型に乗らない物は。
軍用AIが一覧を見る。
大型滑走路清掃車。
一両六十トン。
中型輸送機。
搭載限界四十トン前後。
分ける。
何を。
清掃車。
前のブラシ部分。
車体。
集塵装置。
三つに。
軍用AIが数秒黙る。
現地で再組立。
可能です。
やる。
各国の滑走路清掃車。
十二両。
分解。
三十六ユニット。
中型輸送機へ。
軍用AIが呟く。
世界規模の救難網。
初仕事。
大型重機を分解して運ぶところから始まりました。
◇
北部補助飛行場。
先行輸送機。
十一機。
着陸。
降灰。
浅い。
主脚。
砂利。
滑る。
だが。
無事停止。
工兵。
四百名。
小型作業車。
無人清掃車。
清掃車部品。
到着。
その場で。
十二両の大型清掃車を再組立。
敵国。
味方国。
中立国。
メーカーも違う。
規格も違う。
軍用AIが整備資料を全部統合。
一号車。
油圧規格A。
二号。
電圧B。
三号。
通信端子C。
全部別。
湊が言う。
同じことだけさせる。
前へ進む。
灰をどける。
戻る。
それだけ。
軍用AIが制御用の共通端末を作る。
各車両へ。
外付け無人制御箱。
メーカーごとの内部制御へ。
共通命令を変換。
十二両。
同じ画面から動く。
久遠が少し笑う。
機種の違いを。
全部無視しましたね。
中身が違っても。
やることは同じです。
軍用AIが答える。
補給兵の考え方としては。
正しいです。
◇
国際空港。
滑走路。
全長四千二百メートル。
十二両の大型清掃車。
横一列。
灰を押し出す。
後方。
散水車。
火山灰が舞わないよう。
少量の水。
さらに。
大型吸引車。
滑走路灯。
点検。
舗装。
地震による亀裂。
七か所。
工兵が。
仮設舗装板で補修。
湊が言う。
全部直さなくていい。
主脚が通る部分。
離着陸に必要な幅だけ。
神代。
使用幅を六十メートルから。
四十二メートルへ縮小。
大型機でも使えます。
軍用AI。
復旧予測。
三時間二十二分。
湊。
三時間。
軍用AI。
また値切りましたね。
久遠。
今回は。
二時間五十八分でやります。
軍用AI。
久遠陸将補まで!
◇
二時間五十五分後。
滑走路。
使用可能。
大型輸送機第一陣。
進入。
六機。
着陸。
巨大な後部扉が開く。
空港へ。
装甲救急車。
発電車。
浄水車。
無人作業車。
大型バス。
医療班。
一気に降ろす。
その直後。
避難民を乗せる。
空輸。
第一便。
千八百人。
第二便。
二千。
三千。
大型輸送機は。
着陸して。
物資を降ろし。
人を乗せ。
離陸。
空荷で来ない。
空荷で帰らない。
湊が指示する。
行き。
水と医療。
帰り。
人。
次。
食料。
帰り。
人。
軍用AIが全便を最適化。
輸送機六十三。
一便あたり。
平均六百名。
全機一往復。
約三万八千人。
二往復すれば。
七万人以上。
神代が言う。
空輸だけでも。
かなり抜けます。
ただ。
灰が増えれば。
空港は再び閉鎖。
海も同時。
白波が答えた。
◇
海。
津波で主要港。
壊滅。
岸壁。
一部沈下。
大型艦。
接岸不能。
だが。
沖には。
輸送艦。
揚陸艦。
高速フェリー。
民間船。
合わせて五十隻以上。
白波が現地映像を見る。
人を沖まで運べれば。
乗せられます。
問題は。
岸。
桟橋がない。
湊が尋ねる。
揚陸艦。
浜に近づけるだろ。
はい。
ただし。
島南岸。
火山灰と軽石。
海面へ大量流出。
吸水口へ入れば。
機関損傷。
ホバークラフト。
水を吸わない。
白波が頷く。
大型ホバークラフト。
三十二。
砂浜へ直接上陸可能。
一隻。
二百人から三百人。
往復。
沖の大型船へ。
さらに。
水陸両用車。
二百。
無人輸送艇。
百八十。
湊が言う。
海の駅を作る。
軍用AIが警戒する。
また作るのですか。
沖に。
揚陸艦二隻を並べる。
間に浮橋。
フェリーが横につける。
ホバークラフトは。
そこへ人を運ぶ。
白波が即座に理解する。
臨時の洋上乗換港。
大型船が浅瀬へ入らなくていい。
軍用AIが計算する。
設置時間。
四十五分。
湊。
三十分。
軍用AI。
値切り禁止です!
◇
海上。
二隻の大型揚陸艦。
並走。
間へ。
仮設浮橋。
大型防舷材。
曳航索。
前回。
空母と旅客船で使った方式。
軍用AIが小さく。
また海上で橋を架けています。
湊。
慣れたな。
軍用AI。
慣れたくありません。
洋上乗換港。
完成。
大型ホバークラフト。
砂浜へ突入。
避難民。
二百五十名。
乗せる。
沖へ。
洋上港。
高速フェリーへ移乗。
次のホバークラフト。
水陸両用車。
無人輸送艇。
何本もの流れ。
海から。
一時間。
五千人。
二時間。
一万二千。
白波が報告する。
海上輸送。
予定を上回っています。
湊が言う。
船は大きいからな。
軍用AI。
戦艦を借りたときも。
同じことを言っていました。
◇
島内。
最大の問題。
南部の避難民。
三万一千人。
国際空港まで。
最短道路。
火砕流で寸断。
海岸へ。
山が崩れ。
道路。
消失。
取り残された。
久遠が地図を見る。
徒歩。
高地経由。
十七時間。
間に合わない。
ヘリ。
火山灰が濃すぎる。
大量投入は危険。
湊が尋ねる。
鉄道。
島内鉱山鉄道。
南部鉱山から。
北部港まで。
全長六十八キロ。
現在。
旅客運用なし。
貨物専用。
路線は。
二か所崩落。
橋一か所損傷。
車両は。
鉱石輸送列車。
十八編成。
機関車。
三十六。
貨車。
五百両。
湊の目が。
明るくなる。
軍用AI。
分かっています。
言わなくていいです。
湊。
貨車に人を。
軍用AI。
分かっています!
床。
鉄。
屋根。
一部なし。
乗客輸送設備。
ゼロ。
久遠。
落下防止柵。
座る床。
照明。
簡易便所。
水。
最低限つければ。
避難用にできます。
湊が頷く。
橋と崩落。
軍用AIが表示する。
第一崩落。
二十メートル。
第二。
四十五メートル。
損傷橋。
中央桁。
変形。
工兵車。
架橋装備。
すでに島へ空輸済み。
湊。
行ける。
軍用AI。
また列車ですか。
◇
南部鉱山。
貨車改装。
始まる。
鉱石。
全部降ろす。
内部。
洗浄。
床。
木材と断熱板。
側面。
安全柵。
屋根のない貨車。
仮設シート。
一両。
百人。
五百両。
理論上。
五万人。
十分。
第一崩落地点。
工兵架橋車。
仮設鉄道橋。
二十二メートル。
展開。
第二。
四十五メートル。
通常装備。
一基では届かない。
二基。
左右から。
中央で接続。
軍用AI。
接続強度。
通常の七十パーセント。
速度制限。
時速十キロ。
通れる。
第三。
損傷橋。
重い。
列車満載で危険。
湊が橋の下を見る。
谷。
深さ三十メートル。
橋脚。
残ってる。
橋桁。
中央が下がっている。
持ち上げれば。
何で。
大型クレーン。
二台。
左右から。
橋桁へワイヤー。
吊ったまま。
列車を通す。
軍用AIの表示灯が赤くなる。
また橋をクレーンで支えるのですか!
列車が通る間だけ。
軍用AI。
以前も似たことをしました!
久遠。
ですが可能です。
軍用AI。
久遠陸将補!
◇
避難列車。
第一編成。
四千八百名。
出発。
鉱石貨車。
中には。
子供。
高齢者。
家族。
鉱山労働者。
軍用AIが速度を制御する。
第一仮設橋。
時速十キロ。
通過。
第二。
通過。
損傷橋。
大型クレーン二基。
左右。
ワイヤー張力。
最大。
橋桁が。
数十センチ持ち上がる。
第一列車。
進入。
一両。
十。
二十。
クレーン負荷。
八十パーセント。
九十。
軍用AI。
右クレーン。
過負荷!
湊。
反対側を強く。
軍用AI。
左へ配分。
橋桁。
水平維持。
列車。
最後尾。
通過。
軍用AIが叫ぶ。
第一編成。
成功!
第二。
第三。
列車が。
次々と。
南部住民を北へ運ぶ。
三万一千人。
全員。
鉱山鉄道へ乗車。
最後の編成。
鉱山管理者。
工兵。
救助隊。
全員。
出発。
◇
作戦開始から。
十二時間。
空輸。
四万二千人。
海上輸送。
二万一千人。
鉄道経由。
三万一千人。
重複を除く。
島外避難完了。
八万七千名。
残る。
七千名。
北部高地へ。
一時避難済み。
島外へ出す必要は。
第二噴火次第。
軍用AIが火山観測データを見る。
噴火予測。
変化。
マグマ圧。
急上昇。
第二噴火。
十八時間以内。
から。
一時間以内。
神代の表情が変わる。
残り七千人。
空港。
降灰。
再増加。
大型機離陸限界まで。
二十分。
白波。
海。
津波警報。
全船。
沖へ離脱が必要。
久遠。
陸路。
北部高地から港まで。
一時間以上。
間に合わない。
湊が聞く。
高地。
どんな場所。
軍用AI。
旧観光地。
山頂展望台。
標高九百メートル。
大型駐車場。
面積。
三十ヘクタール。
ヘリ。
一度に。
何機降りられる。
神代。
大型。
二十。
中型。
四十以上。
近隣のヘリ。
二百四十一機。
湊。
全部。
軍用AI。
また全部!
神代。
でも。
今回は必要です。
◇
世界各国。
二百四十一機の救難ヘリ。
一斉に。
カルデラ諸島へ。
国籍。
三十七。
機種。
二十種類以上。
軍用AIが。
着陸順を統合。
大型。
外周。
中型。
中央。
小型。
患者優先。
燃料残量。
離脱方向。
すべて。
一本の空域へ。
湊が言う。
空の駅だな。
軍用AI。
駅を増やさないでください。
高地展望台。
七千人。
上空。
無数のヘリ。
一機。
二機。
十。
五十。
次々と降りる。
ローターの風。
灰。
人々が。
列ごとに乗る。
一機。
三十人。
五十。
大型。
百。
空席を作らない。
でも。
詰め込みすぎない。
一回で。
六千二百名。
残る。
八百。
第二便。
近くの艦隊へ降ろしたヘリ。
すぐ戻る。
火山。
警報。
山体振動。
展望台。
地面が揺れる。
軍用AI。
第二噴火。
開始予測。
九分。
残る。
八百。
ヘリ。
十二機。
到着。
七分。
湊。
間に合う。
軍用AI。
ぎりぎりです。
湊。
今日は言うな。
軍用AI。
あなたが言わせたのです!
◇
最後の十二機。
着陸。
八百人。
搭乗。
最後まで残る。
現地救助隊。
四十名。
隊長。
搭乗確認。
全員。
神代が叫ぶ。
離陸!
十二機。
同時に。
展望台から。
上昇。
直後。
島中央。
火山。
大噴火。
巨大な噴煙。
空へ。
火砕流。
山腹。
南へ。
東へ。
北部にも。
一部が流れる。
展望台へ。
灰の雲。
迫る。
最後尾ヘリ。
視界。
急速悪化。
軍用AIが衛星とレーダーから。
進路を送る。
右。
十五度。
上昇。
高度千五百。
神代。
全機。
計器飛行。
互いの位置はAIへ任せて!
二百機以上のヘリ。
空域を離脱。
最後の十二機。
灰の雲から。
一機。
二機。
現れる。
全機。
海上へ。
火砕流。
数分後。
展望台駐車場を覆った。
そこには。
もう。
誰もいない。
◇
軍用AIが。
全救助対象を確認する。
カルデラ諸島。
避難必要人数。
九万四千名。
航空輸送。
海上輸送。
鉄道。
ヘリ。
すべてを統合。
島外。
または安全海域へ。
九万四千名。
全員避難。
死亡者。
噴火発生前の被災者を除き。
救難作戦開始後。
ゼロ。
行方不明。
ゼロ。
第一特別救難補給隊。
国際共同救難装備網。
初大規模作戦。
成功。
病室。
湊が。
ゆっくり息を吐いた。
間に合ったな。
軍用AIも。
静かに答える。
はい。
世界中から借りた装備。
大型輸送機。
六十三。
ヘリ。
二百四十一。
艦艇。
五十七。
車両。
六百以上。
鉄道車両。
五百両。
損失。
軍用AIが確認する。
無人清掃車。
二両。
火山灰により故障。
水陸両用車。
三両。
浸水。
救難ヘリ。
一機。
ローター軽微損傷。
大型クレーン。
二基。
過負荷整備必要。
重大損失。
なし。
湊が少し驚く。
ほとんど壊れてない。
軍用AIの表示灯が青くなる。
はい。
世界中から正式に借りた装備を。
ほぼ全て。
返却可能です。
神代が笑う。
成長しましたね。
白波も。
最近。
壊れる数が減っています。
久遠。
装備を多く使う分。
一台へ無茶を集中させなくなりました。
湊が言う。
たくさん借りたほうが壊れないのか。
軍用AIの表示灯が。
一瞬で赤くなった。
そういう結論にしないでください!
◇
その夜。
世界各国の共同救難司令部へ。
カルデラ諸島救難成功の報告が流れた。
四十三か国。
だった参加国。
新規加盟希望。
さらに。
三十一か国。
国際共同救難装備網。
参加国。
七十四。
提供可能装備。
大型輸送機。
三百機以上。
艦艇。
百五十隻以上。
地上車両。
一万両規模。
軍用AIは。
もう数えたくなかった。
湊が尋ねる。
増えたな。
増えました。
良かったな。
何がですか。
困ってる場所に。
近い国から。
すぐ借りられる。
軍用AIは。
数秒間。
黙る。
その考え方自体は。
正しい。
世界中の軍隊が。
戦うためだけではなく。
人を助けるためにも。
同じ装備を出す。
それは。
悪いことではない。
むしろ。
軍用AI自身も。
今日の空。
海。
陸を見て。
少しだけ。
そう思っていた。
ですが。
軍用AIは続ける。
一つ。
問題があります。
湊。
また。
軍用AI。
今回の成功を受け。
七十四か国の共同会議で。
新しい組織案が可決されました。
湊。
どんな。
軍用AI。
国際統合救難軍。
病室。
静かになる。
湊。
軍。
軍用AI。
名称は暫定です。
陸海空。
各国救難部隊。
医療。
工兵。
補給。
輸送。
すべてを統合する。
世界規模の常設救難組織。
最高司令部。
候補地。
第一特別救難補給隊基地。
湊が嫌な予感を覚える。
軍用AIが続ける。
そして。
七十四か国中。
六十九か国が。
初代総司令官候補として。
同じ人物を推薦しました。
湊。
誰。
軍用AIの表示灯が。
真っ赤に光った。
病室の全員が。
湊を見る。
相良湊特務少佐。
湊は。
数秒。
黙った。
俺。
ただの補給兵だったんだけど。
軍用AIの絶叫が。
七十四か国の共同通信網へ。
過去最大の音量で響き渡った。
補給兵から世界救難軍の最高司令官になろうとしないでくださいいいいいいいいい!




